The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
久々の東横観光―原鉄道模型博物館と旧朝香宮邸の観覧
アホ議員の北方領土に関する発言が波紋を呼んでいる。このアホ、東大出身。東大もこのアホが卒業する前にスクリーニング出来なかったのか。東大出てからアホになったのか。それともアホにならないための教育は不可能なのか。大学側も教育の本質にかかわる部分について、真摯に再発防止を考えるべきではないか。
アホとは言え、ああ言えば、こう言うだけは達者のようだ。しかし、ああ言えば、どうなるかの想像力や推理力が全くない。
それにしても、維新の会は極めつけのガラクタ人材政党。変な人材が出るたびに党幹部が謝罪している。何度、これを繰り返すのか。それとも党自身が変な党なのか。それにも拘らずこの党は、大阪では人気があるのは何故か。
大阪人はゲテモノ好きなのか。着実にこの党は大阪で勢いを拡大している。大阪ではこれまでもゲテモノ府知事を沢山輩出してきた。その度に大阪は停滞して来た。それでも懲りずにゲテモノ趣味は変わらない。今度は本格ゲテモノなので、大阪は決定的に沈下するだろう。
この本格ゲテモノ達は基礎自治体を解体するというのだ。これは欧米では決して生まれない発想だ。何故ならば、欧米では基礎自治体は民主主義のゆりかご、インキュベータであることは骨身にしみた常識だからだ。それを解体したいというのは、民主主義を破壊したい独裁者の発想なのだ。維新の会のファウンダーは独裁指向の人物だったので、それは首肯できることだ。
基礎自治体を破壊して、府県を強化し道州制に持ち込みたい。大阪市を解体して大阪府を強化して、他府県を吸収して近畿州を創設する。これは中央集権への効果的政策に外ならない。道州制は“分割して統治”するための手段だからだ。中央集権を有効にするための分割が道州制なのだ。これが民主的なものであるはずがない。
それが“地方分権”だと、訳の分からないことを言い出す。一見、都市自治を尊重するかのような発言で、一般人を幻惑させる台詞に外ならない。ナチスの政策も一般人の福利厚生には熱心だった。それはある種、人気取りの手段だった。それと同じこと。維新の会ファウンダー自身がヒトラーを相当“お勉強”したと言っていたのを聞いたことがある。
とにかく大阪人がこの中央集権、東京一極集中の発想に賛成するのが、良くわからない。論理が矛盾していることに気付かないのは、愚の骨頂なのだ。民主主義の本質を理解していないから、このような論理矛盾に気付かず“熱意に”騙されてしまうのだ。世界史の本質、民主主義の誕生と変遷・進化の歴史を知らないから生じる不幸なのだ。
沖縄や泉佐野の不幸は、中央政府官僚の恣意、横暴の結果だ。住民の意思は無視され、踏みにじられる。そういう不幸に見舞わられて、それから気付いても遅いのだ。東京だけが繁栄する、それで大阪は満足するのか。大阪人は総力を挙げて、泉佐野の自力更生を支援するべきだ。泉佐野市は中央官僚の恣意・横暴を糺すべく、司法に訴えるべきではないか。
米中貿易摩擦は、ファーウェイをターゲットにした大統領令が出されて極大化している。米国側の企業が提供しているOSが使えなくなるので、ファーウェイ製スマホは基本的に使えなくなる。少なくとも電話はできるのだろうか。ファーウェイは今秋中には独自のOSを開発すると言っているようだが、利用者は開発できるまでどうするのだろうか。この独自のOSによって世界のIT圏は色分けされ、少なくとも一帯一路圏は違う世界になるだろうという見方がある。
