クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

アニメ文化外交 (ちくま新書):YouTubeでのJapan熱を裏付ける本(1)

2009年05月12日 | マンガ
◆『アニメ文化外交 (ちくま新書)

前回、YouTubeへのコメントから読み取れる、日本への熱い憧れについて書いた。今回取り上げる本は、私がYouTubeから受け取るのと同じようなたいへんなJapan熱が、やはり世界中に湧き起っているのだということを、アニメの観点から、しかも最新の情報で教えてくれる。5月10日に出版されたばかりの本だ。

著者は櫻井孝昌。コンテンツメディアプロデューサーという肩書きで、日本のアニメやファッションが世界の中でどのような位置を占め、外交上どのような意義があるかを研究しているという。また、世界中で「アニメ文化外交」講演を行っていおり、本書は各国で行った講演を通して、世界に日本のアニメがどのように受け入れられているかを、じかに肌で感じ取った最新のレポートになっている。

レポートは、ミャンマーやサウジアラビアといった日本のアニメが一見浸透しにくいと思われる国での講演の様子から始まる。両国とも予想を超える聴衆が集まり、会場は熱気に包まれる。どちらもインターネットの動画サイトなどで日本のアニメがかなり浸透しているようだ。

スペインでも日本アニメの人気は驚くばかりだ。フランス・パリの「ジャパン・エキスポ」(2008年13万人以上来場)については、日本でもある程度知られるようになった。しかしスペインでも、バルセロナの「サロン・デル・マンガ」(6万人規模)、マドリッドの「エキスポマンガ」(2万人規模」、アンダルシア地方の「サロン・デル・マンガ・デ・ヘレス」(2万人規模)と主要なものだけで三つの大規模イベントが開催されいることは、日本でもほとんど報道されていないし、私も知らなかった。

日本のポップカルチャーを好きとか嫌いとか言う以前に「僕たちは日本アニメで育っているんですよ」という人々が急増しているという現実。しかも2000年代になってからは、人気のあるアニメはインターネットで瞬時に世界中に広がるという現実。それは一方で、違法ダウンロードによる売り上げの縮小という危機を日本のアニメ業界にもたらしているが、前回のYouTubeへのコメントからも読み取れるようなJapan熱をも急速に世界に広げているのだ。

著者は、世界を講演して回ってその信じられないような熱気をじかに感じており、それが各国を回っての講演レポートの随所に描かれている。このアニメ人気をを何とかして平和的な外交の手段として生かしていきたいというのが著者の願いのようで、私も著者の願いと実践に共感する。
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