愛丸のサッカー観戦記

日本代表から欧州・南米などなど
※掲載された試合にのみコメントはして下さい

南アW杯 回顧録

2010-07-13 01:29:02 | 各国代表戦
1ヶ月に及ぶ戦いも、スペインの初優勝と言う形で幕を閉じた。
ポゼッションサッカーが結果を出したってことは、今後のサッカーの発展のためにはいいことだと思う。
スペイン、ドイツを軸に、今後のサッカーは廻っていきそう。
ただ、ブラジル、アルゼンチンの南米勢も黙ってはいないだろうし、アフリカ勢ももっともっと力をつけてくるはず。
東アジアが結果を出し、これに西アジアのチームも指を加えて見てるだけではないだろうし、今から4年後が楽しみ。

1ヶ月前、南ア-メキシコでこの大会がスタートしたんだが、その頃は、いわゆる“あっちゃんショック”を引きずっており、なかなかサッカーに集中できてなかった。
それが、ここまで引き込まれるんだから、W杯という大会の偉大さを思い知らされた。

全試合を観戦し、ここで、またしても自分なりにランキングをしてみたいと思う。
いろんな意見があると思うので、みなさんの考えも聞ければ幸いでございます。

まずはベスト11。
ファイナルに進出した2チームのシステムを尊重し、4-2-3-1で。

GK    カシージャス(スペイン)

CB    プジョル(スペイン)
      ルガノ(ウルグアイ)
右SB   S・ラモス(スペイン)
左SB   フシレ(ウルグアイ)

ボランチ  シュバインシュタイガー(ドイツ)
      アナン(ガーナ)      
 
右SA   T・ミュラー(ドイツ)
トップ下  スネイデル(オランダ) 
左SA   イニエスタ(スペイン)

CF    フォルラン(ウルグアイ)

こんな感じになりましたが、みなさんはどう思いますか?
ロッベンがファイナルであの決定機を決めてれば間違いなくベスト11に入っただろうし、エジルもスタミナがもっとあれば・・・。

次は、ベストゴール。

前回から更にゴールも生まれたし、また違った順位に。

1位  フォルラン(3位決定戦での、バウンドさせたあのスーパーボレー)
2位  マイコン(北朝鮮での角度のない位置からのアウトにかけたシュート)
3位  プジョル(SFのドイツ戦での魂のヘッド)

フォルランはあのボレーだけでなく、オランダ戦のミドルもすばらしかったし、MVPに輝いたのも頷ける。
欲を言えば、3位決定戦でのあの最後のFKが決まってたら、文句なしだったはず。

次にベストゲーム。
基本的には前回に挙げたものがそうなんだが、それを上回る試合は、3位決定戦とファイナルぐらいしかなかった。
順位を付けるなら、3位決定戦の方が勝つことを考えて両チーム戦った分おもしろかったかも。

1位  ウルグアイ-ドイツ(3位決定戦)
2位  オランダ-ドイツ(ファイナル)
3位  チリ-スイス(グループH 第2節)

この大会で、注目を集めた若手も多く、これから移籍が最大の注目に。
プレミアは1ヵ月後、セリエ、リーガは8月の終わりに開幕。
早くその時が来ないかいまから待ち遠しい。

その前にリベルタのベスト4からの再開もあるし、CLのプレーオフもある。

サッカーに休みはない。

これからもみなさんで盛り上がっていきましょう。

とりあえず、1ヶ月間お疲れ様でした。

オランダ-スペイン(W杯 決勝トーナメントファイナル)

2010-07-12 06:19:33 | 各国代表戦
観戦日 7/12(月)       

愛丸’s チェック
長く続いた戦いも、この試合が最後。
どちらが勝っても初優勝。
守備的なチームが目立つ中、ポゼッションを軸に、攻撃的に振舞えるチーム同士のファイナルに。
オランダは、自分たちのサッカーをしっかり貫くこと。
ドイツみたいに受けに回ってしまうと、スペインの思う壺。
押し込まれても、引いたばかりではなく、攻撃にも重点を置く展開にしないと。
スペインは、これまで通り、中盤で主導権を握り、高いポゼッションで相手をねじ伏せたい。
それができるチーム。
カウンターを注意しないといけないが、守備も安定してるし、カシージャスも当たってきた。
果たして、どちらが初めてW杯を掲げることができるか。