しかし、私はそんな世界が形成できるまで、中国の経済が持つとは思えない。中国経済の足腰が水膨れ経済で何とか回って来たが、不況でさらに赤字財政としなければならなくなり、それが逆回転し始めて崩壊に至るのではないかと、見ている。さしずめ歴史上類例を見ないような猛烈なインフレに襲われるにちがいない。これによって庶民は購買力を失い、生活は困窮を極めるだろう。そなれば政治指導部への不満は爆発し、暴動が頻発、人民軍の出動となり国内は騒乱化するのではないか。こうした混乱が極めて急速であれば問題は内部の混乱で収まるが、あまり急速でなければ不満を外部に向けるため、差し詰め日本領海島嶼への軍事的侵攻もあり得るかもしれない。
そういう意味で映画“空母いぶき”の想定する事態が生起するかもしれない。そこで早速、先週末公開初日に見に行った。行った先の映画館は都心ではなかったせいか、満席ではなく空席の目立つ余裕のあるものだった。興業的には失敗かもしれない。映画シナリオを小説化した本の評判もアマゾンでは全く良くない。
かわぐち かいじ氏の漫画が原作で、そこでは海上自衛隊の初の空母を想定した“いぶき”を旗艦とした第5機動艦隊と、中国の人民解放軍海軍の北海艦隊の空母「広東」と機動部隊が衝突するものだという。
しかし映画では、刺激を抑えてフィリピンの北東400海里に位置する国家共同体“東亜連邦”が架空の波留間群島初島に侵攻し、それを支援する空母“グルシャ”の機動部隊との軍事衝突となっている。この東亜連邦は、フィリピンの北東400海里に位置する島嶼国家・カレドルフが大国の干渉を嫌う周辺地域の国々と結束して設立した国家共同体という想定。
軍事については、軍事ジャーナリストの惠谷治氏が監修しているということだ。その上エンドロールには元海自幹部の古庄幸一氏と伊藤俊幸氏の名前もあったようだが、肝心なところで実際とは大きく乖離していると分かった。
古庄氏らは、現場で艦長と副長が議論することはあり得ないと指摘しているようだが、それがこの映画のある種テーマでもあるので仕方ないと飲み込んでいた。映画の中でクリスマス時分の一般人の日常生活を写すシーンがあるが、これも鬱陶しいが仕方ないのだろう。
しかしもっと大きい問題は軍事的には想定しづらいことが描かれていたことだ。
例えば海自艦隊は相手の潜水艦の位置を把握しないまま戦闘海域に進入し、先制攻撃され“いぶき”が被弾してしまうが、実際にはこのようなことはあり得ないのではないか。海自は日常的にあらゆる国の潜水艦の日本近海での位置を把握しているものと私は推測している。ロシア、中国、隠密の米国潜水艦も、北や韓国の潜水艦の存在も細大漏らさず把握しているはずだ。海自の実力をわざと低くして見せているのかもしれない。
それから、F35のスティルス性を無視している。相手のMIG35は主翼下にミサイル等武装懸架しているので、F35の方がステルス性は高いと思われるが、空戦ではその効果は全く無視されている。両者とも単純な可視的機体として扱われてしまっている。かつてF22との模擬戦では見えないF22の圧勝だったと聞いているが、この乱暴な扱いは頂けない。実はこれも軍事機密の機微に触れるところなのかも知れない。相手の機体は見えるがこちらは見られないが最上なのは勿論で、これによってどこまで数的不利をカバーできるかが問題なのだ。
さらに“外交問題に発展しないように戦闘せよ”との中央からの下令は最悪だ。もっと具体的な命令でなければ現場は瞬時に動けない。旧軍体質の再発ではないか。実際は、そういう命令が出ないようにされているものと考えたい。
こうして肝心な部分がいい加減のため、このシミュレーション映画は何の参考にもならないことが、分かった。
さて、先週は久しぶりに東京へ出かけた。EMSにかかわるメソッドについての“お勉強”に行った。研修は1日だが、折角なのでその前後の日も在京し観光することとした。
第一日目は横浜で原鉄道模型博物館へ行き、その後、目黒の東京都庭園美術館に行って昔の洋館の御屋敷で、美術鑑賞して、高田馬場に落ち着いて宿泊する、ことにした。
