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予防処置は“未然防止”

是正処置は“再発防止”と呼ぶことに、私は 賛成しました。
じゃぁ 予防処置は どう 呼べば日本語として馴染みが良いのでしょう。それには“未然防止”という言葉があります。これで どうでしょう。用語の定義を掲載したISO9000(JIS Q 9000)の “3.6.4 予防処置”には“起こり得る不適合又はその他の望ましくない起こり得る状況の原因を除去するための処置”とあり、引き続き書かれている“参考”に“是正処置は再発を防止するためにとるのに対し、予防処置は発生を未然に防止するためにとる。”とあります。

予防処置の要求事項は 是正処置の要求事項と 殆ど 変わり有りません。“是正”を“予防”に置き換えれば 予防処置の要求事項になるような感じです。ISO9001(JIS Q 9001)での要求事項を 左に是正処置、右に予防処置を示します。


このように是正処置と予防処置についての要求事項は よく似通っていますので 実施手順も よく似たやり方でできると考えられます。従って、是正処置で使用される記録用紙も その様式は 共通化可能であると考えます。その事例は 以前に 提示いたしております。

しかしながら、予防処置は 是正処置以上に 難しい。それは まさに 現実に起きていないトラブルを想定し、それを未然に防止するという 逞しい想像力が 必要だからです。
是正処置が 上手くできない 組織の事例で その原因は、“自分たちが最高である”という自惚れがあると同時に、“言語能力に乏しい”という要因があると申しました。
リテラシー能力、つまり論理的思考力が 乏しいと その原因の特定が困難で、その結果、是正処置が 困難になるのですが、“予防処置”には その上に 逞しい “想像力”が 必要であるということになります。従って“予防処置”は“是正処置”よりは難しい 活動であると言えます。つまり、是正処置が できない組織に予防処置はできません。予防処置は 是正処置ができることが前提条件になります。

私も 購買先の 第二者監査など 様々な機会を捉えて よその会社での“予防処置”実施状況を これまで尋ねて来たのですが、どこも上手く行っていると 胸を張って答えて頂けた 組織は、殆ど ありませんでした。

ですが、実際には 予防処置=未然防止の 活動はどのような企業であっても 行われているはずで、それを意識して実施できているかどうか、或いは 記録に残しているか どうかの差があると 思われます。
無意識で行っていることを 意識に上らせて実施することに どれだけの意味があるのか、と 問われれば 少々の戸惑いを禁じ得ません。但し、一旦 何か問題の可能性を予期して、それを意識に上らせて対策をフォローし記録することは、言い放しに終らずに 実施徹底させることになり 大いに意義あることと思います。
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