ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

アメイジング・グレイス

2007-07-29 18:52:48 | ブログ

 今日は参議院選挙の投票日だ。午後投票所に行った。保革逆転なるか、それとも保守は死守できるのか、この数日は国民も強い関心を持つだろう。もはやこれだけ汚れた議員の多い中、何の期待もなく投票せざるを得ない空しさを少しは議員たちも真剣に襟を正して知るべきだ、と多くの国民は思っているだろう。

 今、聴いているCDはいろんなミュージシャンが「アメイジング・グレイス」だけを歌っているのだ。「至上の愛」と訳されているが、原曲も素晴らしいが、訳文も素晴らしい。ジーンときて涙さえ滲んでくる。その中の一文にこう作詞されている。 「世界が もはや滅亡し果てたとしても  また太陽が  輝きを失ったとしても  地上で  私を招きたもうた主は永遠に  私のものです」とあると。

 現実とこの歌との余りにも大きな落差は悲しくもあり、また罪深さを感じる。社会が大きく揺れ、打算と私益と自己保存を中心に考えがちな一部の政治や企業の指導者たちも、一度己の心にある喧騒な思いを捨て、静かに祈る思いですべてを見直してもよいのではないかと思う。 歌は愛と希望を伝えている。きっと見えざる力が働き、新しい道を見出せるかもしれない。アメイジング・グレイスは心ある人に静かにゆっくりと浸み込んでいく。だから希望を捨てるのはやめよう。だから失望の中にある人々に希望を与えてほしい。

やさしいタイガー

 


食事でもしませんか!

2007-07-29 16:40:39 | ブログ

 彼はいつも授業のとき、誰とも話さず、静かな表情でぼくのほうに顔向けて受けている。口数の少ない寡黙なタイプの学生だ。その彼が指示した課題のリポートを数枚にまとめて持ってきた。なかなかの出来映えだった。前期が終わって、やや緊張感が解けているとき、彼からメールが来た。そしてぼくのホームページやブログ、絵画などをみたらしく、ぼくの意外な面を見たとばかりに、感想を書いてきてくれた。そして最後のところでぼくのもよかったら覗いてみてください、と付け加えられていた。

 早速開いてみた。これには驚いてしまった。実に見事なレイアウト、内容、意見、非常の幅の広い分野に関心を持っていることがわかった。とても太刀打ちできない、さすが若者の柔軟な発想に脱帽した。普段何も語らない沈思な彼が「ぼくのところと近くですね」と住まいが近いことを書き、今度「食事でもしませんか」と誘ってくれた。

 こうした若者が何倍も年の開きのある年齢の人間に話したいと思ってくれるだけで感謝すると共に、彼はぼくと向き合ってどのような未来を語ってくれるのか、楽しみでもある。多弁なタイプではない彼の豊かな発想と深い志向をもつ人間性が少しずつ浮かび上がってくるような気がする。また学びの場となりそうだ。

やさしいタイガー            


水墨画を観て

2007-07-26 08:40:58 | ブログ

 久しぶりに友人が電話をしてきて、遠慮がちに「もし時間があったら私の作品観て」との声を聞く。「それが明日までなの」という。なんという無茶な連絡。それでもぼくはいつも日曜日のようなものだから、「じゃ、拝見するよ」といって予定通り、翌日の日曜日、自転車で走る。市民ギャラリーは、いろんな美術のお稽古の成果があちらこちらで展示してあって、これがまたなかなかの腕前だ。

 肝心の友人の水墨画は、二鳥のふくろうが木の穴からつぶらな瞳を向けている様子が描かれていた。しかも所属する会の伝統のある賞がついている。たいした実力者なんだ。他の作品は扇子にかかれたものや屏風に描かれたものなど作風もそれぞれ個性的で見ごたえがあった。友人の作品をとりわけ時間をかけて鑑賞した。

 いろんな人が趣味を楽しみ、その時間が一番充実していると思っている人も多いことだろう。ダンスやカラオケ、盆栽やガーデニングなど、何かに夢中になって時を忘れるくらいに過ごすことは大切な「生きがい」にも通じる。それを生涯続けることは、自己実現という確かな自分を創る日々の中で大切な営みだと思う。

やさしいタイガー


夏は花火

2007-07-26 08:08:20 | ブログ

 毎年この時期になると、近くの豊平川の河畔で大きな爆音と共に花火が夜空を焦がす。何しろ近いものだから、家の前の道路に出ると高く上がる花火を見ることができる。2、3年前だったか、現場近くの橋の袂で見たことがあるが、ずしんと腹に響く豪快なものだ。河畔の芝生は人でうずまっていて、多くの浴衣姿も見られた。先日友人が北海道神宮で開かれた「薪能」をみました、というメールをもらった。さぞ幽玄の世界に誘われたことだろう。

 北海道の夏は短い。子どもたちは昨日から夏休みに入り、8月の中旬にはもう2学期が始まる。つかの間の休みに急いで何もかも「夏」という味わいをくるんでしまう。ここに住むものは、この時期だけは急いで刻が走る。走り去った後、やれやれ、もう冬が近くなってくるんだなあと、いささか気持ちがうつむき加減になる。そんなことを繰り返しながら、それでもいつも変らないのは、どんなに暑くても吹く風は爽やかだ。心地よい。

 今日もどこかの新聞社が花火を予定している。淡いブルーに彩られた空に夜の帳が下りるころ、ドーンとはじまるのだろう。今朝の雲は少し高くなったような気がする。これから友人とスケッチ旅行をする計画だ。帰りは花火見学の人で街はにぎわうことだろう。何でもいい。元気でいることは素晴らしいことだ。

 やさしいタイガー


危ねえじゃねえか!

2007-07-20 08:08:29 | ブログ

 「危ねえじゃねえか!」と自転車に乗った女性がすれ違いざま、いきなりぼくに声をかけて通り過ぎていった。黒縁のめがねをかけてベレー帽をかぶった未だ少女の域を出ない女性だった。確かに狭い道だったからスピードを落としてはいたが、ぶつかるような状況ではなかった。まあ気を遣わせたことはぼくにも非があったのだろうと思うが、それにしても、女性の投げかけた言葉に、ぼくは全く仰天した。

 日本には男言葉と女言葉があるとはいえ、使ってどこが悪いんだ、とと思う人もいるだろうが、それにしても何だか急に品の落ちた人物像が浮かんできた。男だって、こんな言葉を使うものは決して品があるとは思えない。これではとても美しい日本を創れそうもないと思う。多分友人関係はもとより、家庭においてもそうではないかと想像する。

 言葉は使う人によって、美しくもなり、醜くもなる。それは知性の高低をいうのではなく、その人物の家族の空気と躾、生活態度、加えて交友の質も含まれての普段からの心がけという当たり前のことが出来るか否かの差をいうのだと思う。ちょっと不快な瞬間だった。

やさしいタイガー