ドイツでは、バイエルン地方を起点にして、
ロマンティック街道の街ローテンブルクに宿泊したりしながら、
ベルリンのさらに先にある港町を目指して北上する。
途中、デッサウの街中を通る。
デッサウは、デザイン関係の人たちには
バウハウスがあることで知られる町。
そして航空機ファンには
かつて、世界最大の航空機会社ユンカース社があったことで知られる町。
偶然その旅に持ってきていた本の一冊は、
柳田邦男氏著の『零式戦闘機』。
零戦の主任設計士だった堀越二郎氏を
主人公的ポジションに置いて、
当時は技術後進国だった日本の若い航空技術者たちが、
資金不足、材料不足というハンディを乗り越えながら
零戦を開発していった過程を克明に記録した
ノンフィクション。
その本によれば、三菱航空機に入社して2年目の堀越氏は、
ここデッサウにアパートを借りてユンカース社の技術を学ぶ。
昭和4年、いまから80年以上も前のことだ。
ユンカース社は第一次世界大戦のときにすでに
ジュラルミン製の翼を持つ飛行機を開発していた。
ただし、その金属翼の外板は、
強度を持たせるためにトタン板のように波打っていたと
その本にある。
デッサウのユンカース工場の跡地にある建物の中で、
実際にその「トタン板のような」外板の翼を見ることになった。
そしてその古い飛行機に付いているエンジンには、
バイエルン発動機製作所の、ブルーと白と黒の、
ドイツが誇る高級車の、あのマーク。
BMWはこんなに前からエンジンを作っていたわけなんだ。
堀越氏は、ユンカースから学んだことも生かして
設計制作チームの仲間と共に、日本独自の発想と技術で、
日本オリジナルの零戦を作り上げる。
ニュージーランドのオークランドにある博物館には
その零戦の一機が展示されている。
この旅の前に滞在していたニュージーランドで、
たまたまその零戦の写真を撮った。
それまで先進国の技術に依存していた日本の航空界は
戦争へと舵を切りつつあった時代の流れの中で、
独力での技術開発の道を選ばざるを得なくなった。
その流れの中で、
堀越氏とそのチームは、独自のアイディアを創出し
この飛行機のこの形と性能へと昇華させたのだった。
戦争は多くの人たちを不幸に陥れる。
とても悲惨なものであり、
決して繰り返してはいけないこと。
このことは、どんなときでもまず念頭に置いている。
戦争。戦争のない平和な世界。
技術競争。企業間協力。
その国独自の技術。その国独自の文化。
自分の国に誇りを持つこと。それを次世代に伝えること。
いろんな言葉や観念が、小さな頭の中をぐるぐる回る。
そう簡単には結論など出そうにないことだけど、考え続ける。
だって、考えなければ、前に進みません。
進み足りない頭を乗せて、
クルマはアウトバーンをどんどん進み、
ドイツ国内をさらに北上していく。
ベルリンの手前の、ポツダムが近づいてきた。
ロマンティック街道の街ローテンブルクに宿泊したりしながら、
ベルリンのさらに先にある港町を目指して北上する。
途中、デッサウの街中を通る。
デッサウは、デザイン関係の人たちには
バウハウスがあることで知られる町。
そして航空機ファンには
かつて、世界最大の航空機会社ユンカース社があったことで知られる町。
偶然その旅に持ってきていた本の一冊は、
柳田邦男氏著の『零式戦闘機』。
零戦の主任設計士だった堀越二郎氏を
主人公的ポジションに置いて、
当時は技術後進国だった日本の若い航空技術者たちが、
資金不足、材料不足というハンディを乗り越えながら
零戦を開発していった過程を克明に記録した
ノンフィクション。
その本によれば、三菱航空機に入社して2年目の堀越氏は、
ここデッサウにアパートを借りてユンカース社の技術を学ぶ。
昭和4年、いまから80年以上も前のことだ。
ユンカース社は第一次世界大戦のときにすでに
ジュラルミン製の翼を持つ飛行機を開発していた。
ただし、その金属翼の外板は、
強度を持たせるためにトタン板のように波打っていたと
その本にある。
デッサウのユンカース工場の跡地にある建物の中で、
実際にその「トタン板のような」外板の翼を見ることになった。
そしてその古い飛行機に付いているエンジンには、
バイエルン発動機製作所の、ブルーと白と黒の、
ドイツが誇る高級車の、あのマーク。
BMWはこんなに前からエンジンを作っていたわけなんだ。
堀越氏は、ユンカースから学んだことも生かして
設計制作チームの仲間と共に、日本独自の発想と技術で、
日本オリジナルの零戦を作り上げる。
ニュージーランドのオークランドにある博物館には
その零戦の一機が展示されている。
この旅の前に滞在していたニュージーランドで、
たまたまその零戦の写真を撮った。
それまで先進国の技術に依存していた日本の航空界は
戦争へと舵を切りつつあった時代の流れの中で、
独力での技術開発の道を選ばざるを得なくなった。
その流れの中で、
堀越氏とそのチームは、独自のアイディアを創出し
この飛行機のこの形と性能へと昇華させたのだった。
戦争は多くの人たちを不幸に陥れる。
とても悲惨なものであり、
決して繰り返してはいけないこと。
このことは、どんなときでもまず念頭に置いている。
戦争。戦争のない平和な世界。
技術競争。企業間協力。
その国独自の技術。その国独自の文化。
自分の国に誇りを持つこと。それを次世代に伝えること。
いろんな言葉や観念が、小さな頭の中をぐるぐる回る。
そう簡単には結論など出そうにないことだけど、考え続ける。
だって、考えなければ、前に進みません。
進み足りない頭を乗せて、
クルマはアウトバーンをどんどん進み、
ドイツ国内をさらに北上していく。
ベルリンの手前の、ポツダムが近づいてきた。