愛丸のサッカー観戦記

日本代表から欧州・南米などなど
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フルミネンセ-サンパウロ(リベルタドーレス杯 QF)

2008-06-24 23:50:14 | その他
観戦日 6/24(火)       
 
愛丸’s チェック        
リオデジャネイロのチーム対サンパウロのチームの2leg。
1legはムルンビーでアドリアーノのゴールを守りきったサンパウロが勝利。
この結果を受けてのマラカナンでの2leg。
フルミネンセは点を取らないことには始まらない。
ここ8試合ほどゴールに見放されてるワシントンがここで復活することができれば、23ぶりのリベルタ挑戦で、チーム史上初のベスト4も見えてくる。
フルミネンセはカンピオナートを捨てて、ここに全力投球。
なみなみならぬ意欲を感じる。
サンパウロは自慢の守備でしっかり守りきれれば次のラウンドへ進出できる。
攻撃はアドリアーノ頼みだが、この怪物が輝きを取り戻せば、フルミネンセの守備陣をひとりで切り裂くことができる。
フルミネンセの攻撃とサンパウロの守備、どっちが上を行くか。

試合開始から10分でフルミネンセが先制。
これでフルミネンセは最低限の仕事を果たすことができた。
こんな早い時間に点が取れたってことは、ここからどう出るか、考えどころ。
立て続けにゴールを狙いにいって、カウンターを食らってはどうにもならないし、守りに重点を置いても、ドローのまま。
この先制点、ひさびさにワシントンが決めてみせた。
浮いたボールをカベッサーダで落としたボールを、DFの前にうまく入り込んだワシントンが右足のアウトでうまく流し込んだ。
フェイント気味のシュートに名手R・セーニはうまく反応できなかった。
日本でやれてたブラジル人が地元のそれもリベルタという大きい大会で結果を出すなんて、なんだか複雑な気分。
日本のレベル高いわけではなく、ただ本人がすごいってことか。
この先制点後、フルミネンセは攻撃的に出なくなった。
どこかにアウエーゴールを取られることを恐れてたみたい。
そなると、サンパウロがじょじょにペースを握るようになり、後半は押されっぱなしに。
そこで許してはならないアウエーゴールをアドリアーノに奪われてしまった。
ここまでなんとか連携しながらアドリアーノを食い止めてはいたが、このときだけフリーにしてしまった。
左からのクルザメントにどんぴしゃのカッベサーダ。
これで1-1。
アウエーゴールを奪われ、フルミネンセが勝ち上がるにはここから2点が必要に。
って思うまもなく、直後に同点ゴールをドドーが奪ってみせた。
当たりそこないのシュートがフェイントになり、R・セーニの反応を鈍らせた。
これでもまだ2-1でアグリゲートスコアは2-2なんだが、やっぱりアウエーゴールが響いてくる。
怒涛の攻撃を披露しても、サンパウロの本気のディフェンスを打ち破れず、試合はアディショナルタイムに。
ここでやってくれたのがワシントン。
チアゴ・ネーベスのCKを見事な高さでカベッサーダ。
劇的な勝利を呼び込んだ。
8試合ゴールから遠ざかり、サポーターからだいぶブーイングを浴びせられてた男がチームのため、サポーターのために見事なゴールを決めてみせた。
フルミネンセは攻撃的な中盤のチアゴ・ネーベスとコンカがうまい具合にボールを持てればチャンスになるが、ここが押さえられると、なかなかトップにボールが収まらない。
SFの相手はボカだし、ここをうまく機能させないと、うまく戦えないはず。
サンパウロは不運なシュートを決められ、ここで姿を消すことに。
しっかり足に当たったシュートなら、R・セーニも止められたんだろうが、仕方がない。
取られるときってのはこんなもん。
ゴラッソなゴールを決められたんなら納得もいくんだろうが、ちょっとおさまりがつかないかも。
力負けって印象はなく、次やったら結果は変わってくるかも。
アドリアーノはそれなりの仕事ができてたと思うが、最初からパートナーがアロイージオだったら、もっと働けたはず。
攻撃的に振舞ってたら、違った結果になってた。
完全アウエー、それも今世紀になって一番の収容人数になったマラカナンでは、攻撃的にってのは難しかったか。
フルミネンセはチーム史上初のセミ・ファイナル、相手はボカ、申し分ない舞台は揃った。
中盤のふたりが輝けば、ボカをも制覇できるかも。

