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ISO/TS16949のタコとカメ

ISO/TS16949::2002の監査は自動車産業のプロセスアプローチに重点を置いて行い、取り分け、顧客指向が強調されます。その結果、タコとカメの登場となります。 ???・・・

ISO/TS16949::2002の監査は、“条項”又はチェックリストの“セクション”に基づいて行うのではなく、プロセスアプローチ監査として“顧客指向プロセス(COP:Customer Oriented Process)”を軸に、その“支援プロセス”も含めて監査対象とするということです。その結果として、有効性を考慮した監査が可能になるというものです。ここで “オクトパスモデル”や“タートル分析”という考え方が 出てきています。つまり、タコとカメの登場です。

この顧客志向プロセスを模式的に図に描くと タコの図のようになるというのです。そのイメージを下に示しますが、組織にインプットされた情報等が 数々のプロセスを経て 組織の外へ 製品や情報としてアウトプットされるという顧客志向プロセスCOPのコンセプトを可視化したものがタコの図です。タコの足は8本ですが顧客志向プロセスCOPの数はそれで済むのか、という無粋な議論は意味をなさないのでしょうネ。フォードの品質担当重役は 10本のCOPを描いた図を出して、トクトクと説明していたとのことです。
図は 8本のCOPにしています。ここで 左下のCOPには 模式的に サブ“支援プロセス”としてA,B,C,D等のプロセスを経て 組織の外へアウトプットしていることを示しています。



そして このサブ“支援プロセス”としてA,B,C,D等のプロセス1個1個を分析する手法が“タートル分析”です。
プロセスに関係する要素を 明確にし、その実施状況を確認していくという監査手法です。ISO/TS16949の第二者監査や第三者認証の審査では 審査員は この“タートル分析”を念頭に 監査するということですので、心するべきです。



かつてISO9001のコンセプトとして説明したプロセスアプローチの図の発展形と思われますが、ISO/TS16949でのイメージ図を上に示します。これを見ていただければ 分かるでしょうが、アウトプットが 頭、インプットが 尻尾、手足が“プロセス所有者とその力量[誰が]”,“目的[何を]”,“どのように[方法]”,“(管理)指標”となっています。
指標が 何かを明確にし、そして実施状況を確認すれば プロセスの効果が 直ちに判明することになります。

どうでしょう、通常のISO9001マネジメント・システムであっても、内部監査をチェックリストに基づいて実施していて、マンネリ化しているような場合に こういったタートル分析法で監査をしてみるのも良いでしょう。

こういった ISO/TS16949の監査手法について 残念ながら明確に示した市販の図書は あまり多くはないように思います。秘事口伝などというものでもないでしょうが、どういう訳でしょうか。ISO/TS16949そのものの 普及が日本では進んでいないためでしょうか。
それにしても この手法は 米国人らしい発想とネーミングという印象です。
コメント ( 3 ) | Trackback ( )
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コメント
 
 
 
ISO9001も! (ユーさん)
2006-06-07 14:45:56
ISO9001においても縦割り組織の分担に従って、要求事項の適合性だけを監査する時代はそろそろ卒業せねばなりません。組織を超えた業務のプロセスで、有効性にウエイトをおいたプロセス監査をしたいものです。内部監査も、審査機関の審査においても。でないと、ISO9001も時代の要請から取り残されて、ますます負のスパイラルを強めそうですね。



 
 
 
負のスパイラルは辛いですネ (磯野及泉)
2006-06-09 00:52:55
また コメント頂き 恐縮です。

全く ご指摘の通りであると思います。

私は、ISO9001の 緩やかさも 若干気には入っているのですが、自律した卓越への道を目指す精神がないと ダメになりますネ。これは あらゆることに通じるような気もします。

元々 このようなことを規格にすることに無理があるような気もします。

ま、高みを目指して、内部監査を上手くやることが 卓越モデルへの道に繋がっているのは 間違い無さそうですヨネ。





 
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