ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

善意は届くのか

2011-04-30 09:14:21 | 日記・エッセイ・コラム

 過去最高といわれる義援金は1300億円にものぼり、さらに増加することを見込んでいるとの報道がありました。そしてとりあえず一時金として被災地に分配されたようです。しかし、大部分は他の仕事に忙殺され、方法や作業が進んでいないという状況です。さらに散った住民をどうするかなど、分配金を巡ってはいつもすっきりしないと思うのです。精密な分配計画ができておらず、被災地町村は戸惑いすらあるようです。

 毎回のようにこうした現象はあり、分配委員会はどうも国が握っているためか、することなすこと善意が早くとどけられないのは、情けないことだ。今回ほど多数の善意を届けた時代は過去にも例がないほどです。それでも被災者は毎日疲労と貧困に悩まされているのです。

 喪失感は被うべくもありません。多くの捧げた人は、きちんと求めている人に正しく届けられるようにと、こころと祈りを込めて捧げたのです。国民全体で支援しなければと、過去になかった日本人としての痛みを分かあう空気が広がっています。友人は、せめて日常的に節約するために、自動車通勤をやめて徒歩で職場に行く決心をしたと伝えてくれました。

 小さくても、ささやかでも多くの人たちは自分のできることはないかと模索した日々を送っているように思えます。こうした現実を知るたびごとに、災害の義援金の分配を巡って受け止める組織は充分心得ているはずなのに、どうして毎回もたつくのか、疑念と不思議さをいつも感じています。

 今回こそ、捧げた方も届けたほうも、受け取る人たちも、こころからよかったね、と思える関係でありたいものだとつくづく思います。一日も早く届けてくださいますように。

やさしいタイガー


物腰のソフトの女性

2011-04-29 19:07:59 | 日記・エッセイ・コラム

 数日前、市電に乗るべく電停で待ったいたら、一人のシニアの女性が先にまっていました。しばらくして次のシニアに近い女性がやってきました。電車はちょうどぼくの立っているまん前に入り口が来るように止りました。先にまっていた女性は当然のごとくぼくの前に出て乗り込みました。

 後から来た女性は当然ぼくが先に乗ると思ったのでしょう。まっていましたので、ぼくは手で合図をして『おさきにどうぞ』というように促しました。一瞬驚いたような表情の女性は、軽く会釈をして乗り込み、その後でぼくが乗りました。ここまでは特段話題になるような話しではないのです。

 市電は比較的すいていましたが、ちょうど後に乗った女性の少しはなれたところに座りました。そのとき、その女性は軽く頭を下げられたので、今度はぼくがびっくりしてあわてて返礼をしました。

 5,6の駅を走ったでしょうか。その女性は下車したのですが、お先にとでも言うように後車しぼくはまだ2つ3つ先まで乗っていました。降りた女性は信号の変わるのを待っていました。電車が動き始めた時、外から車内のぼくを見つけ、また会釈を受けました。

 ぼくはすっかり恐縮してしまいました。お先にどうぞ、といっただけでこんなに何度も軽くお礼の態度を受けたのは今までありませんでした。いまどき我先に乗ろうとするモラルの低下の中で、穏やかな女性の姿を見るのは久しぶりです。

 人間はいつもちょっとしたことで、その人物の内側が見えるような気がします。物腰のソフトな女性はやっぱり素敵ですね。

やさしいタイガー


暗い顔と悲しみを越えた顔

2011-04-26 10:34:05 | 日記・エッセイ・コラム

 スーちゃんが亡くなり、大勢のファンの悲しみを誘いました。若い時期に一緒に楽しんだキャンディーズファンの若者も今では老いの入り口に近づいているだけに、寂しさは一しおです。葬儀の中で、生前息も絶え絶えに多くの人びとに語りかけた録音されたメッセージは、惜別の情を深くしました。東日本の人びとに何もできない苦汁をこころが張り裂けんばかり、と話し、天国から応援したいと気遣う立派な最後の挨拶でした。

 もはや死を受け入れ、わずかな命の灯を輝かそうと懸命に闘うスーちゃんの生命観に深い感動を与えました。苦悩の表情だったでしょうが、にこやかな笑顔は多くのファンの悲しみを越えて爽やかに送る事が出来たのではないでしょうか。

 それに比べ、災害の対応に追われる菅首相の表情は、暗く発する言葉からは生気がなく、もはや人びとを元気付けるメッセージさえ出せないほどの迫力のある顔つきではありません。宿命と思って最後まで責任を負うという言い回しは、その通りだと思いますが、被災者の耳には届いていないようです。若いミュージシャンの激励のコンサートに涙し、励まされたと話す避難生活をするシニアの人びと、咲き誇る桜を見て力づけらているのです。優しさを持ちながらじっと耐えるかたがたの力になるには誠実さと献身さがなければ、何の力にもなりません。