11時半、新横浜で新幹線を下車、在来線電車で横浜駅。駅と繋がっている地下街ポルタで昼食、上等カレー。
食後、すぐ地上に出て、川向うの横浜三井ビルディングに“原鉄道模型博物館”の文字を発見。全く、迷うことなく目的へ到達した。
鉄道模型制作で高名な原信太郎氏の博物館。同氏は80年近く前から1番ゲージの鉄道模型を作り続け、また各国の歴史的鉄道模型製品も精力的に収集された結果が展示されている。ここはビル建設と同時に2012年7月10日(火)に開館した、という。御当人は既に2014年7月に亡くなっているようだ。
世界的に歴史のある鉄道模型には大きさの規格があって、主に線路幅が45mmの1番ゲージと、32mmのOゲージ、16.5mmのHOゲージ、9mmのNゲージがあり、車体の縮尺は、それぞれ一般的には1/32、1/45、1/80、1/150となっている。またHOゲージには16番ゲージの別称がある。どうやら世界ではアメリカ、ヨーロッパ大陸とイギリスでは、線路幅はほぼこの通りでも、車体の縮尺には微妙に差異があるようだ。日本ではHOゲージがポピュラーだが、狭い家屋ではNゲージで小さなレイアウトを盆栽感覚で楽しむことが今流行っている。日本で草分けの原氏はこの規格の内、比較的大きくてスケール感のある1番ゲージ模型を中心に収集・制作されていたということだ。
男の子ならば、成長のいずれかの段階で鉄道模型に接することがあったはずで、私も小学2年生でOゲージの電気機関車模型を買ってもらってしばらく楽しんでいた。ねじまきおもちゃではなく電気で動く本物に近い迫力を楽しむことができた。その後中学生の頃、Oゲージより精密だったHOゲージの模型の制作に入ったが、その後の受験で中断したままとなった。就職して自分で稼げるようになってNゲージの模型を買い集めはじめたが、結婚で家内にバカにされお蔵入りとなったままでいる。まぁそんな状態で中途半端のままになっている趣味だが、関東方面にはこうした博物館があることを最近風聞し、この際ネットで調べて訪問した次第だ。
いきなり関西の阪神国道線電車や神戸市電、大阪市電の模型の展示があり驚いた。原氏の経歴を見ると関西出身。鉄道趣味の経過も縷々展示されていたが、やっぱり圧巻は1番ゲージのレイアウト展示だ。模型展示のせいで幻惑されるのか、大きさの見当がつかない。ネットで調べるとほぼ10m×30mとあった。現地ではこれは世界一の規模だと説明していた。線路の総延長は450mとのこと。模型は通常線路から集電するものだが、中には架線から取っている線路もある。列車はほとんど海外モデル。走行音も本物に近いものがある。走っているところを撮ろうと思うが、速度が出ているのでピントが合わず、列車画像が流れてしまっている。シャッター速度が上げられればよいはずだが、どうすれば良いか分からない。照明の変化が絶妙で、時間経過でどんどん変わって、昼間から夕景、夜、朝と長く同じ状態にないので、気分的に疲れるほどだ。子供達は希望すれば、この模型を運転できるようになっている。車体にカメラを搭載しているものもあるようだ。
この一角に隣接して、これよりも規模の小さなHOゲージのレイアウトもあった。横浜の市街を想定してのデザインだ。ここも照明の経時変化が付けられている。この2つのレイアウトのブースを何度か行き来して楽しんだが、歳のせいか何事もしばらくすれば疲れる。そのタイミングで博物館を出た。
横浜駅から東急東横線で、目黒に向かう。駅員が見当たらず、詳細分からず兎に角切符を買って電車に乗る。日吉で乗り換える必要があるが、どのホームか分からず降りてウロウロ。ワンマンカーなのか、車掌もいない。しかし、関西と違って私鉄でもホームドアが完備している。表示を注意深く見て、降りたホームの向かい側に停車している電車で行けるのを理解するのに時間がかかった。高級住宅街として有名な田園調布を通過したが、地下であった。
