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日本一の寿司屋の精進

2013-02-10 10:59:29 | 日記・エッセイ・コラム

 東京銀座に有名なお寿司屋さん「久兵衛」があることを知りました。名前くらいは知っているよ、という方は多いのかもしれませんが、名の通ったお寿司屋さんであることには違いないでしょう。

  現在は、30代後半の3代目が取り仕切っているようですが、2代目も健在です。何しろ銀座だけでなく、ホテルやデパートなどにも進出しており、店長だけでも7~8人はいるようです。

  なにしろ初代店主の代から、山頭火など著名人が訪れ、首相だった佐藤栄作、クリントン元大統領、宮沢喜一などの要人がゲストを連れて舌鼓を打ったというほどの名の通った店です。

  カウンターの中には20人近い板前さんが毎夜寿司を握っています。清潔な店構えは、懐に余裕がないと、そう度々行けるところではないように思うのは、下種の考えなのかもしれません。

  これらの店は、毎朝築地に行っては、その日の魚介類を選別してくるのが店長の役目だそうだが、値段も交渉も品定めもあれこれ言わなくても、業者のほうが緊張して選んでとっておくそうです。それほどの厳しい目を持っているのでしょうね。

  そんな目が通のお客には見えていて、食するものも安心して楽しんでいるのでしょう。

  こうした表向きの苦労とは別に、見えないところでの日々の戦いはすさまじいものがあるようです。寿司屋さんには珍しく、出勤した社員たちは、出席カードを機械リーダーに入れるという近代性を生み出しているようですし、月一回の店長会議には、経営コンサルタントの指導で経営戦略を練っています。

  つまりここでは、お寿司屋さんという一見旧体制イメージを超えて、近代経営を目指しているようです。株式形式にしているところです。

  一昨年の東日本大震災では、3か月に1億円の赤字になったそうですが、こんな時こそ、踏ん張る力が求められると、必死に乗り越えてきたそうです。

 経営のすさまじさを感じますが、経営とは、見えないところでの血のにじむような研鑽が表に現れてくるのではないかと思うほどです。

  贅沢な時間かもしれないが、少しでも至福を感じることができるのなら、年に何回かこんな日があってもよいのではと思ってしまいます。

  それにしても、誠実に経営しているところには、どこかで正しい報いが与えられるのではないでしょうか。いただけないどこかの電力会社の隠ぺい体質の驕りとは対照的です。見ているだけで楽しくなっていました。

 やさしいタイガー


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