 人はちょっとしたことで喜怒の表情が出ます。それは感情表現ですから致し方ないにしても政界の人たちは、いずれも政争を好んでしている口先政治だと国民は見ているのです。だからみんな表情にきりっとした希望を与えるような鋭さと明るさがないのです。なんだかダーティな集団に見えてしまいます。

 ここは日本のために、苦闘している人たちのために、皆が大喝采するような明るい気持ちで堂々と未来の道筋を話して欲しいのです。惜しまれて別れる悲しさを越えて見送ったファンは永遠にこころの中でスーちゃんを思い出し、元気付く人もいるでしょう。

 政界も萎縮しないで内部喧嘩もやめて未来の見える働きをしてください。苦虫を噛みつぶした暗い表情はもうやめて。気分も一新して。それが菅さん、あなたのやり直しの課題です。

やさしいタイガー


人の品格

2011-04-25 10:11:15 | 日記・エッセイ・コラム

 一時「まるまるの品格」という本が店頭に並び、興味深く覗いたものでした。その中で「名将の品格」という本を図書館で見つけ、借りて読み終わったところに、僕の友人が昨日地方選挙で町会議員に当選したとの連絡をいただき、お祝いをお伝えしたところでした。

 著者は2009年の大河ドラマ「天地人」の原作者ですが、上杉謙信の遺訓や思想を忠実に守り、主張することは勇気を持って申し立て、出来るだけ戦をせず、民衆が平和に暮らせるようにと常に言い続け、愛の精神を伝えようとした将軍で、史上これほどの名将軍はいないと書かれていました。47歳で亡くなった謙信の跡を継いだのが直江兼継で、この兼継こそ、名参謀であり、見事に謙信の心を受け継いだ人物です。

 現実に戻って町議会議員に当選した方は地元に生まれ、育ち、地元に半生を注がれた人で、5期20年も尽くしてこられた方です。なぜ長く議員を勤められたかを想像すると、ご自分が何をしたという自慢話ではなく、誠実に町民と接してこられ、常に民意をつかむことに精進された品格の賜物ではと思うのです。

 人の心はいつも純粋ばかりでは世の中を渡ることは難しいかもしれませんが、将軍や側近が何を求め、目指しているのかを理解されたら、民衆は必ず信頼をおくもの、というのは昔も今も変わりはないように思います。そのベースには民衆と一緒に歩み、徹底的に民衆の立場を受容する優しさや信頼されるリーダーシップあってのことです。

 500年ほど前の名将の本を読みながら、6期目を迎えた友人はきっとさらによき働きをされ、一層豊かな人間性を磨いていかれることだろうと改めて人の品格を考える時間をもらったような気になりました。

やさしいタイガー 


差し入れ

2011-04-23 10:45:02 | 日記・エッセイ・コラム

 なんだか嬉しいような申し訳ないような差し入れが、水彩画の仲間から毎回のようにあるのです。昨日の例会では、桜餅とクッキーでした。もちろん絵を描くことが目的ですが、それを終えるとティータイムの時間を持ちます。リラックスしてプレゼントをいただきつつ、世間話をするのです。その気遣いには本当に感謝しています。

 もちろん、各自が描いた絵は、前に並べて皆で観賞し、何か一言つけ加えることになっていて、「お褒め」があったり、「励まし」があったりと、とても賑やかです。ご自分でうまくいかなかったところなどを悔しそうに自己評価する方もいます。習い事は続けることに上達の秘訣ありといわれますが、本当にそうだと思います。

 ぼくも一メンバーとして描いていますので、周囲から遠慮のない声が飛んできます。ちょっぴり負けるものかとファイトが湧いてくるのですが、全体に漂う空気は、優しさや励ましに包まれていることに、とても爽やかな会だなあとしみじみ思い、いつも感謝と楽しさを味わって分かれるのです。

 一区切りしたところで、差し入れをいただきながら、いわゆる世間話に移るのですが、単なる雑談ではなく、けっこう情報を持っている方もいて大いに知識を増やすことに役立っています。今回も世界から受けている日本人の避難生活の方々の礼節を重んじていることへの賛辞と、それに引き換え、政治の力がこんなに弱いものか、と改めて日本の恥部のような部分も話しに広がっていきました。

 こうしてみんなで話し合うことが、どんなに心を通わせることが出来るか、いつも大切な体験をしています。「人と出会うことは誰でも出来る。しかし出会うことで何をえるか」。それがなければ出会う意味がないとの感想を持ちました。

やさしいタイガー