スコア 3-1

<得点者> 
フルミネンセ   ワシントン×2、ドドー
サンパウロ    アドリアーノ
~愛丸's MVP~
ワシントン(浦和を世界3位に導いた男が、今度は地元に戻ってフルミネンセを南米ナンバー1の座に導いてくれるかも)

LDUキト-サン・ロレンソ(リベルタドーレス杯 QF)

2008-06-24 21:13:45 | その他
観戦日 6/24(火)       
 
愛丸’s チェック        
サン・ロレンソカーサでの1legは1-1のエンパテ。
オリオンがミスしなければ、1-0でサン・ロレンソが勝利していた。
決勝トーナメントの1回戦でリーベル相手に見せたような魂のこもったサッカーが鳴りを潜めてたのはちょっと気になるところ。
それに、この2legは2850mを超える高地での試合。
この悪条件をどうやって乗り切るか。
ディアス監督に何か秘訣でもあればいいが・・・。
LDUキトはいいかたちでカーサに帰ってくることができた。
ここでの試合には慣れてるだろうし、1枚も2枚もサン・ロレンソよりは有利。
しっかり地の利を活かせれば、ベスト4進出も夢ではない。
0-0でなんて考えだったりすると足元を掬われるかも。

この試合、サン・ロレンソのがんばりがひじょうに目立った。
ホームアドバンテージというか南米特有というか、前半の30分にかなり厳しい判定で中盤右のJ・トーレスが一発ロハで退場。
この前にマンソのゴラッソミドルで先制されており、サン・ロレンソは踏んだり蹴ったりの状態。
ただでさえ厳しい条件での試合なのに、ここから10人で戦わなければならないとなると、もう先は見えてこない。
スタミナをかなり消耗することはわかっており、いつまで耐えれるか、それだけが焦点に。
それが、なんと後半の立ち上がりに、CKからベルヘッシオのカベッサで追いつくことができた。
セットプレーでは人数の少なさは関係なくなってくる。
これをいい時間に活かすことができた。
前半からベルヘッシオは高さでは優位に立っており、ここでドンピシャで合わせてきた。
これで沈んでた気持ちがぐっと盛り上がった。
数的不利の状況で、中盤から下の選手はかなりの運動量を強いられたが、なんとか気持ちで乗り切った。
リーベル戦で見せたあの熱い魂がよみがえった。
何度もゴール前に迫られたが、からだを張ったディフェンスでゴールを許さず。
右からゲロン、左からボラージョスと果敢に仕掛けられても、ゴンサレス、プラセンテがしっかり対応。
このふたりはそうとう疲れたはず。
後半も40分を過ぎてくると、ひざに手をついて動けなくなってるシーンが多くみられた。
それでも全員で守り、得点を許さず。
このがんばりだけで勝者を決めていいなら、まちがいなくサン・ロレンソがベスト4に勝ちあがれた。
でも、これはサッカーに試合。
判定なんかないわけで、アグリゲートスコアが2-2となり、アウエーゴールの数も同じでPK戦に。
ここまで運は味方してくれなかった。
ひじょうにもA・トーレスが止められ、勝ち上がることはできなかった。
センテナリオをお祝いにリベルタ優勝という目標の元がんばってきたサン・ロレンソだったが、ここで今シーズンのリベルタは終了。
あのがんばりは見てるひとに勇気を与えてくれるものだった。
LDUキトはしっかりまとまったいいチーム。
数的優位にもかかわらず、後半の立ち上がりに不要に失点し、その後攻めあぐね、PKまでもつれ込んだのは誤算だったか。
前半からLDUキトの攻撃陣を引っ張ってきたマンソもけがで退場する始末だったし、もっと楽に勝てたはず。
サイドのふたりの仕掛けは見事なもんだったが、ちょっといいSBが相手になると、完全に崩すことができなくなる。
ここから先はレベルの高い守備組織を備えたチームが相手になるわけで、もう少し崩しのバリエーションを増やしたい。
マンソのけがも気になるし、キーマンがいなくなったらどうするか、今後注目して見ていきたい。
運よくPK戦をものにすることはできたが、試合内容ではサン・ロレンソに及ばなかった。
やってはいけない点を献上し、最後まで攻めきれず、課題は浮き彫りに。
高地って利点でもうまく活かせなかったので、次のラウンドではもうちょっと違ったサッカーが見てみたい。
チームのまとまりって点ではいいものがあるから、それをうまく活用してもらいたい。
クラブW杯で見てみたいチーム。

スコア 1-1(PK5-3)

<得点者> 
LDUキト   マンソ
サン・ロレンソ ベルヘッシオ
~愛丸's MVP~
ゴンサレス(高性能の右足はかなりの武器に。守備でもボラージョスを好きにやらせず、攻守両面で大活躍)

