◆内田樹『日本辺境論 (新潮新書)』
高度成長期からバブル期に至るまでの日本経済の発展と膨張は、確かに日本人に自信をつけさせたかもしれないが、まだそれ以前のj時代の劣等感の裏返しという側面が強く、どこか「成り上がり者」という意識があって、等身大の自分たちに確たる自信を持つということではなかった。しかし、新幹線に代表されるような日本の高度技術が、人間の生活や社会のあり方の変革を伴う形で真似られ輸出さされるようになると、有史以来「辺境人」に甘んじていた日本人の意識に静かな、しかし確実な変化が生まれ始めたのではないか。いわゆる文化的な影響力は、経済や「金」による影響力とちがって、日本人により深いレベルでの自信を与える結果になったと思う。
3)マンガ・アニメに代表される日本のポップカルチャーが、近年広範に世界に広がり、世界の若者たちに影響を与えるようになった。その影響力が、日本人の想像する以上のものであることは、櫻井孝昌氏の以下のレポートからも知ることができる。
☆『日本はアニメで再興する』(1)
☆『日本はアニメで再興する』(2)
☆アニメ文化外交 (ちくま新書):YouTubeでのJapan熱を裏付ける本(1)
☆アニメ文化外交 (ちくま新書):YouTubeでのJapan熱を裏付ける本(2)
☆「カワイイ」文化について
☆世界カワイイ革命 (1)
☆世界カワイイ革命(2)
☆マンガ・アニメの発信力:「かわいい」文化の威力
これらのレポートの中で私がいちばん強く印象に残っているのは次のようなものである。櫻井氏が、海外に出るたびに現地のメディアからされる質問は、「若者たちの考え方や生き方に、アニメやマンガがものすごい影響を与えていることを日本人は知っているのですか?」というものだ。
このような質問を受けたのは一度や二度ではなかったようだ。ということは、アニメ・マンガが世界の若者の生き方に与える影響がかなり普遍的なものになっているということだ。そしてその事実を知らないのは日本人だけということに、世界の人々がうすうす気づいているから、こういう質問が何度も出るのだろう。
逆の言えば、若者の考え方や生き方に大きな影響を与えるだけの内容や魅力や力があるからこそ、これだけ世界の若者に受け入れられているということだ。
このような影響力は、まだ日本人は充分自覚していないが、それでも若い世代は、インターネットなどを通してかなり知るようになった。「辺境人」的な劣等感から解放され、等身大の自信をいちはやく持つようになったのが若い世代に多いのは、そのようなことが一因かもしれない。
《櫻井孝昌氏の関連著作》
◆アニメ文化外交 (ちくま新書)
◆世界カワイイ革命 (PHP新書)
◆日本はアニメで再興する クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった (アスキー新書 146)
◆ガラパゴス化のススメ
高度成長期からバブル期に至るまでの日本経済の発展と膨張は、確かに日本人に自信をつけさせたかもしれないが、まだそれ以前のj時代の劣等感の裏返しという側面が強く、どこか「成り上がり者」という意識があって、等身大の自分たちに確たる自信を持つということではなかった。しかし、新幹線に代表されるような日本の高度技術が、人間の生活や社会のあり方の変革を伴う形で真似られ輸出さされるようになると、有史以来「辺境人」に甘んじていた日本人の意識に静かな、しかし確実な変化が生まれ始めたのではないか。いわゆる文化的な影響力は、経済や「金」による影響力とちがって、日本人により深いレベルでの自信を与える結果になったと思う。
3)マンガ・アニメに代表される日本のポップカルチャーが、近年広範に世界に広がり、世界の若者たちに影響を与えるようになった。その影響力が、日本人の想像する以上のものであることは、櫻井孝昌氏の以下のレポートからも知ることができる。
☆『日本はアニメで再興する』(1)
☆『日本はアニメで再興する』(2)
☆アニメ文化外交 (ちくま新書):YouTubeでのJapan熱を裏付ける本(1)
☆アニメ文化外交 (ちくま新書):YouTubeでのJapan熱を裏付ける本(2)
☆「カワイイ」文化について
☆世界カワイイ革命 (1)
☆世界カワイイ革命(2)
☆マンガ・アニメの発信力:「かわいい」文化の威力
これらのレポートの中で私がいちばん強く印象に残っているのは次のようなものである。櫻井氏が、海外に出るたびに現地のメディアからされる質問は、「若者たちの考え方や生き方に、アニメやマンガがものすごい影響を与えていることを日本人は知っているのですか?」というものだ。
このような質問を受けたのは一度や二度ではなかったようだ。ということは、アニメ・マンガが世界の若者の生き方に与える影響がかなり普遍的なものになっているということだ。そしてその事実を知らないのは日本人だけということに、世界の人々がうすうす気づいているから、こういう質問が何度も出るのだろう。
逆の言えば、若者の考え方や生き方に大きな影響を与えるだけの内容や魅力や力があるからこそ、これだけ世界の若者に受け入れられているということだ。
このような影響力は、まだ日本人は充分自覚していないが、それでも若い世代は、インターネットなどを通してかなり知るようになった。「辺境人」的な劣等感から解放され、等身大の自信をいちはやく持つようになったのが若い世代に多いのは、そのようなことが一因かもしれない。
《櫻井孝昌氏の関連著作》
◆アニメ文化外交 (ちくま新書)
◆世界カワイイ革命 (PHP新書)
◆日本はアニメで再興する クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった (アスキー新書 146)
◆ガラパゴス化のススメ
西欧人が西洋文明の行き詰まりを感じたとき、彼らが比較できる文明の第一が日本文明です。そこで、理想化した実際には存在しない日本に憧れてしまうのでしょう。
彼らはより日本的な考え方や生活様式を好みます。日本の若者はこのような「日本かぶれ」をインターネット上で知り、優越感を育てているおそれはないでしょうか?
「アニメ好きの西洋人が純日本的なものを好むので、僕は日本の伝統文化がすごいとおもいます」だったら情けない限りです。相変わらずの辺境人ということになりますね。
これまでの流れを無視して書いてみました。ただの思考実験です。
そういう事考える人ってネットユーザーの中にどんだけいるのかね?
それはそれ、これはこれって分けて考えてそうなもんだけど。
逆に「あちゃー・・・海外のお前ら乙w」とか思ってたりとかね。
少なくとも単純に「日本文化スゲー!」みたいに考える人って若者より昔の人ほど多いんじゃないかねえ!?
鋭く興味深い指摘です。たしかにそういう面も多いとおもいます。インターネット上の海外反応系のブログなどが溢れていてかなりアクセス数がある理由の一つは、それらを読むことが心地よいし、優越感を感じられるからだと思います。優越感を感じたいのは、心のどこかに隠している劣等感を癒したいからです。その心理は私の中にも強くあるのでよくわかるのです。しかし、年配の世代と比較すると、劣等感や優越感から解放された若者が徐々に多くなっていると感じるのです。
「海外の人が~だから、~はすごいと思います」
でもこれって、ポップカルチャーだけではないですよね。
日本独自のものは当たり前、むしろさげすんでいて、海外で人気が出ると同じもようなものでも「すごい」ととびついたり。
それが日本のものをヒントに作られているものだったりしても。
でも他国との比較で、自分を知るというのは正しいと思います。
わたしたちが当たり前と思っているものは、実はほかの国には無いとか、外を見ないとわかりませんものね。