それにしても驚いたのは、メトロ(東京の地下鉄)の車両を横浜で見たことだ。関西では、大阪の地下鉄を神戸で見ることはできない。最近ようやく近鉄電車を神戸で見るようになったが、姫路で見ることは未だない。
そういえば、東京・横浜には京浜急行があるが、東急は東横線と称している。京浜線と呼称すれば紛らわしいからか。
目黒駅で数少ないコインロッカーを探したが、満杯。しかたなく全てを担いで東京都庭園美術館へ。高速道路の向こうに森林が見える。それが庭園美術館の場所と分かる。
入口で入場券を購入。“キスリング展 エコール・ド・パリの夢”美術展の鑑賞料含でいる。邸内にはいると荷物はコインロッカーに入れるよう指示があり、100円で助かる。実際に邸内では全ての部屋にわたって絵画展示がなされていて、部屋の様子の写真は殆ど撮れない。私は邸内の部屋の造りを見るのが主、と思い込んでいたので、少々残念な感想。
それにキスリングの作風はあまり好みではない。意図的なデフォルメに抵抗感がぬぐえない。それに特に、人物の描き方に人間の個性が感じられない。皆、同じような目つき顔つき。時として、首が不自然な骨格で描いている絵もあって違和感大。
しかし、ある花の絵(1948年制作)の前で、個々の花のポジション、奥行き立体感が確かに感じられる工夫に驚いたのだ。絵の具が盛り上がっているのは、分かるがそれ以外に何か工夫しないとそうした三次元感は生まれない。その工夫が何かは私には分からない。キスリングの作品図書も参考に置かれていたが、その技法に関する記事は見当たらなかった。
それ以外の花の絵でも、ためしに見る目の位置を左右にずらしてみると、微妙に花の位置もずれて見えるように感じる。作者は確かに微妙な工夫を施している。どうやら、そのことに気付いている評論家は居ないようだ。どういうことだろうか。
それが分かって以降、キスリングの絵を見る目が変わってしまって、何だか後半は楽しく鑑賞できた。
一通り見終わって疲れていたが、何だかとりすました雰囲気の邸内カフェでは休憩する気にもならず、コインロッカーから出した荷物を背負って、庭に出て気分を変えることにした。
この邸宅は朝香宮夫妻の御住いで、朝香宮鳩彦王(あさかのみや やすひこおう)は旧皇族で、大日本帝国陸軍軍人。天皇家の子孫・久邇宮朝彦親王の第8王子。現上皇の御生母・香淳皇后は久邇宮朝彦親王の御孫様。
説明によればこの旧朝香宮邸は、1933(昭和8)年に建築。当時最新の建築様式によって内部のデザインは、壁飾りから家具、照明器具にいたるまで、モダンで優美なアール・デコとよばれる装飾様式で統一されている。玄関、大客室、大食堂、書斎などの主要部分の内装は、当時のフランスを代表する装飾美術家であるルネ・ラリックやアンリ・ラパンに依頼された。基本設計を担当したのは、宮内省内匠寮の建築家だった権藤要吉。建築当時、近代西洋に憧れる日本人の思いを結集した建築だった。後世に伝えるべき名建築として、2015(平成27)年に国の重要文化財に指定された。
敷地総面積は30,915.95m2(1万坪足らず。池、鉄筋コンクリート塀を含む)。周囲の庭は都心にある鬱蒼とした森林。何となく歩いて行くと湧水があり東屋の茶室、池等がある。気分転換となって若干疲れも和らいだ。
テニスコートやゴルフ練習場は見当らないが、一般公開前に整地したのかもしれない。
山手線で目黒から宿泊予定の高田馬場へ。下車すると下校時の高校生等学生の多さに閉口。早稲田予備校の前に中国人が、これまた大勢たむろしているのにも驚く。早稲田は革命世代の中国要人の出身校だったので、中国では人気があると聞いていたが、まさかここまでとは思わなかった。早大入試まで浪人か?