死闘と呼ぶにふさわしい試合に。
なかなか点が生まれなかったのは残念だったが、球際の激しさ、当たりの強さ、それをかいくぐるテクニック、見ててスリリングな展開に。
オランダも、スペインも自分たちのサッカーができてたはず。
それを押さえ込む守備も、両チームはしっかりできてた。
オランダは早い時間にイエローをもらい過ぎたのが、最後の最後に響く形に。
V・マルバイクは、うまくイエローをもらった選手を交代させながら、やってきたんだが、さすがにCBをいじることはできなかった。
裏をつかれることが多くなり、スピード対応に難のあるCBだし、それに、スタミナも残ってなかっただろう。
そこでハイティンハがやってしまった。
イニエスタの突破を後ろから掴んで2枚を頂戴。
これで、オランダは数的不利になり、もうやることは、ひとつ。
だったんだが・・・。
ここでスペインは足を止めることなく、途中交代した選手たちが活躍し、ここまでこじ開けれなかったオランダのゴールをなんとかこじ開けた。
イニエスタのシュート、セスクのスルーは完璧だったんだが、ここに至るまでのJ・ナバスの長いドリブルをどこかで止めることができてれば。
それと、中に入れてきたF・トーレスのクロスをラフィがもっと遠くにクリアできてれば。
この2点をうまく対応できれば、失点はなかったかも。
ほんとに惜しいシーン。
惜しいと言えばロッベン。
一度はスネイデルのスルーに抜け出してカシージャスと1対1に。
うまくカシージャスの逆をついたシュートを打てたが、これはカシージャスが右足でスーパーセーブ。
それと、プジョルにスピードで勝ってエリアまで進出するも、うまく対応されて、カシージャスがキャッチ。
このふたつのシーンのどちらかで決めてれば一躍ヒーローだったのに・・・。
ロッベンはプジョルのファールをアピールしてH・ウェブを追いかけたシーンでかなりスタミナを消耗。
ここから動きが格段と落ちたような・・・。
こういうプレーは見たくなかった。
スペインに対して臆することなく戦ったオランダは賞賛に値するし、あれだけスペインを押さえ込めたのはスイスとオランダぐらい。
準優勝はそうとう悔しいだろうが、胸を張って帰国していいはず。
スペインは、この大会の初戦ぐらい苦しい試合になった。
なかなか中盤でうまくボールが回せず、ひとりがボールを持つ時間が長かった。
少ないタッチ数でこ気味よくパスが回るのがスペインなんだが、それどうも個人に頼るプレーが目立った。
オランダよりも試合間隔が短く、フィジカルの面で万全じゃなかった。
それはここまできたらそうなるはずで、ここでオフ・ザ・ボールの動きが効果的でなかったのは仕方ないこと。
ピケが最終ラインでボールを持ったとき、それが顕著に出てた。
ただ、いつもよりもうまくサッカーができなくても、失点することなく、ここってところで、あのパスサッカーを見せることができた。
オランダが数的不利になった延長後半、ここで更にスイッチを入れなおした。
ここで活躍したのが、途中交代の選手たち。
J・ナバスが自陣からドリブルで持ち上がり、左に開いたF・トーレスへ。
ここからのクロスのクリアのこぼれを拾ったのが、セスク。
ここで右でフリーになってたイニエスタへ見事なスルー。
これをイニエスタが落ち着いてボレーで決めてみせた。
イニエスタ以外が途中出場の選手たち。
この大会、デル・ボスケは選手交代の形を決めず、相手に対してうまく交代できた。
それが、スペインの優勝に繋がったのかも。
J・ナバスは右サイドで自分の役割をしっかり果たしたし、セスクは中盤のポゼッションを高めるために一役買った。
このふたりで、スペインの攻撃はかなり活性化したし、見事な選手交代を言っていい。
F・トーレスはまだ体調万全ではなかったし、故障もしてしまい、いいファイナルにはならなかったんだろうが、それでも、この男のクロスから点は生まれてる。
中盤ではオランダを上回るクオリティだったし、守備ではブスケツの中盤の踏ん張り、それとカシージャスのビッグセーブが全て。
ロッベンの抜け出しを右足でストップしたシーンは、今大会最高のセーブかも。
これぞ聖カシージャス。
あそこで失点してしまってたら、この結果にはならなかっただろうし、この男のこのビッグセーブが出ると、スペインは結果を残す。
とにかく、スペインがオランダを上回ったわけで、あそこでこうとか、ここでああだったってのは必要ないだろう。
スペインが世界一強いチームだってこと。
チームのまとまりも見事だったし、最後まで自分たちのサッカーを貫いた。

ほんとに心からおめでとうと言いたい。
スペインのサッカーが世界基準になることを切に願う。

これで南アW杯は全て終了。
なんとか全試合を観戦することができました。
あの試合もよかったし、この試合もよかった。
あのゴールがすばらしかったし、あのセーブも身震いした。
いろんな思いがありますが、それは後ほど、振り返ってみたいと思います。

スコア 0-1(0-0 ET0-1)

<得点者> 
スペイン   イニエスタ     
~愛丸's MVP~
イニエスタ(中盤で一番コンディションがよかったのがこの男。それとあの大事な場面できっちりゴール。ここってところでやってくれる頼りになる選手。カシージャスもMVPに値するスーパーセーブを披露)

ウルグアイ-ドイツ(W杯 決勝トーナメント3位決定戦)

2010-07-11 09:38:30 | 各国代表戦
観戦日 7/11(日)       

愛丸’s チェック
南アW杯もここまできてしまった。
開幕前に、なかなかW杯モードになれなかったんだが、始まったら、やっぱり最高に盛り上がってしまった。
そのW杯も、残り2試合。
王者を決める前にまずは3位を決める試合が。
ウルグアイは、この3位決定戦に全力投球してくるはず。
得点王が狙えるフォルランもいるし、スアレスもSFのサスペンションを払拭したいだろうし、攻撃陣のモチベーションが高いはず。
ここでやらないと、もう後がない。
ドイツは、SFで全てを使い果たしたのか、レーブ監督を含め、風邪がチーム内で流行してしまった。
これで使えない選手も出てきたし、大会通算得点記録を狙うクローゼも腰痛で離脱。
この窮地を抜け出すには、もうドイツお得意のなんとか魂しかないか。