アトラス-ボカ(リベルタドーレス杯 QF)

2008-06-24 18:54:37 | その他
観戦日 6/24(火)       
 
愛丸’s チェック        
決勝トーナメントの1回戦での制裁でボンボネーラが使えなかった1legではなんと2-2。
アウエーゴールを取られ、なおかつGLで敗れてるアトラスカーサでの2leg。
これはディフェンディングチャンピオンにとってはかなり厳しい状況。
それでも、リケルメを中心になんとかしてくれるのがボカ。
チーム力を考えれば完全にボカが上だが・・・。
アトラスは1-1のエンパテでも勝ちあがりが決まる。
相手がボカだし、油断みたいなことはないと思うが、気が緩んだりしたら、ボカの餌食になる。
1legで見せたような積極性が出せれば、ここでもしっかり結果は出せるかも。

試合はボカが力の違いを見せつけた。
あの1legはいったいなんだったのだろう。
先制され、逆転したにもかかわらず、最後の最後に同点ゴールを叩き込まれる始末。
こんなボカは見たことがなかった。
リケルメの調子もイマイチだったし、パレルモにもゴールの予感がなかった。
それが、このフエラでなんと前半で大爆発。
アトラスがどうもエンパテ狙いって言うか、点を取られることを恐れてか、かなり引いた状態で試合を進めていった。
これが凶と出た。
中盤で、リケルメ、チャベス、ダトロ、バタグリアが思いのままパス回しができてたし、SBのオーバーラップも効果的だった。
ゴール前を固めてなんとか対応してたが、これだけではボカは止められない。
リケルメがかなりフリーな状況になってたのがアトラスには痛手だった。
1legを戦って、この天才に切れがないと踏んでのことだったのか、かなりいけてない作戦だった。
多少調子が落ちててもフリーでボールを持たせればしっかり仕事をする。
この男の中央を切り裂く必殺スルーパスがパレルモに通り、これを得意の左足でダイレクトのシュート。
ババは触りはしたが、ボールはゴールへ転がっていった。
これで調子の乗ったパレルモはパラシオからのプレゼントパスを右足で決め2点目。
その後、バイタルエリアでフリーになり、ババの位置を見ての絶妙ループ。
前半でハットトリックを決めてみせた。
この男を乗せるとこうなる。
アトラスは乗せてはいけないふたりのキーマンを乗せてしまった。
後半はしっかりアトラスの攻撃をしのぎ、文句なくフエラの地で完勝を収めた。
あわやのシュートを何本か放たれはしたが、けがのカランタに代わってゴールマウスを守ったミグリオーレが好セーブを連発。
正GKじゃないかと思うぐらいの活躍だった。
ボカはどのポジションでもしっかりしたバックアッパーがいるのが強み。
アトラスはチーム史上初のリベルタベスト4進出に大きく近づいてたが、ボカの牙城を崩すことはできなかった。
アウエーゴールを2発奪ってのエンパテ劇はこれ以上ない結果だったが、それが逆にこのカーサでの2legでの積極性を奪ったかも。
守りきると踏んで、守備的に振舞ったんだろうが、この試合への入り方が失敗だった。
1legぐらい攻撃的にいければなんとかなったかもしれんのに・・・。
トップのマイオーリなんかはここでしっかりボカを打ち破って、古巣を見返してやりたかったはず。
チームが守備的にいったもんだから、なかなか前線に効果的なパスが供給されず、そうとうストレスがたまっただろう。
0-3の状況からどうにかしろっていってももう遅い。
監督の采配ミスなのか、選手たちの気持ち問題だったのか、アトラスにとって惜しいチャンスを逃した。
これでボカはSF進出。
相手はサンパウロかフルミネンセの勝者。
アルゼンチン対ブラジルというおもしろい試合が期待できそう。
個人的にはフルミネンセとの勝負が見たい。

スコア 0-3

<得点者> 
ボカ   パレルモ×3
~愛丸's MVP~
ミグリオーレ(とてもセカンドGKとは思えないようなでき。うかうかカランタも休んでられなくなってのでは・・・)

スペイン-イタリア(EURO´08 QF)

2008-06-24 11:51:35 | 各国代表戦
観戦日 6/24(火)       
 
