ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

札幌ドームを野外美術に

2005-09-29 17:32:25 | ブログ
 まだ夏の名残をとどめながらも、吹く風はもう秋を感じさせる9月下旬、所要で札幌ドームを訪ねました。 地下鉄東豊線の終点「福住駅」から歩いて約5分、午後の陽光を受けた威容を誇るドームの屋根は銀色でまばゆいくらいに輝いていました。もうこんな時間なのに、試合を見に来た観衆がひっきりなしにドームに入っていきました。

 少し会う約束の時間に早かったこともあり、ドームの裏側に回ってみました。つまり駐車場やコンサドーレのサッカーコートのあるあたりです。こんもりした緑の小山があり、広大な空間は目を見晴らすものがありました。
 
 ふと掲示板を見ると、世界でも著名な彫刻家たちの作品が30点くらいだったでしょうか、いろんなところで美を競っていました、といいたいところですが、はて安田 侃さんの作品は? 国松明日香さんは、あのユニークな廃材を利用して素晴らしい版画も制作する一原有徳さんの作品はどこに? 今ぼくは近代美術館で解説ボランティアをさせていただいていますからこうした作家の半分は多少勉強して知っているのですが、それがどこにあるのか分かりませんでした。

 やはり、そうでした。作家の間からも不評の声があるらしいのです。ぼくはこの広々した空間に生い茂るほどの樹々を見かけませんでしたし、全体のレイアウトに不満を感じてしまいました。 発想が品疎だというと素人が何を言うか、としかられそうですが、せっかくファイターズが来て元気付く北海道ですから、ドームに来たら素晴らしい彫刻作品も鑑賞できるような野外美術場にしてほしいと思いながら、ドームを後にしました。                   やさしいタイガー


秋近し満月の夜に何思う

2005-09-19 08:44:14 | ブログ
 秋にしては、まだ残暑厳しい日中ですが、ちょうどぼくのベッドの窓から覗くと、満月が天高く輝いています。
 もう秋なんだ、と思いながら今年の中秋の名月といわれる9月18日の月をしばし眺めていました。 秋や月、すすきなどと聞くと少し特別に理由もないのに、どこか哀寂の感を与えるように思うのはぼくだけでしょうか。万葉の時代から 秋には様々な俳句が歌われ、名月を愛でていたようです。 

 萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また 藤袴 朝貌の花(はぎのはな おばな くずはな なでしこのはな おみなえし また ふじばかま あさがおのはな) これはご承知の秋の七草でこれ以上秋を代表する草はないといわれる名言ですが、山上 憶良はこんな風に日本人の花や自然を愛する心を表現していたのですね。

 一方現代では、もうおだんごをすすきの葉と一緒に飾ってロマンチックな幻想の世界にしたらなくなったのか、一つ一つ
の日本の美が消えかかっているように見えますね。 日本のよき伝統や文化の形成はこうした古人の自然との対話の中から生まれて来たようにも思います。 大事にしたい「昔」を愛でる詩情を本来日本人は持っていたはずなのですが。

名月や北国日和定めなき(めいげつやほっこくびよりさだめなき) 芭蕉                やさしいタイガー


愛についてのキンゼイ報告

2005-09-02 10:14:25 | ブログ
 もう何年も前、いつのころか忘れましたが、特に呼んだ記憶もなかった「愛についてのキンゼイ・レポート」という表現はなぜか頭に残っていたのでしょう。最近それが映画化されたので観てきました。キンゼイという動物学者が今から50年前に18,000人の人々を対象にセックスについてあらゆるr角度から面接または書面で調査した結果を発表するまでを描いた作品です。

 最近話題のかつてのアイドル歌手でいまはタレントは、「17,8歳のころはどこにいてもセックスのことばかり頭に描いていた」、と告白していましたが、この言葉はまんざらこのタレントが異常だったわけでもないでしょう。 ただそれが愛とどのような関係にあったのかは知りませんが、若いときには、そうした体験や妄想や連想、そして仮想相手などとの疑似体験を通して、なぞめいたセックスに思い悩むものだ、それが宗教や罪とも何の関係もないものだ、と今は思います。

 キンゼイが調査した50年前のセックスに関する内容は、まるで今では隔世の感がし、幼稚でまじめで、内への秘めごとだったのです。 しかし、人は、”そこが知りたい”と思うことを誰にも話せず、ひとり打ち明けられずに苦しみ続けることは当時から今もあまり変わっているとは思いませんでした。 近年女性に聞いたリポートによると、社内の人とのセックス経験は女性40.2%、不倫経験女性は全体で39.2%、特に40台では46.4%と発表されています。 統計をどう見るかは読者に委ねるとして、現代はどこか「愛」と「セックス」が切り離されていて、セックスが売り買いの対象になり、それが犯罪を誘発させ、社会を退廃化させていく誘引につながっているのではないでしょうか。 キンゼイは今をどう見ているでしょうか。
                                                    やさいい タイガー


夜のデートスポット

2005-09-01 09:39:58 | ブログ
 このところ日増しに秋の彩が増してきたように思います。今の時期、しばしば自転車で移動しているのですが、先日FM放送の番組を終えて夜10時ごろ、いつものように中島公園の中を突っ切って自転車を走らせていました。 すると少し前に中年の紺の背広を身に包んだ男性と、かなりの年の開きを感じさせる若いスタイルの素敵な女性とが手を握りながら足元をふらつかせるような不規則な靴の音を響かせて歩いていました。 そのうちに突然、女性のほうから男性に飛びつくようにキスをしました。

 ぼくはほんの5m先の出来事で急にハンドルに力が入りましたが、何食わぬ顔をして通り過ぎようとしました。男性は辺りをうかがうように見渡していましたが、もうぼくは横を通り過ぎてしまいました。そのうちに乱れた靴音が聞こえなくなりました。何が起こったのか・・・・・・・・。想像を振り切って運転を誤らないようにして公園を離れました。

 これも青春でしょうかね。それともちょっと後ろめたさを感じている時間でしょうかね。いくつかのベンチにはカップルが座っているのが街頭に照らされてシルエットのように見えました。 人を羨むことはなく、だれでも青春時代には二人だけの世界をつくり、幸せを味わってきたのですから。 これを機会に狙いを定めて・・・なんて悪趣味はありませんので、偶然の一齣でした。 急に風が熱く感じてしまいました。                       やさいいタイガー