やっぱり、この3位決定戦ってのは、大会の中でも見応えのある試合になってくれる。
ここは負けられないって気持ちよりも、なんとかして相手を上回ろうって気持ちが強く出てくる。
そうなると、自然と攻撃に重点が置かれ、点を奪うための策を積極的に取ってくる。
この3位決定戦以外では、まずは負けないことが念頭に置かれ、どうしても、こういう短期決戦の大会だと、ロースコアの守備的な展開になるんだが、これは違う。
この大会の3位決定戦も、見事におもしろい試合展開になってくれた。
ウルグアイは、自慢の3トップがそろい踏みで、自分たちのやるべき仕事を最後まで全うした。
SFをサスペンションで休養することになったスアレスは、大ブーイングに負けることなく、エリア付近での突破が切れに切れてた。
このテクニックにドイツのDF陣はかなり手を焼いた。
ただ、決定機を決めることができず、チームの勝利に貢献できず。
前半と、後半に1本ずつ、フリーで打てるシーンがあったんだが、ここってところで力んでしまった。
この点を改善できれば、プレミアでもリーガでも得点王を狙えるだけの力は持ってる。
ここまでいい動きを披露できてたが、点が奪えなかったカバーニに、やっとゴールが。
それも1点ビハインドの状況から追いつくゴール。
高い位置で奪ったボールから前の3人がうまく連動して動いて、フォルランからのスルーにうまく抜け出してのゴール。
なんとか最後の試合でゴールを決めれたし、このゴールが今後に繋がるはず。
いつまでもフォルランに頼るわけにもいかないだろうし、ここからは、スアレス、カバーニが軸になっていかないと。
とは言っても、やっぱりやってくれるのはフォルラン。
一時は逆転となる、あのスーパーなボレーは、ここまでのベストゴール。
アレバロががんばって上げたクロスをダイレクトで叩き込んだ。
それもバウンドさせ、バウンドしたボールが変化して伸びた。
これはブットもどうすることもできないだろう。
トップ下の位置で、うまくボールを引き出すこともできるし、単独の突破もできる。
フィニッシュも正確だし、ここまでパーフェクトのFWはそう多くはいない。
ATも終了間際、これがラストプレーであろうといういい位置でのFKは、うまく壁を越えたが、惜しくもクロスバー。
あれが決まってたら、この大会がフォルランの大会だったと言っても過言ではないはず。
ウルグアイは、中盤の守備も最後まで安定してたし、DFラインにも多くのミスはなかった。
ただ、ドイツを自力で上回ることができず、4位という結果に。
そのドイツ、ここまでも十分若いメンバーで望んだんだが、この試合は風邪やらケガやらで、主力が使えない状況に。
トップにはカカウ、左の攻撃的な位置にヤンゼン、左SBにはアオゴとまたまたフレッシュな顔ぶれに。
使われた選手たちがそれなりに仕事をし、ヤンゼンにいたっては、貴重な同点ゴールまで挙げてみせた。
守備に難のある選手だし、SBで起用するよりは、この高い位置でのプレーの方がこの男の良さは引き出せたはず。
アオゴもスアレスとのマッチアップにはそうとう苦労したが、この舞台を経験できたことが何よりで、これが今後に生きてくるはず。
カカウは、なかなかボールが収まらずイライラした部分も見られたが、単独での突破って部分では、これまでドイツにはいなかったタイプのトップ。
これから、この男を軸にするのかどうかわからないが、戦力にはなるはず。
ドイツは、いつもよりも攻撃的に振る舞い、これまで守備での貢献が光ってたシュバインシュタイガーが、この試合ではミドルで何度かウルグアイゴールを脅かした。
前回大会の3位決定戦でも見事なミドルを突き刺したが、この試合でも、先制点に繋がるスーパーなミドルを披露。
さすがのムスレラもあのシュートの弾道には、うまう対応できてなかった。
このこぼれをT・ミュラーがつめて先制。
T・ミュラーはこのゴールが5点目となり、得点王争いの首位タイに。
この男がSFに出場できてれば、得点を取れたかもしれんし、スペインにも勝ったかもしれん。
エジルが疲労のためか、ここまでの切れになかったのは残念だったが、ケディラは依然元気だったし、決勝ゴールも決め、途中出場ではT・クロース、キースリンクとこれまた若手が出場。
このドイツを見てると、次のEUROはスペインと並び、優勝候補の筆頭に。
これからドイツを中心に世界のサッカーが動いていくかも。

スコア 2-3

<得点者> 
ウルグアイ   カバーニ、フォルラン
ドイツ     T・ミュラー、ヤンゼン、ケディラ     
~愛丸's MVP~
シュバインシュタイガー(最初の同点に追いつかれたシーンでのミスはあったが、それ以外はパーフェクト。この試合ではここまであまり見られなかったミドルも積極的だったし、また一回り成長した感じ)

ドイツ-スペイン(W杯 決勝トーナメントSF)

2010-07-08 10:22:57 | 各国代表戦
観戦日 7/8(木)       

愛丸’s チェック
ドイツは、このSFで、EUROの借りを返したいところ。
大きな大会の、それも重要な試合で、同じチームに連敗は許されないだろう。
あのときのドイツとは全く違ったチームだし、スペインまではいかないが、華麗な攻撃サッカーを手に入れ、ポゼッションサッカーで勝負できそう。
それに、あの魂が加われば、この試合をものにしてもなんらおかしくない。
スペインは、徐々に自分たちのサッカーを展開できるように。
まだ、中にはコンディションが上がりきってない選手もいるが、逆にどんどんよくなってきてる選手もいる。
中盤で、今のドイツを上回るポゼッションができれば、自分たちのサッカーを貫くことができる。
間違いなく、この試合はいい試合になる。

ドイツは、試合に入り方を間違えた。
あれだけ守備的に振舞ったら、自分たちの力が下だってことを認めるようなもん。
イングランド、アルゼンチンを下したように自分たちが積極的に先制点を奪うようなサッカーを展開してもらいたかった。
今のドイツにはそれができたはず。
T・ミュラーのサスペンションを痛かったが、それでも、しっかりやれる選手は揃ってる。
こんな感じで試合に入ったもんだから、スペインにポゼッションされ、スペインに主導権を渡すことに。
そうなると、スペインは自分たちのサッカーを展開すればいいだけで、のびのびとプレーできてた。
ただ、ドイツもこのスペインのパスサッカーをしっかり研究し、うまく対応はできてたんだが、これで、体力を消耗してしまうと、いざ攻撃にってときに力が発揮できない。
エジルが前半の終わり間際に、中央を突破したシーンがあったが、ここで踏ん張りが利かなかった。
フィジカルにまだ難のある選手だし、あの攻撃能力をもっと引き出すなら、あまり守備の負担をかけたくない。
だったら、ここまで見せたような攻撃サッカーをここでも展開すれば、もっと攻撃的な選手が活きてきたはず。
クローゼにも効果的なボールが入らなかったし、取れる選手を活かしきれてない。
ポドルスキ、シュバインシュタイガーと守備での貢献がかなり目立ったが、このふたりが攻撃でも目立つようだったら、ドイツにも多くのチャンスが訪れたはず。
それにしても、シュバインシュタイガーの守備力がここまでアップしてるとは。
危険なシーンには必ず、この男が顔出し、ディフェンスしてたし、これが90分最後まで続いた。
この男の貢献がなかったら、ドイツは散々な目にあったかもしれん。
このポジションで開花させたV・ハールに、感謝しないと。
流れに中で、失点しなかったドイツだったが、あのCKからプジョルの魂のヘッドで、痛恨の失点。
高さ勝負では自信があったかもしれんが、プジョルにあの入り方をされては、なかなか対応できない。
ショートCKを多様してたスペインが、真っ向勝負で得点。
これもドイツに取ったら皮肉なもん。
これで、主要な世界大会でスペインに連敗を喫したドイツ。
20年ぶりの世界王者の夢はついえてしまったが、2大会連続の3位を目指して、ウルグアイとの3位決定戦も必死に戦ってもらいたい。
スペインが、この大事なSFで、最高のサッカーが展開できた。
これぞスペインってポゼッションサッカーを披露。
あれだけドイツが守備的にきてくれれば、これぐらいのサッカーは展開できる。
ドイツが下がってくれたおかげで、自分たちの力が上だと確信しただろうし、自信を持ってプレーできたはず。
それでも、なかなか点が奪えず、奪った点もCKからだし、見ようによったら、満足のできないものかもしれんが、あれだけポゼッションして自分たちのサッカーをできたわけで、これは大したもん。
不調のF・トーレスを外してビジャの1トップ。
サイドにイニエスタとペドロを配置。
このふたりがパスだけでなく、ドリブルで局面を打開するシーンも多く、この采配もずばりはまった。
ペドロはカウンターから途中出場のF・トーレスにパスさえ出してれば間違いなく追加点が奪えたシーンで、自分で仕掛けて奪われるシーンがあったが、これ以外は、最高のパフォーマンス。
周りにバルサの選手が多いのもやりやすい要因だろう。
チャビが、X・アロンソと同じような位置でプレーしてる時間ではなかなかチャンスが作れなかったが、もうひとつ高い位置でボールに絡むとチャンスの数が激増。
いかに、この男をこのポジションでプレーさせられるか。
パスも回せる、ミドルもある、サイドからのSBの攻撃参加もありで、スペインは、こおkにきて最高の状態になりつつある。
もうひとつ上のレベルまでいけるだろうし、それをファイナルで披露できれば、初の世界王者に。
これで、ファイナルはオランダ-スペインとポゼッションサッカー同士の対決に。
ここでオランダにはドイツの二の舞にはなってもらいたくない。
守備が売りのチームではないんだし、ここはしっかり自分たちのサッカーを貫いて、こちらも初の戴冠を目指してほしい。
オランダも、バルサ主体のスペインも、クライフが土台にある両チームの激突だし、最高のファイナルになる予感がする。

