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イスラム国の日本人人質事件に思う

イスラム国の日本人人質事件ではとうとう犠牲が出てしまった可能性が高いようだ。
今、この件に触れるのは多少の不謹慎さが伴うような気がするが
政府系の解説者は、“動揺するな。政府批判は止めよ。”と言うが、事件を利用した
言論統制のような雰囲気に 嫌な違和感がある。
それに、何故か報道が触れない点に非常に気懸りな所があり、その点に触れておきたい。

事実であるとするならば、日本政府は国民を守る力を持っていなかったことになる。
ヨーロッパ各国政府に比べてズブの外交音痴であるにもかかわらず、
中東勢力との対話のチャンネルすら持てていないにもかかわらず、
親イスラエル的言動をとってイスラム国を無用に刺激した挙句の果てだ。
安倍氏は不用意に引き金を引いたと見るべきではないか。
日頃国民の安全を守ると口にしながら、国民を生命の危機に陥れた。

事前に情報は持っていたはずだが国家安全保障会議(日本版NSC)は
首相外交や言動の結果のリスク分析をしていなかったのか。
国民の命を守れない安全保障会議とは一体何のためのものか。
国家の体を為していないイスラム国に手もなくひねられてなすすべを知らず。
しかも日本政府は、正式なイスラム国の交渉相手と対話しできているのか。

この程度の能力で北朝鮮を相手に拉致被害者を解放するとは片腹痛い。
カッコよさを求めてのリップサービスに終始するのならば、
その胸元のブルー・リボンは欺瞞に満ち満ちている。

これでは安倍氏の言う“集団的自衛権”も実にお粗末なものと想像できる。
もし韓国の在留邦人の安全確保には“集団的自衛権”が必要だと
真剣に考えるのならば、直ちに韓国首脳との会談を行うべきだが、
そのような気配は全く認められない。口先ばかりだ。

安倍政権は日本独自の中東友好の草の根の絆を好んで破壊し、
この事件を奇禍として米英やイスラエル側に立たせようとする意図に
易々と絡め捕られているのではないか。否、積極的に乗っているように見える。
選択肢は狭められ、隷従への道をまっしぐらに進めているように見える。
まるで米国のシェール・オイルに飛びついて、
中東原油のくびきから解き放たれたと軽率に考えたのだろうか。
ところが今や そのシェール・オイルも原油価格低下で気息奄々。
日本版NSCはそんなリスク分析もできない経済音痴、外交音痴なのか。
それとも日本版NSCは隷従のためのツールなのか。

日本国憲法は“専制と隷従”を拒否する。
だから、安倍政権には不都合なのだろう。
右翼とは一般に誇り高き民族主義者のことである。
しかし、日本の右派は醜悪な隷従主義者のように見える。
その右派は不思議にもことさらに“靖国”を尊崇する。
まるで“靖国”を免罪符のように悪用しているように見える。
しかもそのパフォーマンスは天皇の意向を忖度しない行為なのだ。
天皇の意向すら忖度できないやつばらに“おもてなしの心”を語る資格はない。
ここにも安倍氏の実のない言動が透けて見えてくる。
そして日本人はこの歪んだ御都合主義の安倍政権を選んだ。

さらにこの事件で、日本の社会心理の実態が露わになり、暗澹たる気分になる。
イスラム国による映像を茶化したコラージュがネット上に出回ったり、
“自己責任論”がかまびすしく日本のネット上を飛び交っているらしい。
まるでテロリストの脅迫が空振りしているかのようだ。
これを見た中国人やアラブ人は日本人をどうやら“冷淡な人達”と見たようだ。
確かに、日本人の同胞愛は何処へ行ったのだろうか。

振り返って見て、今の日本に健全な同胞愛や郷土愛は育まれているのだろうか。
この21世紀の時代に在って、狭隘な国家主義や民族主義を唱える気は毛頭ない。
しかし、果たして今の日本人に自然で健全な愛国心はあるのだろうか。
“愛国心”は安倍政権が強く説くものだが、そこにはどこか醜悪な臭いが漂う。
しかし本来、“愛国心”は自然で健全な同胞愛や郷土愛に基づく。
そしてその精神はあまねくこの地球上に敷衍されて然るべきものだ。
その素朴な思いが、日本国憲法に書かれている。
しかし、それは“クソみたいな平和”とののしるのとは真逆の健全な心だ。

今や自然で健全な同胞愛や郷土愛にあふれるのは、沖縄だけなのだろうか。
“国土防衛”のためと称して“美ら海”の自然を破壊するのが“郷土愛”であろうか。
生物多様性遵守は何処へ行ったのか、利権のためには国土破壊も辞さないのか?
隷従は利権にありつくために誇りを捨てた姿だ。
ここにも口先だけの“愛国心”が見える。

クソみたいな日本のエスタブリッシュメントの意識の下で
果たして今の日本人に自然で健全な同胞愛や郷土愛は育まれているのだろうか。
否、今の日本人は世界の被抑圧者の期待の星ではなくなっているのだ。
イスラムやヒスパニックの人々、かつての中国人の憧れる
健全で気骨ある明治の人では最早ないのだ。
この国は、積極的に隷従する変な国になり下がってしまっているかのようだ。

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