The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
北朝鮮危機に考える
先週尖閣諸島近海の接続水域を中国潜水艦が潜航したまま航行したことについて、次のような報道があった。“防衛省は12日、潜水艦が公海に出て浮上した際に中国国旗を掲げたのを確認し、中国の潜水艦と断定したことを明らかにした。”これは、自衛隊の執拗なアクティブ・ソナーによる追尾にたまりかねた当該潜水艦が浮上し国旗掲揚して、“もう勘弁して!中国の潜水艦ですから。”と両手を挙げた結果と解釈できるだろう。
潜水艦は潜航して第三国海域を通過しないのが国際儀礼とされていて、無害通航するには必ず浮上して船籍国国旗を掲揚する義務があると聞いている。潜航している限り、領海近くの接続水域を管理する日本側は得体のしれない対象物としてその脅威に対し何らかの無害化処置の行使権があると解釈できる。そこでアクティブ・ソナーによる確認に応答がない場合、直ちに爆雷投下してこれを破壊しても、国際法上は問題は少ないものと見られる。従って自衛隊による追尾は、それをされた潜水艦側にとっては艦体全体に響き渡るアクティブ・ソナー音は次の爆雷攻撃を予感させ、とてつもない恐怖感に襲われると軍事評論家が指摘していたのを聞いたことがある。この度の中国潜水艦はこの恐怖に負けたのだろう。しかし原潜の場合、それを破壊すれば周辺海域は放射能汚染される危険性があるので、悩ましいところはあるのだが、・・・。
かつて、2004年11月10日には中国海軍の漢級原子力潜水艦が石垣島周辺海域を領海侵犯した事件があった。これに対し“日本政府は、海上自衛隊創設以来2度目となる海上警備行動を発令した。”ということがあった。この時は、日本側の海保と海自の連携が悪く領海侵犯されてしまったが、今回はスムーズだったようで領海侵犯には至っていないようだ。また相手側も潜水艦の操艦技術が拙劣で誤って日本領海に入り込んでしまったようだが、今回は水上艦との連携が認められ、意図的なものを感じる。
中国海軍は何を意図しているのだろうか。対北朝鮮対応で米中間でかなりの軍事的協力が検討されているらしいが、その過程で何らかの取引、又は中国側の都合の良い誤解があったのかも知れない。米国側が尖閣についてはコミットしない、という感触を中国側に与えた可能性がある。最近特に尖閣海域で頻発していると聞くが、中国側の不穏なパフォーマンスの原因をそれに求めるのは不自然ではないように思う。
対北対応では様々な影響が日本に及ぶのは間違いないところだろう。日本政府には繊細で確かななインテリジェンスが求められ、間抜けな行動は慎むことが期待される。
さてその対北対応だが、昨年初めから引き続いているので年末には米国側からの先制攻撃があり、クリスマス休暇がそのためのタイミングとしては絶好であると思い込んでいたが、そうはならず全く予想が外れてしまった。どうやら、平昌オリンピック以降の実施と見る向きが多いようだ。
しかも、そのオリンピック開催に関し参加をめぐって南北の協議がなされていて、一見雪解けのようなムードが漂っているが、それが北の狙うところだという観測も多く、これには首肯できるところだ。
金融マーケットは、この状況を歓迎してリスク・オンへ傾斜して来ている。特に日本の市場は活況化している。
そこで、私もパラリンピックの終わる3月上旬までの限定的なスタンス変更で日本関連ファンドに関しては急遽リスク・オンすることにした。どうやらファンド・マネージャー等は北朝鮮リスクは、北側から仕掛けられる可能性が高く、そのため予測不能と見ているようだ。しかし、その見方は少々違う。決して北からは仕掛けることはない。何度も言うように北の振る舞いは米側のレッド・ラインを越えているので、ひとえに米側がいつ取り掛かるかにかかっている。
従って、トランプ政権から発せられる情報の変化、米軍の配置状況を注意深く観察していることが肝要だと見ている。特に、分かり易い水上艦艇の攻撃の要、空母打撃群の集結状況に注目するのが良いと考えている。この年末はその空母打撃群はセオドア・ルーズベルトがペルシャ湾にいる以外は、いずれもほぼ夫々の母港に逗留していたようだ。