スコア 0-1

<得点者> 
スペイン   プジョル     
~愛丸's MVP~
ペドロ(自分でいってカウンターを不意にしたシーンはいただけなかったが、それ以外のパフォーマンスを見事だった。この男の突破がどれだけ効いてたことか。この大会でも得点の予感)

ウルグアイ-オランダ(W杯 決勝トーナメントSF)

2010-07-07 09:32:26 | 各国代表戦
観戦日 7/7(水)       

愛丸’s チェック
この南アW杯も、残り4チームに絞られた。
ヨーロッパ以外の大陸で開催されるW杯で、ヨーロッパ勢はこれまで一度も優勝したことがない。
そのジンクスが生きてるなら、優勝はウルグアイってことに。
この試合で、ウルグアイが勝つようなことがあれば、そのジンクスも信用できるが、まずは、このオランダとの難しい試合をものにしないと。
ただ、サスペンション、ケガ人で、ベストの布陣が組めない。
これをどう乗り切るか。
オランダは、あの攻撃陣に今は固い守備も手に入れつつある。
この試合も、圧倒的にポゼッションするはずだが、こうなると、カウンターへの対応が鍵。
今のオランダになら、その対応もしっかりできるはず。
これでV・ペルシに切れが戻ってきたら、クライフでの成しえなかったW杯制覇も見えてくる。

ウルグアイは、ウルグアイの戦いがしっかりできてた。
これまでは3トップをベースに、中盤以降の選手でしっかり守る、堅守速攻型の試合で、勝ち上がってきた。
それが、スアレスがサスペンション、ロデイロが骨折と、どうしても3トップが組めない状況。
アブレウを先発って手もなくはなかったが、ここは4-4-2を採用。
フォルラン、カバーニと、クラブチームでは2トップでのプレーが多いから、これがやりずらそうには思えなかった。
カウンターから、このふたりだけで、フィニッシュまで持ち込めるシーンもあったし、この2トップは機能してたと思う。
ただ、ちょっとしたズレで、チャンスを不意にするシーンもあり、これはこのオプションの練習不足だったか。
中盤は、ほぼオランダの攻撃陣に対応。
A・ペレイラが前線に顔を出すことは多かったが、それ以外は、中盤で泥臭くプレー。
それができる選手を起用してきた。
この試合が初先発のガルガノもナポリでのプレーをそのままやれてたし、バイタルでの激しいプレーを披露。
D・ペレス、アレバロも今まで通り、チームのためにプレーし、ここでの守備がどれだけDF陣を助けたことか。
DF陣ではキャプテンのルガノがケガで出れず、左SBのフシレはサスペンション。
ゴディンが戻ってきたCBはいいとして、左のSBにはM・カセレス。
バルサ、ユーベでは右SBをやるケースが多かったが、この試合では不慣れな左SB。
それに対応するのはあのロッベン。
これが思いのほかよくやれてた。
完璧に押さえ込んだわけではなかったが、それでも、ロッベンはやりづらそうで、これは成功の部類だろう。
右のM・ペレイラもうまく対応できてたし、この試合のウルグアイの守備で悪い部分は見られなかった。
ただ、V・ブロンクホルストのスーパーなミドル、スネイデルのシュートはV・ペルシがオフサイドだったにも関わらずゴールが認められ、この2点は運がなかった。
この後のロッベンのヘッドをなんとか決めさせなかったら、果たしてこの試合はどうなかったか。
いい部分が多かったウルグアイだったが、1点届かず、ここで敗退。
まだ3位決定戦が残ってるし、その試合に最後の力を振り絞ってがんばってもらいたい。
オランダは、なかなか流れに乗れず、苦しい試合展開だったが、やっぱり地力の違いで、ウルグアイを退けた。
オランダらしい攻撃が見られなかったが、それでも3点を取るんだから立派なもん。
ロッベン、カイトのサイドアタッカーが、ウルグアイの守備に苦しめられ、V・ペルシも献身的な動きが見られない。
1トップでからだを張るタイプではないし、自分のプレーをもっとやればいいんだが・・・。
サイドに流れてのプレーがグループリーグではよく見られたが、それがこのトーナメントに入ってからあまり見られなくなった。
サイドに開くことによって中のスペースを使える選手が多いんだし、もっと前線での動きがほしい。
ファイナルでは、あのオランダのサッカーを披露してもらいたい。
この試合を決めることになったロッベンの3点目。
あまり見られないヘディングでのゴールだったが、マドリーでリーガを制したときの終盤戦、ロッベンはよくヘッドでゴールを決めてた。
なんだか、そのときの雰囲気に近い感じがする。
ヘッドが得意とは言えない選手が、ヘッドでゴールを決める。
QFのスネイデル、この試合でのロッベン、オランダには何か感じるものがあるんだが・・・。
2点目は明らかにV・ペルシはオフサイドだっつぃ、いくらボールに触ってなくても、GKの前で、あのスクリーンの動きはプレーに関与してる。
それを見逃してもらったわけで、運も味方に付けてる。
さて、残りの試合で、ファイナルの相手が決まるが、できれば、ドイツに上がってきてもらって、あのときの借りを返したいはず。

