daisukeとhanakoの部屋

わが家の愛犬 daisuke(MD、13歳)とhanako(MD、6歳)の刺激的仙台生活

最後のアンナミラーズ

2022年08月26日 22時14分48秒 | 東京の風景

 

ファミレス「アンナミラーズ」の唯一残っていた高輪店が8月31日で閉店するそうだ。

 

アンナミラーズはドイツの家庭料理をコンセプトにしたレストランで 、1973年にアメリカ西海岸とハワイで創業した。

日本でもあんまんの井村屋がライセンス契約を結び、1990年から首都圏に25店舗を展開した。

青山、原宿、渋谷スペイン坂、下北沢、自由が丘、お台場……。これは「住みたい街ランキング」ではなく、かつてアンナミラーズが店舗を構えた場所である。

クルーの制服がとにかく可愛かった。短いスカート。チロリアンテープが施された、胸を強調するエプロン。ハート形の名札。ふんわり大きいリボン。

アンナミラーズの日本1号店は、1973年、青山にオープンした🔻

 

メニューは、ホームメードパイ、ハンバーガー、サンドイッチ、パスタなど、デザートや軽食を中心としたラインアップだった。

看板商品のデザートパイは特別な人気で、コーヒーのお代わりが無料だった。

 

 

 

しかし2000年代、ITバブルの崩壊後に18店が大量閉店。その後もじわじわと5店が閉店。

2009年には、高輪店と横浜ランドマークタワー店の2店のみとなった。

横浜ランドマーク店も2012年に閉店し、以降は高輪店が最後の1店となっていた。

 

1970年代は外食産業の勃興期だった。

1970年に「すかいらーく」の1号店が国立にオープン。1971年には「ロイヤルホスト」の1号店が北九州市にオープン。同年に「マクドナルド」の日本1号店が銀座にオープンした。

 すかいらーくやロイヤルホストが郊外のロードサイドを中心に展開したのに対して、アンナミラーズは都心部、駅前から動かなかった。

地方には店舗がなかったので、地方から上京した人にとっては初めて見る都会の象徴だった。

自分も東京にいた時は(場違いな感じもしたが)好んでアンナミラーズを利用した。

アンナミラーズは自分の東京時代の記憶と重なっていた。

また一つ、青春の思い出が消える。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「歴任」 自分で言うな。

2022年08月04日 19時51分12秒 | Weblog
先月、退官したK元教授の講演を聞く機会があった。
彼は、「ご案内のとおり、私はこれまで○○○、△△△などのポストを歴任して参りました」と自己紹介した。
 
私はその「歴任」という言葉に違和感を覚えた。
「歴任」には「いくつもの重要なポジションに就いた偉い人」というニュアンスがあり、自己紹介では使わないと思っていたからだ。
 
この言葉は敬語であり、あくまでも他人を敬って紹介する際に使うべきものである。自分の経歴を語るのに使うと変なのである。敬語だから「歴任した」ではなく、「歴任された」という使い方になる。
 
 本来「歴任」は高い官職を(二つ以上)任されて来たときに使う言葉である。高い官職とは大臣や行政の長など、公務員の中でも相当のポストを指す。普通の会社の役職は該当しないはずだったが、昨今は民間会社でも部長以上の職だと使われているようだ。部長以上は許容範囲としても、「私は係長、課長代理、課長を歴任した」と言ったら、違和感どころか失笑を買うだろう。
 
自分の経歴を紹介するときには謙虚に、「○○○、△△△などを務めさせていただいた」と言えば聴衆も好感を持つ。
 
K元教授はこの先も自己紹介の度に「歴任」を使い、その度に陰で笑われるのだろう。誰も元教授に進言できる者はいないからだ。
偉くなったら、発言はより賢く、慎重であらねばならない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする