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首相の矜持

あの松岡大臣の“還元水”発言の当日(3月5日)、その数十分前に首相は 確かに “(従軍慰安婦に)「狭義の強制性」は無かった”と 同じ参議院予算委員会で 非常に不快な表情で 舌鋒鋭く、強く反論していた。
ところが、首相は今回の渡米で、“「狭義の強制性」を否定した発言が批判されたことを念頭に、「私の真意や発言が正しく伝わっていないと思われるが、私は辛酸をなめた元慰安婦の方々に、個人として、また首相として心から同情し、申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」と語った。”

従軍慰安婦に対し、“心から同情し、申し訳ないという気持ちでいっぱい” としても、では一体 「狭義の強制性」を否定した発言は撤回するのか、しないのか。堂々たる態度で、ハッキリさせるべきではなかったか。

“「狭義の強制性」は無かった”と日本の国会で 強く主張したのならば、米国でも “不当な決議案”に対し不快感をあらわに、強く反論すべきではなかったか。“正しい”と思うことは 誰はばかることなく どこででも胸を張って語るべきではなかったのか。それを 主張しに訪米したのではなかったのか。どうして“謝罪”めいたことをしたのか。
いや ここでも“「狭義の謝罪」は無かった” などと帰国して言うつもりなのか。それとも “謝罪”や“釈明”だと思うのは相手の勝手だ、とでもとりつくろう気なのだろうか。相手が そう思い込むことを 期待して “謝罪”めいた 説明をしたのではないのか。それは 正に“謝罪”以外の何ものでもない。
自分が 正しいなら そんな“不当な”相手は無視し、あくまでも自己主張すべきだ。手土産まで持参してコソッと訪米したが、そういう “毅然さ” がないから、米国のマスコミに無視されるのだ。完璧に コケにされている。

かつて指摘した のだが、ISO9001には“完整性”という言葉があるが、これは “integrity:完全に整っている状態”の訳だ。
実は この“integrity”には “誠実”という訳語があって、それが第一に来るようだが、これは 何があっても“元のままの状態である”、つまり “ブレない”→“信じられる”→“誠実” ということから来ているらしい。

つまり 我が首相は “誠実ではない” と言えるのではないか。その主張が時と場所によって“大きくブレる” のでは信用されないのだ。だから “double talk:二枚舌”と言われる。
この首相を支えているような日本の右派の人々は 大体において内弁慶だ。いつも国内でしか 通用しそうにない論理を展開し、それを海外発信していない。それが 海外に漏れてからうろたえ釈明する。果てしない その場限りの繰り返しである。またその釈明することが、ウソを言って平気であると 外目には見えてしまうことが 理解できていない。
こんなことでは、国際的に信用を失うばかり。“常任理事国入り”は また 遠ざかる?信用できない国に 重大な国際的判断を任せるわけには行くまい。
日本の保守派の人々には 思慮のない発言が どんな影響を与えるのかの 責任感や 想像力が全くない人が多い。3手先が 読めていないのだ。
こんなアホな日本を相手にするならば、中国は 安心して“日本の常任理事国入りを支持する” ような “double talk”することがあるかも知れない。その時 思慮も 戦略もないアホは 手放しで喜ぶのか?

首相の側近には 国際的に通用する 肚の座ったイデオローグは居ないのか。日頃かまびすしい連中は 肝心な時には 雲散霧消するような信頼できない者供だったのか。
大体、この連中は その場限りの“カッコ良さ”だけで 簡単に“国益”を口にする。そのくせ、その都度 国益を毀損していることが 全く分かっていない。その自覚も 何もない。

簡単に “謝罪”したり“釈明”しなければ ならないような アホな発言ならば そもそも控えるべきではないのか。
しっかりした歴史観、哲学が ないから しばしば思慮のない発言が 飛び出す。そして 状況に応じて 無原則にブレるのだ。人にとやかく言われて 右顧左眄しているようでは、信用されるわけがない。
3手先も読めない、国際的にアホでマヌケな “美しい日本人” は いつまでも いつまでも コリずに健在です!!!


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