スコア 2-3

<得点者> 
ウルグアイ   フォルラン、M・ペレイラ
オランダ    V・ブロンクホルスト、スネイデル、ロッベン     
~愛丸's MVP~
スネイデル(今のオランダはこの男を中心にチームが仕上がってる。こおまで5得点でビジャと堂々と得点王争い。ファイナルでもその決定力の高さを発揮できるか)

南アW杯 決勝トーナメントQF ベスト11

2010-07-05 08:58:22 | 各国代表戦
このラウンドで、ベスト11の選出はラストっていうことで。
さすがに試合数も、残ってるチームも少なく、勝ったチームがベスト11ではないかと思うふしもあり・・・。

システム4-3-3。

GK    カシージャス(スペイン)

CB    ダ・シウバ(パラグアイ)
      フリードリヒ(ドイツ)
右SB   ラーム(ドイツ)
左SB   カプテビラ(スペイン)

右IH   イニエスタ(スペイン)
アンカー  アナン(ガーナ)      
左IH   シュバインシュタイガー(ドイツ) 

右SA   T・ミュラー(ドイツ)
CF    クローゼ(ドイツ) 
左SA   ビジャ(スペイン)

今回はこんな感じになりましたが、みなさんはどう思いますか?

あれだけいい試合をやってのけたドイツから多くを選ぶことに。
あのサッカーを残り2試合やることができたら、世界の頂点に立つこと間違いないだろう。
若手が勢いに乗ったら、これだけチームがいい方に進んでいくことを証明。

ヨーロッパ大陸以外でのW杯ではヨーロッパ勢は優勝できないってジンクスが生きるのであれば、自ずと優勝はあのチームしかないってことになるんだが・・・。

スペイン、ドイツには守備的に振舞わず、自分たちの攻撃性を十分に出して戦ってもらいたい。
もうひとつは、おそらく守備的な試合になるはずで、スアレスをサスペンションで欠くウルグアイがより守備的なサッカーを展開するだろう。

このW杯、残り4試合となってしまった・・・。

パラグアイ-スペイン(W杯 決勝トーナメントQF)

2010-07-04 06:51:56 | 各国代表戦
観戦日 7/4(日)       

愛丸’s チェック
これがベスト4を賭けた最後の試合。
パラグアイは日本とのPK戦を制して、同国史上初のベスト8進出。
大統領が、これは優勝したようなものと声明まで発表。
それだけパラグアイ国内は盛り上がってる。
ポゼッションサッカーになると、ちょっとレベルの低さを感じさせるが、これがリアクションサッカーになったら、強国をもたじたじにさせるサッカーを展開する。
この試合も得意のリアクションサッカーでどこまでスペインに対応できるか。
スペインは、じょじょに自分たちのサッカーを展開できるようになってきた。
ただ、まだあの華麗なパスサッカーで相手を圧倒するまでいってない。
選手交代で流れをつかむってのが最近のパターンで、ここらで先発したメンバーで結果を出したいところ。

パラグアイは、予想以上にスペインを苦しめることができた。
今のスペインを封じる最高の手段、相手に攻撃させるスペースを与えないサッカーで、あのスペインの攻撃を封印。
無策の監督だったら、チャビ、イニエスタあたりにマンマークをつけて、パスの出所を消すような形に持っていきがちだが、これでは突破されたら意味がない。
中盤、DFラインの2ラインが組織立った守備をすることにより、スペインのパスコースを限定し、ここってところでボールを奪う。
そして、そこからのカウンター狙い。
これが見事にはまってた。
それで得たCKからPKのチャンスを後半の10分過ぎにゲット。
もうパラグアイにとって、この上ない展開に。
ただ、このPKをO・カルドソがカシージャスに止められてしまった。
あれを決めることができてたら、俄然、流れはパラグアイに来たはず。
このPK失敗後、チームが意気消沈したのか、ビジャに裏を取られ、これに対応したアルカラスがエリア内で倒して、なんと今度はスペインにPKを献上。
これで万事休すかと思われたが、一度は決められたPKをなんとやり直しの判定になって、この2度目のPKをビジャールがビッグセーブ。
こぼれを狙われるも、ダ・シウバがからだを張ってブロックして、失点を防いだ。
ここからまたしっかりした守備網で、スペインに対応してたが、スペインがビジャの1トップにし、セスクを投入し、中盤を厚くしてから、この対応に苦しみ出した。
そして足が止まりかけた時間に、イニエスタの突破を止められず、パスを繋がれ、最後はビジャに決められ失点。
ここからなんとか攻めに転じても、やっぱりカシージャスの牙城を崩せず、このままホイッスル。
自分たちのサッカーをいかんなく発揮することができたが、最後にはヨーロッパ王者の前に屈してしまった。
見せ場も多く、守備での安定感を見せ、ここまでスペインを苦しめたんだから、胸を張って帰国することができるだろう。
決定力のあるFWがいてくれたら、もっとパラグアイは強いチームになるはず。
スペインは、この試合もビジャ、F・トーレスの2トップで挑むも、これが機能せず、決勝トーナメント初戦同様、選手交代で流れを掴むことに。
その交代劇も、前の試合と同じではなく、ここは、中盤でのポゼションを優先し、セスクをF・トーレスに代えて投入。
これがまた的中した。
こうなると、さすが、デル・ボスケと言うよか他にない。
パラグアイに高さ勝負で挑むより、中盤でのポゼッションを高め、相手の力を奪っていく。
これで、パラグアイの消耗は一気に加速し、あのビジャの得点に繋がった。
この前に、PKでX・アロンソが決めてればなんてことなかったんだが、これを失敗。
蹴り直しという難しい状況だったが、X・アロンソだったら決めれたはず。
でも、どうしてPK職人のビジャがこれを蹴らなかったのか。
得点王を狙うためにも、ここはビジャに任せると思ったんだが・・・。
ただ、ビジャは、このPKでなく、試合も延長を考え出した時間に貴重なゴールをゲット。
これはイニエスタの中央突破が全て。
パラグアイの足が止まりだした時間に、あのドリブルは効果覿面。
中に絞られたDF陣を見て、右でフリーのペドロへ。
落ち着いて狙うもファーサイドのポストに当たってしまったが、ここにしっかりビジャがつめてた。
この攻撃、なんだか今シーズンのバルサで多くみられそうな予感。
優勝候補の筆頭と呼ばれ、格下相手のこの鬼門のQFは、スペインにとってそうとうプレッシャーのかかる試合だっただろうが、それを90分でしっかりものにした。
EUROを制したときのようにカシージャスにも神が降臨してきたみたいだし、スペインの流れになってきてる。
ドイツとのSFは、そうとうおもしろい試合になりそう。
ただ、ここ4試合で全く機能してないF・トーレスをどうするか。
いつまでもエースの気持ちを汲んでばっかりでも勝負には勝てないだろうし、ここは、デル・ボスケの英断が必要なときかも。

