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長崎の鐘

2009-08-07 09:28:37 | 日記・エッセイ・コラム

 ”こよなく晴れた青空を悲しと思うせつなさよ・・・。”この歌は長崎大学医学部の教授をしていた永井 隆博士が自伝書「長崎の鐘」に記された詩をサトーハチロウが作詞し、古関裕而が作曲し、藤山一郎が被爆した博士の切ない思いを心いっぱいに込めて歌い上げ、何度聴いても目頭が熱くなってしまいます。

 8月は日本にとって決して単なる月ではなく、歴史的な月であることは誰もがよく知っていることです。昨日広島被爆追悼会に出席した首相はすべての被爆者に援護の手が届くように法制化すると明言しました。敗戦後64年になり、平均寿命も75.92才となり、24万人もの被爆犠牲者を出しているのです。被爆者は今も窮屈な思いで発病に恐れおののきながら日々を暮らしているのです。戦争は終わっていないのです。

 20数回にわたり国を訴え、勝訴しているにもかかわらず、さまざまな理由を盾に政府は援護を無視してきました。そして選挙を前にしてまるで点数稼ぎのように救済を受け入れたのです。なぜ日本政府はそんなに頑なになるのでしょうか。名も亡き人の犠牲は何をもってしても返すことはできません。たった爆心地から3キロ離れているというだけで該当者からはずしているのです。風も吹き、猛烈な雨も降り、逃げ苦しんだ人々の思いは政府や研究者たちの心に届かないのでしょうか。

 死の灰は既に投下されたときから指摘されていたといいます。科学者もなぜもっと強く働きかけないのか、専門家ではないのか、と強い怒りを感じます。戦争という人類の最悪の行為を二度と起こさせないために、戦争を誘発させるような言動は日本だからこそ堂々とした先導役をとるべきではないかと、改めて思います。

 永井博士は自伝の中でこう書き残しています。「人類よ、戦争を計画してくれるな。原子爆弾というものがあるが故に、戦争は人類の自殺行為にしかならないのだ」と。

やさしいタイガー


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