投宿ホテルのフロントはインド人風の2人。何だか2年ほど前に東京に来た時より、人口が増えたように感じるが、外国人の増加によるのかもしれない。

アホとは言え、ああ言えば、こう言うだけは達者のようだ。しかし、ああ言えば、どうなるかの想像力や推理力が全くない。
それにしても、維新の会は極めつけのガラクタ人材政党。変な人材が出るたびに党幹部が謝罪している。何度、これを繰り返すのか。それとも党自身が変な党なのか。それにも拘らずこの党は、大阪では人気があるのは何故か。
大阪人はゲテモノ好きなのか。着実にこの党は大阪で勢いを拡大している。大阪ではこれまでもゲテモノ府知事を沢山輩出してきた。その度に大阪は停滞して来た。それでも懲りずにゲテモノ趣味は変わらない。今度は本格ゲテモノなので、大阪は決定的に沈下するだろう。
この本格ゲテモノ達は基礎自治体を解体するというのだ。これは欧米では決して生まれない発想だ。何故ならば、欧米では基礎自治体は民主主義のゆりかご、インキュベータであることは骨身にしみた常識だからだ。それを解体したいというのは、民主主義を破壊したい独裁者の発想なのだ。維新の会のファウンダーは独裁指向の人物だったので、それは首肯できることだ。
基礎自治体を破壊して、府県を強化し道州制に持ち込みたい。大阪市を解体して大阪府を強化して、他府県を吸収して近畿州を創設する。これは中央集権への効果的政策に外ならない。道州制は“分割して統治”するための手段だからだ。中央集権を有効にするための分割が道州制なのだ。これが民主的なものであるはずがない。
それが“地方分権”だと、訳の分からないことを言い出す。一見、都市自治を尊重するかのような発言で、一般人を幻惑させる台詞に外ならない。ナチスの政策も一般人の福利厚生には熱心だった。それはある種、人気取りの手段だった。それと同じこと。維新の会ファウンダー自身がヒトラーを相当“お勉強”したと言っていたのを聞いたことがある。
とにかく大阪人がこの中央集権、東京一極集中の発想に賛成するのが、良くわからない。論理が矛盾していることに気付かないのは、愚の骨頂なのだ。民主主義の本質を理解していないから、このような論理矛盾に気付かず“熱意に”騙されてしまうのだ。世界史の本質、民主主義の誕生と変遷・進化の歴史を知らないから生じる不幸なのだ。
沖縄や泉佐野の不幸は、中央政府官僚の恣意、横暴の結果だ。住民の意思は無視され、踏みにじられる。そういう不幸に見舞わられて、それから気付いても遅いのだ。東京だけが繁栄する、それで大阪は満足するのか。大阪人は総力を挙げて、泉佐野の自力更生を支援するべきだ。泉佐野市は中央官僚の恣意・横暴を糺すべく、司法に訴えるべきではないか。
米中貿易摩擦は、ファーウェイをターゲットにした大統領令が出されて極大化している。米国側の企業が提供しているOSが使えなくなるので、ファーウェイ製スマホは基本的に使えなくなる。少なくとも電話はできるのだろうか。ファーウェイは今秋中には独自のOSを開発すると言っているようだが、利用者は開発できるまでどうするのだろうか。この独自のOSによって世界のIT圏は色分けされ、少なくとも一帯一路圏は違う世界になるだろうという見方がある。
しかし、私はそんな世界が形成できるまで、中国の経済が持つとは思えない。中国経済の足腰が水膨れ経済で何とか回って来たが、不況でさらに赤字財政としなければならなくなり、それが逆回転し始めて崩壊に至るのではないかと、見ている。さしずめ歴史上類例を見ないような猛烈なインフレに襲われるにちがいない。これによって庶民は購買力を失い、生活は困窮を極めるだろう。そなれば政治指導部への不満は爆発し、暴動が頻発、人民軍の出動となり国内は騒乱化するのではないか。こうした混乱が極めて急速であれば問題は内部の混乱で収まるが、あまり急速でなければ不満を外部に向けるため、差し詰め日本領海島嶼への軍事的侵攻もあり得るかもしれない。