スコア 0-1

<得点者> 
スペイン   ビジャ     
~愛丸's MVP~
カシージャス(あのEUROからパフォーマンスが徐々に低下気味だったこの男が、聖カシージャスの名に恥じないようなプレーを披露。あのPKストップで流れを渡さなかった)

アルゼンチン-ドイツ(W杯 決勝トーナメントQF)

2010-07-04 00:52:35 | 各国代表戦
観戦日 7/3(土)       

愛丸’s チェック
前回のドイツ大会でも、このベスト8で激突した両チーム。
そのときは、ドイツがPK戦の末勝利した。
はたして、ここ南アではどんな展開になるか。
攻撃面ではアルゼンチンが多少上を行ってる気がするが、守備面では明らかにドイツが上。
しっかり守ってカウンターからの得点ってのが目に浮かぶが・・・。
アルゼンチンはメッシがいかに輝けるか。
ここで輝かないと、もう後はない。
これまでアシストだけで終わってるこの天才にゴールが生まれるようだとアルゼンチンがぐっと有利に試合を運べるはず。
ドイツはまずメッシを押さえてくるだろうし、ここを機能させなければ、ドイツに勝機が訪れる。
おそらく次はスペインが相手だろうし、ここで勢いをつけて、SFに挑みたいところ。

アルゼンチンはドイツ相手に何もやらせてもらえなかった。
ここまで完璧にやられたら、もう何も言うことはないだろう。
ドイツよりアルゼンチンが劣ってただけのこと。
攻撃でも点が奪えず、守備では4失点と、これでどう言い訳するのか。
最後までメッシが高い位置でのプレーができないままだったし、チャンスを作ってシュートにいっても当たり損ないや、ノイヤーの正面ばかり。
ノイヤーを慌てさせるシーンはほとんど生まれなかった。
ここまであれだけの攻撃を展開したアルゼンチンだったが、ほんとに強豪と呼ばれるチームとの対戦はこれが始めて。
それで、これだから、いかにアルゼンチンが乗せられてたかってこと。
実際に強いチームではなかった。
南米予選であれだけ苦しみ、それが本大会で点が決まりだせば優勝候補なんて持て囃される。
冷静にここまでを見てきたものとしては、そこまでの強さは感じなかった。
ただ、点が取れただけで、それもこれぞアルゼンチンってゴールはそう多くはなかったはず。
これだったら、ドイツ大会のサッカーの方がよっぽどアルゼンチンらしかった。
早い時間に失点し、そこからなんとか同点に追いつこうと、攻撃に転じてもドイツの守備に跳ね返されるだけで、決定機を作れず、そうこうしてるうちに2点目を奪われ。
ここからさらに攻撃的に出たところをカウンターからの2失点。
マラドーナももう何も言えないだろう。
この敗戦で、もう次に切り替えていかないと。
メッシ中心のサッカーでいくことは間違いないだろうが、ここをどう活かすか。
メッシがボールをさばくのではなく、誰か中盤で試合をコントロールできる選手が欲しい。
次のW杯はブラジルで、これよりももっと厳しい状況になると思うが、なんとかしてメッシがほんとの世界一になるようにがんばってもらいたい。
南米予選から多くのアルゼンチンのサッカーを見てきたが、ここまでやれるとは思わなかった。
なんとか流れを作ってくれたことはうれしく思うが、負けるにしても、もっと接戦に持ち込んで負けてもらいたかった。
ドイツは、先に繋がる最高のパフォーマンスでアルゼンチンを撃破。
イングランドからの4得点、このアルゼンチン戦でも4得点。
勢いが衰えることを知らない。
若手中心のチームで、こうなったら、最後までとことん突き進んでいきそう。
アルゼンチンの守備の穴がわかってたのか、サイドでの仕掛けに弱いし、センターも何かが突出してるわけではない。
クローゼのポストを止めれるCBも不在で、そう苦労することはなかっただろう。
イングランド戦でもそうだが、まず先制して、相手より先に追加点を奪う。
こうなると完全にドイツのペースで、あとはカウンターで点を積み重ねるだけ。
これがドイツの勝ちパターン。
それが、このアルゼンチン戦でもはまった。
エジル、T・ミュラーの攻撃陣が、期待以上の活躍を披露し、これにシーズンで不調だったクローゼ、ポドルスキが乗せられ、いつものプレーを披露。
中盤の底では、ケディラ、シュバインシュタイガーが相手の攻撃の芽を摘みながら、隙あらば前線に顔を出す。
ここまでチーム全体に切れがあると、相手はうまく捕まえられない。
テクニックがある選手も多く、今までのドイツとは全く違ったチーム。
気持ちだけで戦うあの古臭さはなくなり、近代的なサッカーで、このまま頂点を極めてもおかしくない。
若手の育成が実を結んでる証拠。
攻撃があれだけ魅力的で、それでいて守備も堅い。
フリードリヒ、メルテザッカーのセンターは高くて強いし、両SBも攻撃より守備で活躍。
ラームなんか、ここってところで、必ずアルゼンチンの選手より先に足が出てるし、ここにあのなんとか魂を感じた。
おそらく次はスペイン戦になるだろう。
ここでもこのサッカーができれば、ファイナル進出の可能性は大いにある。
今のドイツにはシルバーコレクターと言われたあの男がいないから、ここは最大のチャンスかも。

