ファミレス「アンナミラーズ」の唯一残っていた高輪店が8月31日で閉店するそうだ。
アンナミラーズはドイツの家庭料理をコンセプトにしたレストランで 、1973年にアメリカ西海岸とハワイで創業した。
日本でもあんまんの井村屋がライセンス契約を結び、1990年から首都圏に25店舗を展開した。
青山、原宿、渋谷スペイン坂、下北沢、自由が丘、お台場……。これは「住みたい街ランキング」ではなく、かつてアンナミラーズが店舗を構えた場所である。
クルーの制服がとにかく可愛かった。短いスカート。チロリアンテープが施された、胸を強調するエプロン。ハート形の名札。ふんわり大きいリボン。
アンナミラーズの日本1号店は、1973年、青山にオープンした🔻
メニューは、ホームメードパイ、ハンバーガー、サンドイッチ、パスタなど、デザートや軽食を中心としたラインアップだった。
看板商品のデザートパイは特別な人気で、コーヒーのお代わりが無料だった。
しかし2000年代、ITバブルの崩壊後に18店が大量閉店。その後もじわじわと5店が閉店。
2009年には、高輪店と横浜ランドマークタワー店の2店のみとなった。
横浜ランドマーク店も2012年に閉店し、以降は高輪店が最後の1店となっていた。
1970年代は外食産業の勃興期だった。
1970年に「すかいらーく」の1号店が国立にオープン。1971年には「ロイヤルホスト」の1号店が北九州市にオープン。同年に「マクドナルド」の日本1号店が銀座にオープンした。
すかいらーくやロイヤルホストが郊外のロードサイドを中心に展開したのに対して、アンナミラーズは都心部、駅前から動かなかった。
地方には店舗がなかったので、地方から上京した人にとっては初めて見る都会の象徴だった。
自分も東京にいた時は(場違いな感じもしたが)好んでアンナミラーズを利用した。
アンナミラーズは自分の東京時代の記憶と重なっていた。
また一つ、青春の思い出が消える。