そういう意味で映画“空母いぶき”の想定する事態が生起するかもしれない。そこで早速、先週末公開初日に見に行った。行った先の映画館は都心ではなかったせいか、満席ではなく空席の目立つ余裕のあるものだった。興業的には失敗かもしれない。映画シナリオを小説化した本の評判もアマゾンでは全く良くない。
かわぐち かいじ氏の漫画が原作で、そこでは海上自衛隊の初の空母を想定した“いぶき”を旗艦とした第5機動艦隊と、中国の人民解放軍海軍の北海艦隊の空母「広東」と機動部隊が衝突するものだという。
しかし映画では、刺激を抑えてフィリピンの北東400海里に位置する国家共同体“東亜連邦”が架空の波留間群島初島に侵攻し、それを支援する空母“グルシャ”の機動部隊との軍事衝突となっている。この東亜連邦は、フィリピンの北東400海里に位置する島嶼国家・カレドルフが大国の干渉を嫌う周辺地域の国々と結束して設立した国家共同体という想定。
軍事については、軍事ジャーナリストの惠谷治氏が監修しているということだ。その上エンドロールには元海自幹部の古庄幸一氏と伊藤俊幸氏の名前もあったようだが、肝心なところで実際とは大きく乖離していると分かった。
古庄氏らは、現場で艦長と副長が議論することはあり得ないと指摘しているようだが、それがこの映画のある種テーマでもあるので仕方ないと飲み込んでいた。映画の中でクリスマス時分の一般人の日常生活を写すシーンがあるが、これも鬱陶しいが仕方ないのだろう。
しかしもっと大きい問題は軍事的には想定しづらいことが描かれていたことだ。
例えば海自艦隊は相手の潜水艦の位置を把握しないまま戦闘海域に進入し、先制攻撃され“いぶき”が被弾してしまうが、実際にはこのようなことはあり得ないのではないか。海自は日常的にあらゆる国の潜水艦の日本近海での位置を把握しているものと私は推測している。ロシア、中国、隠密の米国潜水艦も、北や韓国の潜水艦の存在も細大漏らさず把握しているはずだ。海自の実力をわざと低くして見せているのかもしれない。
それから、F35のスティルス性を無視している。相手のMIG35は主翼下にミサイル等武装懸架しているので、F35の方がステルス性は高いと思われるが、空戦ではその効果は全く無視されている。両者とも単純な可視的機体として扱われてしまっている。かつてF22との模擬戦では見えないF22の圧勝だったと聞いているが、この乱暴な扱いは頂けない。実はこれも軍事機密の機微に触れるところなのかも知れない。相手の機体は見えるがこちらは見られないが最上なのは勿論で、これによってどこまで数的不利をカバーできるかが問題なのだ。
さらに“外交問題に発展しないように戦闘せよ”との中央からの下令は最悪だ。もっと具体的な命令でなければ現場は瞬時に動けない。旧軍体質の再発ではないか。実際は、そういう命令が出ないようにされているものと考えたい。
こうして肝心な部分がいい加減のため、このシミュレーション映画は何の参考にもならないことが、分かった。
さて、先週は久しぶりに東京へ出かけた。EMSにかかわるメソッドについての“お勉強”に行った。研修は1日だが、折角なのでその前後の日も在京し観光することとした。
第一日目は横浜で原鉄道模型博物館へ行き、その後、目黒の東京都庭園美術館に行って昔の洋館の御屋敷で、美術鑑賞して、高田馬場に落ち着いて宿泊する、ことにした。
11時半、新横浜で新幹線を下車、在来線電車で横浜駅。駅と繋がっている地下街ポルタで昼食、上等カレー。
食後、すぐ地上に出て、川向うの横浜三井ビルディングに“原鉄道模型博物館”の文字を発見。全く、迷うことなく目的へ到達した。