スコア 0-4

<得点者> 
ドイツ   T・ミュラー、クローゼ×2、フリードリヒ     
~愛丸's MVP~
T・ミュラー(先制点も見事だったが、実質、この試合を決めた2点目のあの倒れながらのパスがさらに見事だった。テクニックもあるし、ドイツ特有のあの魂も持ち合わせてる)

ウルグアイ-ガーナ(W杯 決勝トーナメントQF)

2010-07-03 10:47:00 | 各国代表戦
観戦日 7/3(土)       

愛丸’s チェック
このQF4試合の中で、一番注目度の低い試合だとは思うが、両チームとも力が拮抗してるし、おもしろい試合になりそうな予感。
ウルグアイは40年ぶりのベスト4を、ガーナにいたっては、アフリカ勢として初のベスト4を目指しての戦いになる。
どちらも守備力に定評のあるチームだし、点の取り合いにはならないと思うが、パラグアイ-日本のようにがちがちの展開も予想しづらい。
ウルグアイにはあの強力3トップがいるし、ガーナにはスピードとパワーを活かした一撃必殺のカウンターがある。
うまくマッチしそうな感じだし、ロースコアでも見応えのある試合になるはず。
どちらのベスト4へ賭ける意気込みが強いか、祖国のために魂を捧げれるか、気持ちで勝った方が上に行ける。

ウルグアイは、これまでにない苦しい試合だったはず。
前半の立ち上がりからペースを握り、行けるって感じだっただろうが、じょじょにガーナにペースを握りられ、前半のうちに失点を喫してしまった。
それも、終了間際だったし、嫌な時間の失点。
ゴール前ではうまく対応できてたんだが、バイタルエリアをケビン・プリンスにつかれ出してから、リズムが悪くなった。
ムンタリが中に入ってくるプレーにもうまく対応できてなかったし、止めれてたのはギャンだけ。
インコムの突破がアメリカ戦ほど切れがなく、この部分には助けられたが、どこかいつものウルグアイのDF陣ではなかった。
こんな状況で、チームの精神的な支えでもある、ルガーノがケガで途中交代。
スコッティ、ビクトリーノと両CBがバックアッパーになってしまった。
ただ、このふたり、最後までレギュラー陣と遜色のない働きっぷりで、ここから失点を許さなかった。
うまくバイタルをつかれ、危険な状況が長く続いたが、時間の経過とともにこれにも対応できて、延長戦までもつれ込んだ。
この間に攻撃陣にはいくつかチャンスが訪れたが、これを決めることができず。
カバーニの使い方に問題があり、この男はサイドから攻撃のチャンスを作る選手ではない。
フォルランの方がユーティリティだし、これならスアレスとカバーニを2トップ気味にして、フォルランをひとつ下でプレーさせた方がしっくりきたはず。
カバーニは、ガーナのサイドもケアしないといけなかったし、これではこの男の持ってる攻撃性は活かせない。
後半、ロデイロを投入し、うまく攻撃にリズムができてきたが、奪った得点はフォルランのFKのみ。
ウルグアイのこの試合のハイライトは何と言っても延長後半の終了直前での守備。
ガーナのFKから決定的なシーンを作られた。
ムスレラの弾いたボールを押し込まれそうになっても、なんとかライン上でクリア。
ただ、このクリアボールも拾われ、シュートまで持ち込まれる。
このシュートをスアレスがバレーボールのブロックばりに手で止めてしまった。
PKは取られるは、スアレスは一発レッドだは、これで試合は終わったかに思えた。
このPKをこの大会で2つPKを決めてるギャンが、なんとクロスバーに当てて失敗。
スアレスのあのブロックが活きた形に。
これで流れをつかみ、PK戦ではムスレラが2本セーブし、ウルグアイが40年ぶりにベスト4進出。
ここまでそう強いチームとの対戦のないウルグアイが、初めて優勝を狙えるチームと対戦する。
ガーナは、うまく先制し、いい形で攻撃もでき、守備でも流れの中から多くのピンチを招かず、試合全体を通してみたら、完全にガーナのペースだった。
ギャンが押さえ込まれても、2列目の選手たちがうまく攻撃に参加し厚みのある攻撃を展開できたし、守備では相変らずアナン、アサモアの中盤のふたりがかなり効いてた。
アフリカ勢初のベスト4へ向けて視界は良好に思えたが・・・。
ケビン・プリンスがDFラインと中盤の間でボールを受けると必ずチャンスになり、これで流れを掴んだんだが、この男、突破力もあるから、どうもひとつ、ふたつボールを長く持ちすぎる傾向になる。
これで、オフサイドになったり、うまくパスが繋がらなかったり、ここをシンプルにプレーできてれば、もっと点は入ったかもしれん。
ガーナは、あの最後のチャンスを活かしきれなかった段階で、先は見えたような。
キングソンもビッグセーブを見せたかと思ったらポカもあったし、ここに全幅の信頼が置けない状況でもあったし。
ただ、あの時間にPKを外し、そうとうメンタル面でのショックが大きかったであろうギャンが、PK戦の最初にキッカーとして出てきて、しっかり決めたのには恐れ入った。
あの精神力ははんぱない。
それに応えたかったんだろうが、チームとして失った流れは取り戻せなかった。
アフリカの期待を一身に背負い、かなりプレッシャーもあっただろうが、ガーナはいい戦いができてた。
下の世代では世界を制してるし、これからのガーナにはもっと期待が持てそう。