先週のあるテレビ報道では、北朝鮮は勿論、米軍側も時間稼ぎをしていると憶測していた。どんな時間稼ぎかというと、これから日本に派遣する強襲揚陸艦ワプスにスティルス戦闘機F35Bを搭載可能とするために飛行甲板耐熱化する工事の時間稼ぎだと言うのだ。ワプスはヘリコプター専用の軽空母なので、甲板はジェット・エンジンの高温排ガスに耐えられず、垂直離着陸ジェット戦闘機の離発着が可能なように改装が必要なのだという。この工事は3月までかかるため時間稼ぎが要るというが、これは完全に誤報である。日本の軍事音痴の報道に呆れてしまう。報道する前に少しネットで調査すれば直ぐに分かる話だ。
何故ならば、ワプスには既にハリアー攻撃機AV-8BIIと言うジェット機の搭載は可能だったからだ。この艦に搭載できる航空機の標準的構成は約30機のヘリコプター以外に、6機のハリアーを搭載可能になっている。このハリアーをF35Bへ載せ換えるだけなので、改装工事は不要のはず。又ネット上ではF35Bの飛行甲板からの離発着の映像はあふれている。ましてワプスは同型強襲揚陸艦*の1番艦なので飛行甲板に耐熱処理がなされていなかったとは思えない。
これに対し次の報道が正しいと考えられる。“米海軍第7艦隊(横須賀市)は佐世保に配備する強襲揚陸艦ワスプが6日に太平洋の日付変更線を越え、第7艦隊の管轄海域に入ったと発表した。近く佐世保基地に到着するとみられる。ワスプは佐世保基地を母港とする強襲揚陸艦ボノム・リシャールと交代し、岩国基地(山口県)の最新鋭ステルス戦闘機F35を艦載機として運用する。第7艦隊によると、昨年8月30日に米南部バージニア州ノーフォークの海軍基地を出港し、佐世保基地に向かったが、ハリケーンが直撃したカリブ海の自治領プエルトリコなどの被災地支援に回り、配備が遅れた。”
いずれにせよ米軍の攻撃準備は、ティラーソン国務長官の言葉通り着々と進められている。
*強襲揚陸艦ワプスは、基準排水量:28,233トン、全長:257.3m、全幅:42.7mで、海自の護衛艦“いずも”の基準排水量:19,500トン、全長:248.0m、最大幅:38.0mとワプスよりわずかに小ぶりだがさほど変わらないし、外観も明らかに軽空母だ。従って最近報道されたように、“いずも”にF35Bの搭載可能な飛行甲板の耐熱化工事をするとの発想が浮かぶのは当然のことであり、あらかじめそれを想定しての建造だったとも考えられる。現にスペース的にはF35Bの搭載は可能と推測できる。
強襲揚陸艦とは、海兵隊を載せて敵地に上陸するための艦種だ。歩兵の海兵部隊の上陸と交戦を支援する戦車5両を筆頭に、歩兵運送用の歩兵戦車25両、トラック80両、榴弾砲8門を積載する艦種だ。そこに前述のとおり進攻支援の航空機(ジェット攻撃機、各種ヘリコプター)も搭載する。しかし、この程度の人員規模でこの度の北朝鮮進攻に十分な効力があるのだろうか。
しかし、先週まで知らなかったが朝鮮戦争の休戦協定では、韓国側からの先制攻撃は協定違反となるらしい。そこで強襲揚陸艦を日本に配置して準備することになるのだろう。また在韓米軍には最新鋭兵器・兵装は配備されていないようで、例えば最新鋭スティルス戦闘機F22やF35は日本に配備され、韓国には1世代前のF16が配備されているのが実態ではないか。従って、米軍の先制攻撃は日本を基地として密かに実施される可能性が高い。そのために事前協議があるとされるが、出撃後の事後協議になる可能性の方が高いと見るべきだろう。
となれば、北のミサイルの照準は第1義的に日本の米軍基地に当てられていると考えるのが合理的だ。在韓米軍は北からの攻撃を受けて後の出動となるのだろう。
しかし、私達一般日本人は米軍の北攻撃のトバッチリをどのように回避すれば良いのか、具体的には如何ともしがたい。朝起きてみれば、米軍の攻撃が始まったとの報道が流されているという日がやって来るのだろう。寝ぼけて慌てないことが肝要だ。マティス国防長官の指摘のように、米軍の水も漏らさぬ反撃不能な先制攻撃に期待するしかない。
それにしても、先制攻撃後の北の核弾頭をどのように確保するのか、20個もあると推定されているようだが、その所在は確実に突き止められているのか、不安要素は極めて多い。ビン・ラーディン暗殺時と同様、各々60%程度の確度では如何にも不安だ。その確保途上での北による意図的な誤爆発もあり得るのではないか。
