「教外別伝(きょうげべつでん)」 というお言葉があります。
「教えの外の教え」 ということです。
おシャカ様の教えというのは、すべて方便です。
したがって、
「今、なんとかしなければいけない、このままではいけない」
ということは、おシャカ様の教え、あるいは歴代の
覚者といわれる方々のお示しによって、そのお示しに従って
「その道を歩く」
ということ、そして
「一歩一歩月への距離を縮めていく」
ということです。
そうでないと、修行ではないことになります。そして、
「法も、道も忘れ、月も忘れすべて忘れる必要がある」
ということのために仏祖の教えというものは
あるわけです。
ほとんどの仏教教団の教えというものは、みんな
仏教を理解した概念の中からの教えに従って
成り立っています。
ですから 「教外別伝の法」 というものが、すっかり
忘れられてしまっている状態です。
「教外別伝」 は 「死語」 になってしまいつつあるということです。
それではいけないということで、一部では
「摂心(せっしん)」 〈 心をおさめる修行 〉
が行われています。
「このままでよかったんだ、これ以外に
法というものはないんだ」
という、そういうことに目醒めて頂きたく思います。
「今の自分のそのままに、様々な心の動きというものを
”成る程、そうか” とうなずくだけのこと」 です。