ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

道徳教育に何を期待する

2018-04-02 10:05:04 | ブログ

 4月に入るといろんな新しい事が始まります。企業では入社式、学校では入学式など、                                   何となく気持ちが新しくしてくれる季節の始まりです。自分でも入学式の事は案外覚えていて、                                母につれられて照れながら恥ずかしさと大きな希望を抱いて校門をくぐったことが記憶にあります。                              勉強がいかに楽しいものか、勝手に想像して楽しんでいたものでした。

 やがて我が子が入学の番、小さい手をつないで学校に行ったことも忘れられません。これで後は                               学校で教えてもらって、となんとなくホッとする気持ちができ、親のぼくも新鮮でした。この子たちは                            どのような教育を受けるのか、大きな関心を寄せていましたが、何よりどのような先生か、まず                                  そこに大きな関心を寄せました。初めはみんないい先生なにみえるのです。

 先生に預けるというのは信頼しているということですから、親の願いと期待が含まれているのです。                            やがて先生方のご苦労がわかっていくのですが、中には困った先生もいる事も事実です。

 4月から小学校で導入される「道徳教育」の教科化を文科省が決め、早速現場で取り組みが                              はじまるのでしょう。どんな評価になってしめされるのでしょうか。道徳教育を協力に推し進めようと                           しているのは日本だけです。道徳という言葉は古くからあり、ぼくも学校で習ったことがあります。

 しかし、戦争を体験した者にとって「道徳」というのはどうも「押し付け人物像」を理想としていると                            しかえません。自由などない時代。軍部政治に逆らうことが出来ない世間。このような忌まわしい                              環境の中、10代の若者は学業を放棄して戦場に向かったのです。結局は人に仕える人間ではなく、                            国家のために命を捧げよ、殉職こそ本当の愛国者だと国家主義を強要した教育でした。

 政府が道徳を持ち出すときには社会が乱れている時です。それは決まって大人ことにに政治や                          経済の乱れ、旧国家体制に戻そうとする政権意図によって進められます。そしてその影響を最も                           受け安い強制力の効く教育分野に目がいくのです。今の子どもたちに、今この時代に教えるべき                               事は、自由とは何か、少数の人々の声を受け入れるにはどうするべきか。誰かの手をらないと                           生きていけない人々にどうすればよいか、教育を受けたくとも貧困などいろな理由で断念している                              人の貧困問題をどうするのか。この現実をしっかり教えることです。

 いうまでもなくこれは政府の責務の問題です。でもこのような日々の生活の中で緊急課題の                                 克服なくして、いくら教育で人間を改良しようと国のリーダーたちが教科書を作ってもまずは自分                                        自身が模範になれるような人物になる謙虚な姿勢がないかぎり、単なる押し付け物になっていく                              のではないでしょうか。今後の緊急教科書はモラルやウソを平気でいう大人のための道徳教育を                                子どもたちみんなで制作してはどうでしょうか。皮肉の一つもいいたくなります。

やさしいタイガー


思い出した「バカの壁」

2017-02-02 13:20:18 | ブログ

 久しぶりに「バカの壁」という本を思い出した。解剖学者の養老猛司さんが2003年に出された本で当時爆発的に売れたし、私も読んだ。                                                 学者らしく多少理解しえないところもあったが、興味深く読んだことを思い出す。要するに「人間同士が理解しあうというのは根本的には                                            不可能である。理解できない相手を、人は互いにバカだと思う」というのが本旨である。

 いま世界で一手に話題をさらっている人はアメリカの新大統領になったトランプさんだろう。世界のトップリーダーとして君臨してきた                                          自由な国の統領が、自ら向かい風を吹かせる台風の目のような存在になっていて、アメリカはいったいどこに行こうとしているのか、                                      注目している国や人は多いと思う。

 もともと選挙期間中から彼は毎日のようにツイッターで攻撃的な発言を発信し、驚がく的な政策を打ち出していた。メキシコとの国境に壁を作り、                                      その支払いはメキシコに払わせる。もし拒否するなら輸入品に高い関税をかける、や、反トランプに対してはおよそ不謹慎で抑圧的な態度を                                   示していて、まるで敵を増殖するかのような傲慢とも思える態度に見えた。 ほとんどの人は当選しないだろうとさえ思っていたようだった。

 だが就任するや否や問題になりそうな事案を次々と大統領令にサインしたことで、同盟国の指導者さえあわてさせたように思えた。                                            大統領令というのはどれほどの効力を持っているのか、知らなかったので一つ勉強にはなったが、実際に実行に移そうとした政策には                                        一見非常識とも思えるものもあった。移民の人々で成り立ったアメリカが今や移民の入国拒否し、ことにイスラム圏の7か国を指定した。

 彼は今、オバマ前大統領の政策をことごとく裏返しの取り組みをしているようだ。わが宰相も近々彼と会談するそうだが、                                                高いハードルがあるやに見える。安倍さんもアメリカ・ファーストを念頭に置いているし、歴史を踏まえた発想をしない人なので、共通していて                                  案外馬が合うかもしれない。

