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今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

アニメ文化外交 (ちくま新書):YouTubeでのJapan熱を裏付ける本(2)

2009年05月17日 | マンガ
◆『アニメ文化外交 (ちくま新書)

YouTubeにも世界中から日本への熱い思いが寄せられるが、そういうJapan熱を生み出したいちばん大きな理由は、やはりアニメやマンガなのだ。この本を読んでいると、その当然といえば当然と思われる事実をあらためて再認識させられる。

「アニメバブル崩壊 DVD不振、新番組も減」というようなニュースも流れているが、この本の著者が実際に各地をまわって講演などして得た実感からすると、各国でのアニメ人気は、おとろえるどころかますます熱くなっているように思う。著者もいうように「ここ数年、アニメのDVD海外市場は縮小傾向にあるが、その最大の原因が違法ダウンロードにあること」は、ほぼ確実だろう。人気そのものの衰えではないのだ。

ちなみに本の中に出てくる講演を拾って見る。

2007年12月 チェコ(80名)
2008年3月 サウジアラビア
2008年9月 ミャンマー(450名)
2008年9月 ベトナム(700名)
2008年10月 スペイン(350名)
2008年12月 イタリア(120名)

他にドイツ、カンボジア、ラオスなど2008年中の講演であり、ごく最近のナマの現地報告であることが分かる。読んでいただければ分かるが、講演会での質疑応答やその後の交流など、ともあれその熱気が驚くほどなのだ。違法ダウンロードの問題は深刻だが、反面、インターネットによってかつてないスピードと規模で日本のアニメファンが増大しているのも確かなようだ。しかもその多くは、アニメを通して日本文化のファン、日本のファンになっていく。「日本人が知らないJpan熱」が世界に広がりつつあるのだ。

本のタイトルは『アニメ文化外交』だが、それはこのような日本熱をまず充分に認識して、それを有効な外交手段として活用することは、大きな可能性を秘めている、ということだろう。様々なアンケートでも日本とその文化が世界から好意的に受け止められていることがわかる。その背後にアニメの絶大な影響がある。日本のアニメは「平和をテーマにするものが多い」と理解されているようだ。このソフトパワーを平和な外交手段として大いに活用していくべきなのは確かなことだろう。
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