鉄道模型制作で高名な原信太郎氏の博物館。同氏は80年近く前から1番ゲージの鉄道模型を作り続け、また各国の歴史的鉄道模型製品も精力的に収集された結果が展示されている。ここはビル建設と同時に2012年7月10日(火)に開館した、という。御当人は既に2014年7月に亡くなっているようだ。
世界的に歴史のある鉄道模型には大きさの規格があって、主に線路幅が45mmの1番ゲージと、32mmのOゲージ、16.5mmのHOゲージ、9mmのNゲージがあり、車体の縮尺は、それぞれ一般的には1/32、1/45、1/80、1/150となっている。またHOゲージには16番ゲージの別称がある。どうやら世界ではアメリカ、ヨーロッパ大陸とイギリスでは、線路幅はほぼこの通りでも、車体の縮尺には微妙に差異があるようだ。日本ではHOゲージがポピュラーだが、狭い家屋ではNゲージで小さなレイアウトを盆栽感覚で楽しむことが今流行っている。日本で草分けの原氏はこの規格の内、比較的大きくてスケール感のある1番ゲージ模型を中心に収集・制作されていたということだ。
男の子ならば、成長のいずれかの段階で鉄道模型に接することがあったはずで、私も小学2年生でOゲージの電気機関車模型を買ってもらってしばらく楽しんでいた。ねじまきおもちゃではなく電気で動く本物に近い迫力を楽しむことができた。その後中学生の頃、Oゲージより精密だったHOゲージの模型の制作に入ったが、その後の受験で中断したままとなった。就職して自分で稼げるようになってNゲージの模型を買い集めはじめたが、結婚で家内にバカにされお蔵入りとなったままでいる。まぁそんな状態で中途半端のままになっている趣味だが、関東方面にはこうした博物館があることを最近風聞し、この際ネットで調べて訪問した次第だ。
いきなり関西の阪神国道線電車や神戸市電、大阪市電の模型の展示があり驚いた。原氏の経歴を見ると関西出身。鉄道趣味の経過も縷々展示されていたが、やっぱり圧巻は1番ゲージのレイアウト展示だ。模型展示のせいで幻惑されるのか、大きさの見当がつかない。ネットで調べるとほぼ10m×30mとあった。現地ではこれは世界一の規模だと説明していた。線路の総延長は450mとのこと。模型は通常線路から集電するものだが、中には架線から取っている線路もある。列車はほとんど海外モデル。走行音も本物に近いものがある。走っているところを撮ろうと思うが、速度が出ているのでピントが合わず、列車画像が流れてしまっている。シャッター速度が上げられればよいはずだが、どうすれば良いか分からない。照明の変化が絶妙で、時間経過でどんどん変わって、昼間から夕景、夜、朝と長く同じ状態にないので、気分的に疲れるほどだ。子供達は希望すれば、この模型を運転できるようになっている。車体にカメラを搭載しているものもあるようだ。
この一角に隣接して、これよりも規模の小さなHOゲージのレイアウトもあった。横浜の市街を想定してのデザインだ。ここも照明の経時変化が付けられている。この2つのレイアウトのブースを何度か行き来して楽しんだが、歳のせいか何事もしばらくすれば疲れる。そのタイミングで博物館を出た。
横浜駅から東急東横線で、目黒に向かう。駅員が見当たらず、詳細分からず兎に角切符を買って電車に乗る。日吉で乗り換える必要があるが、どのホームか分からず降りてウロウロ。ワンマンカーなのか、車掌もいない。しかし、関西と違って私鉄でもホームドアが完備している。表示を注意深く見て、降りたホームの向かい側に停車している電車で行けるのを理解するのに時間がかかった。高級住宅街として有名な田園調布を通過したが、地下であった。
それにしても驚いたのは、メトロ(東京の地下鉄)の車両を横浜で見たことだ。関西では、大阪の地下鉄を神戸で見ることはできない。最近ようやく近鉄電車を神戸で見るようになったが、姫路で見ることは未だない。
