成就
2017年06月21日 | 禅
慈明(じみょう)という和尚さんは、眠くなると
自分の股に錐(きり)を刺して、一所懸命に坐ったそうです。
「私が頼りにするものは、坐禅のほかにありません」
と、こういうことだったんだと思います。
だから、眠ってはいられなかったのです。
慈明和尚さんは「眠ることも坐禅」であるということは
分かっていてもそんなことはしなかったのです。
「眠るのも坐禅だ、腹が減れば飯を食うのも坐禅だ」
みんなそんなことは知(識)っています。
しかし慈明和尚さんは、それをせず(知っていることを使わず)
に、眠くなれば股に錐を刺して一所懸命に坐られたのです。
おシャカ様を始めとして歴代の覚者といわれる方々は皆
そうして御苦労なさったのです。
頼るものは「坐禅」だけ、そのことがなければ絶対に
「道」というものは「成就」しないのです。