9月4日 空

2010年09月04日 | 風の旅人日乗
暑い暑い東京で仕事を済ませた早い夕方。

葉山に帰る横須賀線のボックス席の窓側のシートから、ふと空を見上げたら、鰤のカマの部分の鱗を思わせる、細かい模様のみごとな鱗雲が、深い青の空に広がっている。

その雲のすぐ南には、刷毛で掃いたような、ラテン語でシーラス、日本語で巻雲が、きれいな模様を描いている。
あそこには、強いジェット気流が吹いているというサインだな。

ラテン語のシーラスは、英語ではカーリー・ヘア。つまり「巻き髪」。
その意味をそのまま翻訳すれば、確かに「巻雲」でいいのだけれど、ぼくが勉強していたころの気象の教科書には、絹の雲、「絹雲」と表記されていた。
日本人の情緒的には、そっちほうが、手触り感というか、この雲の感じが出ているように思う。

地表はまだまだ暑いけど、数千メートルの上空は、すでにキッパリと秋です、と言っている。

逗子から乗ったバスを降りて、森戸川に掛かる橋を渡りながらフト西のほうを見たら、見事な秋の夕焼け空に、富士山のシルエットが…。



急いで家に戻り、子どもたちを連れて森戸の浜に出たら、浜も、もう、海の家がほとんど姿を消して、秋の景色。
トワエモアが、頭の中で「今は、もう秋~」と歌い始める。




さあ、今年もいよいよ秋のヨットレースシーズンが始まる。
今年の秋はどんな風でのセーリングになるのかな。