スコア 1-1(PK4-2)

<得点者> 
ウルグアイ   フォルラン
ガーナ     ムンタリ     
~愛丸's MVP~
ムスレラ(セリエでデビューしたときの不安定さを考えると、よくここまで成長したもんだと感心する。ラツィオで自信をつけ、この大会でウルグアイの絶対的守護神に)

オランダ-ブラジル(W杯 決勝トーナメントQF)

2010-07-03 02:05:10 | 各国代表戦
観戦日 7/2(金)       

愛丸’s チェック
とうとうこのW杯もベスト8の戦い。
その最初が、オランダ-ブラジル。
こっちの山は、この勝った方が、ファイナルまで進出してきそうな予感。
オランダは、攻撃的なイメージが強かったんだが、この大会で、守備の安定を手に入れた。
この守備が崩壊することがなかったら、ブラジルとの勝負になる。
ただ、攻撃面での不安は隠せないし、ロッベンを止められれば、打つ手がなくなってしまうかも・・・。
ブラジルは、ここまでのような戦いを変えてはこないはず。
しっかり守って、カウンターから得点を狙う。
攻撃は前線の3人に任せて、この3人が輝いて点が取れれば、ブラジルのペース。
こちらも守備は安定してるし、そうそう失点はしないはず。
ブラジルが、今のブラジルらしさを出せば、つまんない試合で、ものにするはず。

オランダが、ここでアップセットを演じてみせた。
FIFAランク3位のチームが1位のチームを破ってみせた。
ネームバリューを考えると、この結果になってもおかしくはないんだろうが、ここまでの内容を考えれば、ブラジルが2失点もするとは思わなかった。
って言うか、あのブラジルが逆点負けを喫するとは。
オランダの攻撃がブラジルを上回り、見事な逆転劇ってわけでもなく、運がよかった部分が大きい。
それでも勝ちは勝ちだし、賞賛しないわけにはいかないだろう。
とにかく、あのブラジルの攻撃を1点に抑えたのが、勝因か。
やっぱり3人でしか攻撃してこないし、守りやすかった面はあるだろうが、その3人でも、破壊力はある。
ホビーニョにうまく抜け出されて失点したシーンと、カカが放った惜しいミドル2つ以外に決定機を作らせなかった。
うまく守れたこともあったが、それ以上にオランダがポゼションできたから。
ブラジルが攻撃に出ると、あの早いポジティブ・トランジションに梃子摺るシーンもあり、中盤からしっかり守れてたってことはなかったが、そこでのプレスは無駄でなかった。
ふたりのボランチが、しっかりボール奪取するシーンもなかったが、ここでのプレスがなかったら、もっと酷い目にあってたかも。
オランダの守備がブラジルを押さえ込んだってことでもなかったが、それでも1点に押さえたわけで、これは今後、かなり自信になるはず。
攻撃では、クロスからブラジルのミスで同点に追いつき、CKからスネイデルのヘッドで逆転に成功。
流れの中で、崩すシーンは少なかったが、セットプレーからでも1点は1点。
ロッベンを押さえ込まれ、左のカイトはカイトらしさが見られず、スネイデルもなかなかボールに絡めず、V・ペルシの調子も上がらない。
なかなかいいところを探すのが難しいんだが、それでも2点を奪って逆転した。
この結果が全て。
オランダらしいポゼッションからの崩しってのは、これからの戦いに期待しよう。
セットプレーから点を取ることもできたし、なんと言ってもあのブラジルを葬り去ったわけで、これで一躍優勝候補の筆頭に踊り出てきた。
ブラジルは、F・メロに尽きる。
ホビーニョの先制ゴールをお膳立てしたのもこの男だし、同点に追いつかれたOGもこの男。
それにロッベンを倒した後に、踏んづけて一発レッドで退場になり、追い上げないといけない中で、チームに多大な迷惑までかけた。
先制点でのあのロングのスルーには惚れ惚れしたが、いいシーンはこれぐらい。
試合の開始からかなりイライラしてる雰囲気だったし、この男は熱くなると、何かやらかしてしまう。
ラミレスがサスペンションじゃなかったら、こっちの方がファーストチョイスだったかも。
あのレッドはもらわなくてもいいものだし、こういう選手がいるチームは勝てる試合も勝てなくなってしまう。
流れの中ではしっかり守れてたブラジルだが、さすがにセットプレーでは脆さを見せた。
追う展開に初めてなり、それを覆すだけの力がなく、先制したにも関わらずそれを守りきれないと、ブラジルと言えどもこんなもんだろう。
全体的に試合に入りからイライラしてたし、簡単にオランダの挑発に乗ってたところを見ると、チームとしてのコンディションに不安があったのかも。
ドゥンガは、点が欲しい状況での切り札を用意しておらず、なんとかしなくてはならない状況でL・ファビアーノに代えてニウマールを投入。
数的不利ではあったが、この交代ではオランダも怖くない。
なんとかしてでも追いつかないといけないわけだし、もっとリスクを背負った交代はできなかったのか。
守備的にいって、この大会を制するつもりだったんだろうが、それが脆くも崩れ去った。
ブラジルらしさを放棄したつけが、ここで出てしまった。
リードしたら絶対に負けることはないと思ったんだが、意外とあっさりやられてしまった。
アメリカ大会を制したドゥンガはその再現を目論んだんだろうが、あの大会にはホマーリオがいた。
今のチームにはそんな天才は見当たらず、そこに落とし穴が。
ブラジルはまさかの2大会連続のQF敗退で、国民が、このセレソンにどう判定を下すか。

スコア 2-1

<得点者> 
オランダ   OG、スネイデル
ブラジル   ホビーニョ     
~愛丸's MVP~
F・メロ(オランダでこれといった選手が見当たらず、そうなったら、一番目立った選手は、この男に。オランダにとってかなり有益に働いたし、ブラジルにとったらA級戦犯)