愛丸’s チェック        
文句なしにGLを突破したスペイン。
このチーム、GLはだいたいこんな感じでしっかり突破できる。
問題はここから。
なかなかベスト8の壁を打ち破れない。
今回の相手はイタリア。
GLで躓いたとは言え、しっかり勝たなければならないところでは結果を出してきた。
3月の親善試合でスペインが勝ってるとは言え、あくまでも親善試合。
本気のイタリアの守備をスペインが攻略できるか。
イタリアはこの大事な試合で、ピルロ、ガットゥーゾがサスペンションで出られない。
いかにGLの戦いが厳しかったか。
攻撃の起点とチームを助けるマーカーがいないイタリアがどんなサッカーを見せてくれるか。

両チーム、相手を攻略できないまま時間は経過していった。
決定機も少なかったが、そんなに退屈なゲームではなかった。
緊張感がすさまじかった。
スペインはここでいつもみたいに終わりたくないという強い意志が感じられたし、イタリアは持ち前の勝負強さっての発揮した。
この試合、アラゴネスが積極的な采配に出て、その分、最後に神さまが味方してくれたような気がする。
イニエスタ、チャビ、F・トーレスとこのEURO開幕前はスペインの中心選手と見られていた選手たちを途中交代させた。
それも延長なんか見据えもせず。
代わったセスク、S・カソルラ、グイサが決定的な仕事をしたかと言えば、そうでもなかったが、イタリアのDFにプレッシャーを与えることはできた。
セスクはこの試合、これまでの代表戦の中で一番よかったように思う。
ここまでを考えると、チャビとセスクの両立は難しいかも。
バルサ勢はどこか全てにおいて元気がない。
プジョルはそれなりにやってるが、攻撃面を考えると、バルサの不調をここでも引きずってるような・・・。
果たして次のラウンドではどんな布陣で挑んでくるか。
この大会前のテストマッチを見てて、マルチェナが心配で心配でしょうがなかったが、試合を重ねるごとになんとかやれるようになってきた。
トニを押さえるのに苦労はしてたが、プジョルとともに魂と汚さで凌ぐことができた。
マルチェナのプレーを見てると、どこかアジャラの匂いがしてくる。
あそこまでのグレートなディフェンダーではないが、それに近づくようなダーティーでクレバーなディフェンダーになってもらいたい。
クアトロ・フゴーネスで本大会には望むってことで、ラウルを召集せず、いざ大会が始まると4-4-2というフォーメンションであっさりクアトロ・フゴーネスを解体。
これがうまく機能し、なんとかベスト4までこぎつけた。
PK戦になった段階では、もう終わりかと思ったが、カシージャスがブッフォンを上回った。
こういう反応対決になるとカシージャスに分がある。
世界でも3本の指に入るGK対決は見応えがあった。
イタリアはトニの不調が最後まで響いた。
この大会、流れの中での得点は生まれなかった。
ピルロがいたら、もうちょっと展開が変わったのかもしれんが、いない人間に頼ってもどうしようもない。
カッサーノが前線で違った色を出していたが、これも後半半ばになると、スタミナ切れ。
この段階でデル・ピエロでもよかったような気がするが・・・。
トニの代役を用意してなかったのも響いたか。
起点にはなれてたし、高さもいつ爆発するかわからない。
なかなか代えるのは難しかったか。
ボリエッロでは心もとないし、これはクアリアレッラにしても同じ。
デル・ピエロとカッサーノの2トップってのも考えずらいし、やっぱりピッポを呼んどくべきだった。
今さら何を言っても始まらないか・・・。
ただ、けが人が続出し、4枚のDFがすべてSBの選手って緊急事態だったが、さすがイタリア、見事に守ってみせた。
パヌッチの老獪なプレーに、キエッリーニの強さ。
クラブでもCBを任されたりしてるわけで、ここの人選は間違えではなかった。
特にキエッリーニはよくやった。
危険ところにはいつもこの男がいた。
スピード対応もできるし、強さもある。
イタリアはここで姿を消すことになるが、キエッリーニはこれでかなり成長したに違いない。
キャンプ中には味方に激しいタックルを見舞いすぎて、カンサーノとやりあったらしいが、そこで培った激しさをしっかり本番でも見せることができた。
これでベスト4が出揃った。
普通に考えれば、ドイツとスペインのファイナルってことになりそうだが、トルコがまたまた奇跡を起こすかもしれんし、ヒディングマジックが炸裂し、ロシアがスペインにリベンジを果たすかもしれん。
なかなかおもしろい2試合が見れそう。

スコア 0-0(PK4-2)

<得点者> 
 なし
~愛丸's MVP~
カシージャス(この男に感謝しても感謝しきれない。もう神様、仏様、カシージャス様。ブフォンとの対決に勝ったってことは更に自信がついたはず)