一方、日本は冒頭で指摘した どさくさに紛れの中国の火事場泥棒にも注意深く対処せねばなるまい。

潜水艦は潜航して第三国海域を通過しないのが国際儀礼とされていて、無害通航するには必ず浮上して船籍国国旗を掲揚する義務があると聞いている。潜航している限り、領海近くの接続水域を管理する日本側は得体のしれない対象物としてその脅威に対し何らかの無害化処置の行使権があると解釈できる。そこでアクティブ・ソナーによる確認に応答がない場合、直ちに爆雷投下してこれを破壊しても、国際法上は問題は少ないものと見られる。従って自衛隊による追尾は、それをされた潜水艦側にとっては艦体全体に響き渡るアクティブ・ソナー音は次の爆雷攻撃を予感させ、とてつもない恐怖感に襲われると軍事評論家が指摘していたのを聞いたことがある。この度の中国潜水艦はこの恐怖に負けたのだろう。しかし原潜の場合、それを破壊すれば周辺海域は放射能汚染される危険性があるので、悩ましいところはあるのだが、・・・。
かつて、2004年11月10日には中国海軍の漢級原子力潜水艦が石垣島周辺海域を領海侵犯した事件があった。これに対し“日本政府は、海上自衛隊創設以来2度目となる海上警備行動を発令した。”ということがあった。この時は、日本側の海保と海自の連携が悪く領海侵犯されてしまったが、今回はスムーズだったようで領海侵犯には至っていないようだ。また相手側も潜水艦の操艦技術が拙劣で誤って日本領海に入り込んでしまったようだが、今回は水上艦との連携が認められ、意図的なものを感じる。
中国海軍は何を意図しているのだろうか。対北朝鮮対応で米中間でかなりの軍事的協力が検討されているらしいが、その過程で何らかの取引、又は中国側の都合の良い誤解があったのかも知れない。米国側が尖閣についてはコミットしない、という感触を中国側に与えた可能性がある。最近特に尖閣海域で頻発していると聞くが、中国側の不穏なパフォーマンスの原因をそれに求めるのは不自然ではないように思う。
対北対応では様々な影響が日本に及ぶのは間違いないところだろう。日本政府には繊細で確かななインテリジェンスが求められ、間抜けな行動は慎むことが期待される。
さてその対北対応だが、昨年初めから引き続いているので年末には米国側からの先制攻撃があり、クリスマス休暇がそのためのタイミングとしては絶好であると思い込んでいたが、そうはならず全く予想が外れてしまった。どうやら、平昌オリンピック以降の実施と見る向きが多いようだ。
しかも、そのオリンピック開催に関し参加をめぐって南北の協議がなされていて、一見雪解けのようなムードが漂っているが、それが北の狙うところだという観測も多く、これには首肯できるところだ。
金融マーケットは、この状況を歓迎してリスク・オンへ傾斜して来ている。特に日本の市場は活況化している。
そこで、私もパラリンピックの終わる3月上旬までの限定的なスタンス変更で日本関連ファンドに関しては急遽リスク・オンすることにした。どうやらファンド・マネージャー等は北朝鮮リスクは、北側から仕掛けられる可能性が高く、そのため予測不能と見ているようだ。しかし、その見方は少々違う。決して北からは仕掛けることはない。何度も言うように北の振る舞いは米側のレッド・ラインを越えているので、ひとえに米側がいつ取り掛かるかにかかっている。
従って、トランプ政権から発せられる情報の変化、米軍の配置状況を注意深く観察していることが肝要だと見ている。特に、分かり易い水上艦艇の攻撃の要、空母打撃群の集結状況に注目するのが良いと考えている。この年末はその空母打撃群はセオドア・ルーズベルトがペルシャ湾にいる以外は、いずれもほぼ夫々の母港に逗留していたようだ。
先週のあるテレビ報道では、北朝鮮は勿論、米軍側も時間稼ぎをしていると憶測していた。どんな時間稼ぎかというと、これから日本に派遣する強襲揚陸艦ワプスにスティルス戦闘機F35Bを搭載可能とするために飛行甲板耐熱化する工事の時間稼ぎだと言うのだ。ワプスはヘリコプター専用の軽空母なので、甲板はジェット・エンジンの高温排ガスに耐えられず、垂直離着陸ジェット戦闘機の離発着が可能なように改装が必要なのだという。この工事は3月までかかるため時間稼ぎが要るというが、これは完全に誤報である。日本の軍事音痴の報道に呆れてしまう。報道する前に少しネットで調査すれば直ぐに分かる話だ。
