今年の冬は格別寒かったが、ようやく庭の片隅に亡妻が植えたのか、水仙の一株があって、今年は芽を出さないので枯れたかと思ったら、先週から芽を出しいきなり蕾をつけました。
アジサイは枯れた枝が寂しかったが、枝先にブドウ色の新芽があったので安心していたら、これも先週から緑の新芽に変わりました。芝庭もすこし新芽の緑がかってきました。植物は日差しの長さで時季を知るそうです。
今日は3月17日、お彼岸の入りです。1週間つづき真ん中の20日をお中日といい、日本は祝日に指定している。昼と夜の時間が おなじ長さの日、太陽が真東から上がり真西に沈む日です。
この日に菩提寺はお彼岸法要があり、案内状が届きました。
家内が眠るお墓へお参りする日でもあります。きれいな墓なので掃除は前にする必要はありません。供花を買って飾りますがお彼岸、お盆などに限って値上がりします。
図書館の本 「聖書の中の女性たち」遠藤周作 を気まぐれに読んでいます。フランスの有名なキリスト教画家・ルオーの名作に「ヴェロニカ」があります。
なぜ、ヴェロニカという画題なのでしょうか。
”ヴェロニカとは1人の女の名前です。それは紀元30年、4月7日、金曜日の午前11時頃でした。このときキリストは2人の囚人と共にゴルゴダの丘で処刑されるため、ピラトの総督官邸から半キロほど離れた石の多い、曲がりくねった路を十字架を背負わされて、歩かねばならなかった。
十字架は2本の木から成立っていて、縦木は約10尺(3.03m)、横木は約7尺(2.12m)、重さ70キロあった。当時の受刑者は、この十字架を自分が殺される処刑場まで運ばねばならなかった。血にそまった足を曳きずり、よろめきながら歩いたわけです。
群集はキリストに向かって罵声を浴びせます。喘ぎ喘ぎ歩いてきたキリストは、丘にかかる時、膝を折って立ち上がる力もありません。人々はこの時シモンという農夫に十字架の片方をかつがせたということです。
その時です。家陰から1人の女が走り出てきて、泥と唾と血のしたたる彼の顔を自分の額を蔽っていた布(ハンカチ)で拭いてやった。イエズスの眼には感謝の色が漂った。
そして彼女は家に戻り、さっきの布をみると、その上には青白い悲しげなキリストの顔が写されていた。
キリストの弟子達はこの出来事を記念するため彼女をヴェロニカと呼んだ。“
中世の画家達は競ってヴェロニカを画題にして描いた。ルオーのヴェロニカはその代表です。