仙台の運転免許センターの北側には、かつて「代書屋」と呼ばれる店が軒を並べていた。
この「代書屋」群は行政書士が営んでいた。
当時免許の更新に行くと、センター入口の手前で、代書屋の人間が「免許更新の方はこちらです」とマイクで呼び込みをしていた。
更新に来た人はセンターの出張所なのかと思い、代書屋に入って行った。(あくまでも「出張所です」とは言ってないが、雰囲気でそう感じさせるところがキモである。)
「ここで更新するんですか?」と尋ねると、「ここで書類を作成してから、センターに行くんですよ」と言われた。
仙台の更新手続きはこういうやり方なんだと思い、そこで申請用紙に住所と名前をタイプしてもらった。
毛一筋の疑いも挟まなかった。
料金は(事前に説明なく)1200円請求された。これは正規の更新手数料とは別物だった。。
しかしセンターに行ってみると、住所、名前は別に手書きでもよかったと分かった。
1日に何百人、何千人が、寄らなくていいところに寄り、しなくていいタイプをして、1200円を取られるのである。
「ここで書類を作成してから、センターに行くんですよ」という言い方は、ここでタイプを頼まなければ申請できない、と誤解させるに十分である。
やり方は限りなく詐欺に近いが、行政書士は法律家だから、さすがに決定的なことは言ってなかった。
更新手数料ギリギリのお金しか持ってない人は、その日更新手続きができなくなっただろうと思う。