何故ならば、ワプスには既にハリアー攻撃機AV-8BIIと言うジェット機の搭載は可能だったからだ。この艦に搭載できる航空機の標準的構成は約30機のヘリコプター以外に、6機のハリアーを搭載可能になっている。このハリアーをF35Bへ載せ換えるだけなので、改装工事は不要のはず。又ネット上ではF35Bの飛行甲板からの離発着の映像はあふれている。ましてワプスは同型強襲揚陸艦*の1番艦なので飛行甲板に耐熱処理がなされていなかったとは思えない。
これに対し次の報道が正しいと考えられる。“米海軍第7艦隊(横須賀市)は佐世保に配備する強襲揚陸艦ワスプが6日に太平洋の日付変更線を越え、第7艦隊の管轄海域に入ったと発表した。近く佐世保基地に到着するとみられる。ワスプは佐世保基地を母港とする強襲揚陸艦ボノム・リシャールと交代し、岩国基地(山口県)の最新鋭ステルス戦闘機F35を艦載機として運用する。第7艦隊によると、昨年8月30日に米南部バージニア州ノーフォークの海軍基地を出港し、佐世保基地に向かったが、ハリケーンが直撃したカリブ海の自治領プエルトリコなどの被災地支援に回り、配備が遅れた。”
いずれにせよ米軍の攻撃準備は、ティラーソン国務長官の言葉通り着々と進められている。
*強襲揚陸艦ワプスは、基準排水量:28,233トン、全長:257.3m、全幅:42.7mで、海自の護衛艦“いずも”の基準排水量:19,500トン、全長:248.0m、最大幅:38.0mとワプスよりわずかに小ぶりだがさほど変わらないし、外観も明らかに軽空母だ。従って最近報道されたように、“いずも”にF35Bの搭載可能な飛行甲板の耐熱化工事をするとの発想が浮かぶのは当然のことであり、あらかじめそれを想定しての建造だったとも考えられる。現にスペース的にはF35Bの搭載は可能と推測できる。
強襲揚陸艦とは、海兵隊を載せて敵地に上陸するための艦種だ。歩兵の海兵部隊の上陸と交戦を支援する戦車5両を筆頭に、歩兵運送用の歩兵戦車25両、トラック80両、榴弾砲8門を積載する艦種だ。そこに前述のとおり進攻支援の航空機(ジェット攻撃機、各種ヘリコプター)も搭載する。しかし、この程度の人員規模でこの度の北朝鮮進攻に十分な効力があるのだろうか。
しかし、先週まで知らなかったが朝鮮戦争の休戦協定では、韓国側からの先制攻撃は協定違反となるらしい。そこで強襲揚陸艦を日本に配置して準備することになるのだろう。また在韓米軍には最新鋭兵器・兵装は配備されていないようで、例えば最新鋭スティルス戦闘機F22やF35は日本に配備され、韓国には1世代前のF16が配備されているのが実態ではないか。従って、米軍の先制攻撃は日本を基地として密かに実施される可能性が高い。そのために事前協議があるとされるが、出撃後の事後協議になる可能性の方が高いと見るべきだろう。
となれば、北のミサイルの照準は第1義的に日本の米軍基地に当てられていると考えるのが合理的だ。在韓米軍は北からの攻撃を受けて後の出動となるのだろう。
しかし、私達一般日本人は米軍の北攻撃のトバッチリをどのように回避すれば良いのか、具体的には如何ともしがたい。朝起きてみれば、米軍の攻撃が始まったとの報道が流されているという日がやって来るのだろう。寝ぼけて慌てないことが肝要だ。マティス国防長官の指摘のように、米軍の水も漏らさぬ反撃不能な先制攻撃に期待するしかない。
それにしても、先制攻撃後の北の核弾頭をどのように確保するのか、20個もあると推定されているようだが、その所在は確実に突き止められているのか、不安要素は極めて多い。ビン・ラーディン暗殺時と同様、各々60%程度の確度では如何にも不安だ。その確保途上での北による意図的な誤爆発もあり得るのではないか。
一方、日本は冒頭で指摘した どさくさに紛れの中国の火事場泥棒にも注意深く対処せねばなるまい。

コメント ( 0 ) | Trackback ( )

« 2018年始のご挨拶 | 東洋陶器美術... » |
コメント(10/1 コメント投稿終了予定) |
コメントはありません。 |
![]() |
コメントを投稿する |