 それにしても排外主義と自国を回転軸として世界を服従させようとする「アメリカ・ファースト」は本当に成立するのか、やがてアメリカ国民も                                 疲れ果て、こんなトップはもう結構と排他的行動に出るのではないかとさえ危惧する。

 人間関係は言うに及ばず、国との関係においてもそうだと思うが、自ら心に壁を作るようだと、よい関係などできないことは子供でも知っている。                               もし養老先生の言う所詮人間は本質的に理解しあえないとすれば、ただ相手をさげすんだり、不利になると声高になったり、威嚇する態度などではなく                                 自らの心を冷静に謙虚に相手の懐に入って、なんとか理解し、一緒に考える姿勢が必要だ。

 トランプ氏の高い目線は当分続くだろうが、竦んだり、追従や忍従せず、堂々と渡り合うスケールの大きな姿勢で臨むことが重要では、と                   素人は考えるのである。

やさしいタイガー


ハイチの人々を想う

2010-01-20 10:23:45 | ブログ

 今月12日に発生したハイチの首都ポルトープランス南部を震源としたマグニチュード7の強い地震はニュースの報道さえも不確ですが、多くの人が亡くなり、家を失い、壊滅とも言われるほどの大惨事です。家族を失い、自らも生死を彷徨う多くの人々が不安な日々を送っていることに耐えがたい思いを深くします。

 僕は15年ほど前までYMCAで働きいてきました。今ではもう情報は入りませんが、幸いなことに東京や他のYMCAからメルマガや直接スタッフから僕たちOBスタッフに近況ニュースを送ってくれていてとても感謝しているのです。何しろ僕を導き、人間を創ってくれたところですから、終生YMCAを忘れる事ができません。その仲間のハイチにもYMCAがあって青少年の社会活動に力を注いでいるようです。今は懸命に復興に尽くしているとの事でした。

 責任者の総主事はこんなメッセージを発信しています。「人びとは人命救助に残された時間、食料・水・医療品などのライフラインへの不安、そして続く余震への恐怖と闘っています。ハイチYMCAのスタッフは一命を取り留めましたが、ボランティアやメンバーの安否はまだわかりません。私自身、残されたエネルギーをすべて使って、救援活動とこれからのハイチ再建のために力を尽くします。そのための支援を切に願います」。

 僕たちは切なる声に応えるには、まさに貧者の一灯のような募金で少しでも心を癒してもらう一助の働きしかできないのかと悲しみと憂いを持って見守っています。神のご加護を祈るのみです。

やさしいタイガー


2009-09-24 08:23:43 | ブログ

 目が覚めた途端に見ていた夢がうたかたのように消えてまったく思い出せない、ってことはありませんか。せっかく楽しい夢を見ていたのに、どうしても思い出せず、後日突然その場面が思い出され、昨日の夢か以前の夢かわからなくなることがあります。

 夢がいつまでも心に引っかかり、現実とまぜこぜになるとちょっと厄介ですね。そんなときもありました。でも最近の見る夢は、楽しいものばかりで許されるのなら続きを見たいと思うくらいです。現実の悩みが夢の中に出てきたり、見た夢が現実に現れてきたりして、ちょっと戸惑うこともありますが、総じてうなされるような夢を見ることはなくなりました。これはきっと普段の生活が以前に比べ落ち着いているからでしょうか。

 それにしても夢の中のぼくはいった何歳のときか判断をつきかねることが多いのです。どうも場面の中では老いぼれのぼくではなさそうなのですが、そんな謎めいたことを思い出しながら、毎夜毎夜夢を見ているのです。まるで獏のように。

やさしいタイガー


お彼岸と言う日

2009-09-23 08:00:52 | ブログ

 6年に一度しか回ってこない9月のゴールデンウィークも今日でおしまいですね。どこかにお出かけになりましたか。こういうタイミングのときにぼくは家の中でしけこんでいました。なんだかメモにはスケッチに行く予定でしたが、身辺の整理に終わってしまいそうです。

 ところで今日は秋分の日ですが、多くの日本人は「お彼岸の中日」と称して先祖の供養にお墓参りに行く人が多いのではありませんか。今日は珍しく1時間早く起きてしまいました。すると妻も早く起きてごそごそし始めています。墓参だといいます。

 今月の17日の晴れた日、長い間遠くのふるさとのお寺で眠っていた両親をこの北海道の地に移し、墓を立て入魂式をしたばかり。二人とも仏教徒ではありませんが、広大な霊園の一隅に多くの天上人に混じっての安住を思い、儀式とは言え感慨深いものがこみ上げてきます。多分心にはやっと両親が身近にいるように思っているのでしょう。

 まもなくおはぎを持って出かけます。一点の雲もない秋の快晴です。

やさしいタイガー