この冬仙台は雪こそ少なかったが寒かった。
雪は3回ほど積もったが、翌日には晴れてすっかり解けた。 根雪にはならず鶴嘴を振るうこともなかった。
2月は28日しかないのにとても長く感じる。
1月の次がすぐ3月だったらどんなに良いだろう。
寒い日はまだまだあるが、少しずつ日脚は伸び、夕方5時でも明るくなった。
日の光にも、どことはなしに春を感じるようになった。
近所の公園にも子供たちが出てきた。
泉ヶ岳にも雪はあるが、春の色になって来た。
気象予報士、故・倉嶋厚の「気象歳時記」に次のような記載がある。
・・・・・二月の光は誰の目から見てももう確実に強まっており、風は冷たくても晴れた日にはキラキラと光る。
厳寒のシベリアでも軒の氷柱から最初の水滴の一雫が輝きながら落ちる。
ロシア語でいう「光の春」である。
ヨーロッパでは二月十四日のバレンタインの日から小鳥が交尾を始めると言われてきた。
日本でも二月にはスズメもウグイスもキジバトも声変わりして、異性を呼んだり縄張りを宣言する独特の囀りを始める。
ホルモン腺を刺激して小鳥たちに恋の季節の到来を知らせるのは、風の暖かさではなく光の強まりなのである。
俳句歳時記の春の部には「鳥の妻恋」という季語が載っている。
「光の春」の元のロシア語は「ベスナー・スペータ」と言う。