そういえば、東京・横浜には京浜急行があるが、東急は東横線と称している。京浜線と呼称すれば紛らわしいからか。
目黒駅で数少ないコインロッカーを探したが、満杯。しかたなく全てを担いで東京都庭園美術館へ。高速道路の向こうに森林が見える。それが庭園美術館の場所と分かる。
入口で入場券を購入。“キスリング展 エコール・ド・パリの夢”美術展の鑑賞料含でいる。邸内にはいると荷物はコインロッカーに入れるよう指示があり、100円で助かる。実際に邸内では全ての部屋にわたって絵画展示がなされていて、部屋の様子の写真は殆ど撮れない。私は邸内の部屋の造りを見るのが主、と思い込んでいたので、少々残念な感想。
それにキスリングの作風はあまり好みではない。意図的なデフォルメに抵抗感がぬぐえない。それに特に、人物の描き方に人間の個性が感じられない。皆、同じような目つき顔つき。時として、首が不自然な骨格で描いている絵もあって違和感大。
しかし、ある花の絵(1948年制作)の前で、個々の花のポジション、奥行き立体感が確かに感じられる工夫に驚いたのだ。絵の具が盛り上がっているのは、分かるがそれ以外に何か工夫しないとそうした三次元感は生まれない。その工夫が何かは私には分からない。キスリングの作品図書も参考に置かれていたが、その技法に関する記事は見当たらなかった。
それ以外の花の絵でも、ためしに見る目の位置を左右にずらしてみると、微妙に花の位置もずれて見えるように感じる。作者は確かに微妙な工夫を施している。どうやら、そのことに気付いている評論家は居ないようだ。どういうことだろうか。
それが分かって以降、キスリングの絵を見る目が変わってしまって、何だか後半は楽しく鑑賞できた。
一通り見終わって疲れていたが、何だかとりすました雰囲気の邸内カフェでは休憩する気にもならず、コインロッカーから出した荷物を背負って、庭に出て気分を変えることにした。
この邸宅は朝香宮夫妻の御住いで、朝香宮鳩彦王(あさかのみや やすひこおう)は旧皇族で、大日本帝国陸軍軍人。天皇家の子孫・久邇宮朝彦親王の第8王子。現上皇の御生母・香淳皇后は久邇宮朝彦親王の御孫様。
説明によればこの旧朝香宮邸は、1933(昭和8)年に建築。当時最新の建築様式によって内部のデザインは、壁飾りから家具、照明器具にいたるまで、モダンで優美なアール・デコとよばれる装飾様式で統一されている。玄関、大客室、大食堂、書斎などの主要部分の内装は、当時のフランスを代表する装飾美術家であるルネ・ラリックやアンリ・ラパンに依頼された。基本設計を担当したのは、宮内省内匠寮の建築家だった権藤要吉。建築当時、近代西洋に憧れる日本人の思いを結集した建築だった。後世に伝えるべき名建築として、2015(平成27)年に国の重要文化財に指定された。
敷地総面積は30,915.95m2(1万坪足らず。池、鉄筋コンクリート塀を含む)。周囲の庭は都心にある鬱蒼とした森林。何となく歩いて行くと湧水があり東屋の茶室、池等がある。気分転換となって若干疲れも和らいだ。
テニスコートやゴルフ練習場は見当らないが、一般公開前に整地したのかもしれない。
山手線で目黒から宿泊予定の高田馬場へ。下車すると下校時の高校生等学生の多さに閉口。早稲田予備校の前に中国人が、これまた大勢たむろしているのにも驚く。早稲田は革命世代の中国要人の出身校だったので、中国では人気があると聞いていたが、まさかここまでとは思わなかった。早大入試まで浪人か?
投宿ホテルのフロントはインド人風の2人。何だか2年ほど前に東京に来た時より、人口が増えたように感じるが、外国人の増加によるのかもしれない。

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