たそがれ時のつれづれに

人生のたそがれ時を迎えて折々の記を・・思うままに

甲状腺腫瘍の術前検査

2012年07月24日 | 日記

岐大医学部付属病院

昨日午後から大学病院の耳鼻咽喉科科長・臨床教授の甲状腺腫瘍の「穿刺吸引細胞診」の結果診察を受けました。この先生は直腸切除した40代働き盛りの別の病院の先生の推薦でご無理をいった次第です。「あの先生が大好きなのです」と言っておられた先生です。感じは若い50代でしょう。

「細胞診はうまく組織を採集できなかった」とのことでした。腫瘍が悪性か良性か確定できなかったわけです。(前の病院での細胞診は受けて、ほぼ良性の書類は送られています)
穿刺吸引細胞診は肺の確定診でもお聞きしましたが、針の中へ途中の組織を吸い込むことがあり100%の診断はできないこともあると聞いていました。
このときは「はっきり確定できないままでの肺の摘出はできません」と自ら希望して、呼吸器鏡といってファーバースコープを肺の奥の患部まで入れ、直接細胞を摘んで採集する生検を受け、悪性を確認して手術してもらいました。注射針ではうまく採集できないことは十分理解しています。

「で、どうしますか」と聞かれましたので、もう迷うことなく、「手術します。そう願います。基本は手術だと、前の病院の大腸主治医・耳鼻咽喉科医・内分泌科医・開業医の先生達に言われてもいますし・・・」と、そこで、持って行った本(注1)の要点を横着にも先生の前で読みました。
”・甲状腺腫瘍は一刻を争うわけではありませんが、切り取った方がいい。おとなしい乳頭がんや濾胞がんでも、未分化がんに変わる恐れがあるからです。特に高齢の人ほど、急に大きくなったり、周りの臓器に浸潤しやすい。
・未分化がんに変わると、それで命を落とします。(注2)
・濾胞がんは少し恐い。肺や骨など遠くに転移しやすいのです。”
「・・ということですね、よく承知していながら無理を言ってきました。もう迷いはありません。濾胞がんは手術した後の摘出した標本でも、確定し難いのでしたね?」。先生は本の内容を頷いて聞きながら、
「いや、判定できないということではないのです。困難なケースもあるということなのです、病理検査医の話しによると、濾胞がんを検査する方法は・・」と詳しく解説されました。顕微鏡で見る専門的なお話で、私の頭では半分も理解できませんでした。

「早速今日、手術のための検査をやって帰っていただきましょう」と、予想通りでした。
検査は「尿検査」、「採血検査」、「心電図」、「肺活量検査」、「胸部レントゲン検査」です。この検査項目はどこの病院でも、どこの患部の手術でも基本的な検査なのか大体同じです。

手術にあたって聞かれたこと、お聞きして確認したことは以下のとおりでした。
・手術には家族の待機は適任者がいないので立会無しでお願いできますか?⇒OKです。(注3)
・術後の一晩はICUが空いていたらお願いできませんか?⇒お勧めしない。結構うるさくて休めません。(注4)
・数々の手術で他人血の臓器移植はしていません。自己血採血は?⇒必要ありません。出血はほとんどありません。
・個室を希望しますか?⇒今まで2.3日は個室をお願いし、後で大部屋に変わりましたが、ここは混んでいるので大部屋で結構です。
・合併症(手術時の緊急事態)の説明がありました。⇒甲状腺は半回神経と密着していて神経に添って削り取るので、少し神経が削られ手術中麻痺することがある。半回神経は丈夫な神経なので注意してやります。(注5)
・片方の切除でよろしいですね?⇒そう願います。前の病院はアメリカ式の全摘だったので、先生の方へ転院を希望したのですから・・。
・手術日について希望は?⇒10月某日に平湯温泉で同窓会がありますので外してくださいとお願いしました。手術日は、この病院は3ヶ月くらい待機があります。とのこと、これも予想していました。
・常用している薬の確認⇒薬局で貰っていた薬の説明書を大量に持って行って説明しましたが、今常用の薬だけでよし、たまに飲むのは不要とされました。

これで診察は終わりです。それから隣室のナースさんに代わり、廊下で今日の検査の場所の説明を受けました。入院期間は7日間くらいかお聞きしたら、麻酔の診察などで手術日2日前の入院、退院は10日間くらいといわれました。結構余裕を取っているのと、麻酔は全身か半身か聞きませんでしたが、おそらく全身でしょう。
小1時間の検査を終わり、最後に入退院受付で説明無しの入院書類をもらい、清算して、すっかり疲れて帰宅しました。


注1:「このがん・この病院 朝日新聞編 1990年刊 甲状腺がん 東京女子医大助教授 小原孝男」
注2:未分化がんとは:細胞のもとである幹細胞がそれぞれ分化(成熟)して、本来の細胞になりますが、初期の未分化の状態でがん化することだと、急性白血病の項で説明されていました。
注3:今までの病院は仕事が大事か、親族の病気が大事か考えてください、天涯孤独の身ならそれなりの対処がありますが・・と、ナースさんに叱られました。
注4:肺の時はICUで世話になりましたが命に関わる手術でないので正解でしょう。
注5:失敗すると無声になるからです。私の同級生の女性は18年間、7センチを越えると言っていましたが、名古屋の甲状腺専門医院の経過観察を受けています。私の主治医に話すと良くないといわれました。
合併症はそのほかにもう一つ何か言われたように思いますが忘れました。術前に再確認します。おそらく文書の同意書で確認署名を求められるでしょう。