The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
“図解ひとめでわかるリスクマネジメント”を読んで
リスク・マネジメントに関して総合的に書かれた本は少ない。それを“一目で解る”ように書いているというのは、驚きそのものなので、頭の整理のためにも役立つはずだと思い読んでみたのが、この“図解ひとめでわかるリスクマネジメント”であった。内部統制的な総合リスク・マネジメントの入門書(製造業等に向けた工学的リスク・マネジメントではないが)と言え、その点で期待通りの良書と言える。テーマが見開きで右側に解説、左側にそれを図解していて解り易い。だが、通読してみると残念なことに 説明の流れが戻ったりするので、時として戸惑うという構成上の問題はあるように思った。以下、重要部分に順次コメントを付記したい。 . . . 本文を読む
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リスクに関する一考察と反省
“リスク”という言葉に、私がかかわる というか気に掛けるようになったのは、ISO9001の事務局をしていた時に、認証審査に来訪した審査員に言われた言葉“それは、御社のリスク判断です。”を聞いてからであった。つまり、第三者審査では、個別企業の業務上のリスクはどの程度か判らないので、規格要求事項を満足するために為さなければならないことは どこまでが必要最低限なことかまでは判定できず、普通に見て規格要求事項に対応したルールを策定していて、それが実行されていれば可と判定する、ということであるのだ。それは、すなわちISO9001の審査で可であっても、必ずしもその会社にとって真に十分なものとは言えない場合がある、ということなのだ。 . . . 本文を読む
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事業会社のリスク・モードとは―“成功する会社が必ずやっているリスク管理”を読んで
今回は事業会社におけるリスク管理についての読後感想である。私は ISO9001もISO14001も それぞれ 事業活動における品質及び環境側面の リスク管理であると思っているので、ISO話の一環となると思っている。
そういう意識の下で、この本を読めば普通の事業会社が悩むリスクとは、どんなものが多いのか分かるのではないかと思ったのだった。意外と こうした実際的な問題を取上げたリスク管理の本はないので、貴重な本ではある。つまり、一般的なリスク管理の教科書には机上で想定されるリスク・モードが取上げられるが、この本では 著者等の経験の範囲に限られるかも知れないが、実際に起きやすいリスク・モードが取上げられている。従って、ビジネスを行うに当たって、どんなリスク・モードに重点管理すれば良いのか分かるはずだ。全方位のリスク管理では、事実上リスク管理にはならず、リスクについて重点管理できてこそ リスク管理と言えるからだ。 . . . 本文を読む
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化学物質管理―中小企業における仕組構築のアウトラインの考え方
先日、かつてEMS審査したことのある会社の社長から 私の所属する審査機関で中小企業向けの化学物質管理のマネジメント・システムのセミナーがないか、との問合せがあった。その背景を聞くと、ある客先のアンケートに“化学物質管理の仕組はあるか”との設問があり、回答に窮しているのだという。
だが、その会社は 電子回路部品及び、それを組合わせた製品の設計・製造の会社であったので、生産プロセスのサプライチェーンの中で ほとんど下流に位置する。なので、本来行うべき化学物質管理の中心的役割はほとんどない。したがって、うっかり真面目に化学物質管理を始めると、その負荷が大変なものとなる割には 重要さを評価されない可能性もある。 . . . 本文を読む
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MFCAはなぜ中小企業に普及しないか―すね者から見た経営手法
先々週のことで、少々古い話題になってしまって恐縮だが、私が所属する環境マネジメント・システム審査登録機関の審査員研修会があり、そこで外部講師によるMFCAをテーマにした講演があった。そこで抱いた感想を述べたいと思う。
ということで、環境マネジメントの手法に関わる環境会計MFCAをテーマとしていて、本来狙っているISOマネジメントそのものに関わることではない。しかし、MFCAもISO化されているので、かろうじて許される範囲ではないだろうか。しかもこれは、日本人が始めてISO14051として編集・作成したという。MFCAはドイツで生まれて日本で育ったと言われる由縁である。
だが、日本のMFCA関係者は それが普及しないことに困惑しているということである。つまり、これで一旗あげようと手ぐすね引いていた向きにはあてが外れた格好になっているのが冷厳な現実ということのようなのだ。
さて、MFCAとは何か。マテリアル・フロー・会計(Material Flow Cost Accounting)の略で、環境会計の一種と言われている。要するに、生産工程でのマテリアル・フローに着目して物質収支を厳密に観測し、工程中のロス(廃棄物)の内容を詳細に分析し、生産工程での問題点を摘出し、改善に役立てようという手法のことである。
下図は経産省の資料の図を借用したものであるが、このマテリアル・フローの分析のあり方の典型を示している。つまり、従来の会計手法では、廃棄物には加工費を乗せずに、製品の原材料費にコストとして乗せてしまっているが、MFCAでは廃棄物にも加工費を乗せて評価するということである。 . . . 本文を読む
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インキュベーション・センターでのセミナー“強い組織づくり”に参加して
関西のある自治体が運営している起業家のためのインキュベーション・センターでは 組織経営に有益なセミナーを多数開催している。参加したセミナーでは“強い組織づくり”のためのプロジェクト活動の成果報告というか、PRがあった。主催者は当然のことながら、現代的企業経営の考え方の起業家への普及を期待し、それにより起業の成功と、結果として街の活性化と発展を期待している。これに対し、私自身はISO審査員は合理的組織づくりについての知識・情報に精通しているべきであり、特に 小規模事業組織の運営の注意点に興味があり、何らかの情報が得られるものと思った。 . . . 本文を読む
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