ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

老舗が泣く

2008-05-30 09:23:19 | 日記・エッセイ・コラム

 一度は食してみたいとあこがれる人の多かった”吉兆”がついに廃業しました。社長の女将さんは、「暖簾に胡坐をかいていました」と涙を流してひたすらお詫びを続ける姿に、むしろ哀れっぽさを感じました。大阪の人は厳しいから廃業するのは当たり前との反応が多いのではないでしょうか。

 この10年ほどの間に、よもやと思われたブランド名の高い企業が廃業していますが、100年も前に小さく始めた創業者はさぞかしはるかなかなたから嘆き悲しんでいるに違いないでしょう。かつて松下幸之助が指導者を作るには最低10年はかかると話していたことを想いだします。しかし現実は指導者になるべき修業期間以上も前から不正を行っていた人物とその周辺か居たというのですから、なんとも皮肉な結果です。

 西条八十の詩「歌を忘れたカナリヤ」は捨てる問いを出しながら、歌を思い出してくれるようなところにつれて行けば美しい鳴き声を聞かせてくれるでしょう、と優しさと希望のフレーズを忘れていません。欲は欲に誘われ、自制心を失うのは人間の業とでもいうのでしょうか。周囲に優しさや諭しの勇気があれば暖簾が泣かなくてもすむのかも知れません。人間の愚かさを見た反面、自らも傷ついたであろう心をどこかで取り戻されるよう望みたいですね。

やさしいタイガー


ついにパソコンダウン

2008-05-26 11:15:10 | 日記・エッセイ・コラム

 ホームページを始めてちょうど300回目に一息入れさせていただきます、という感謝の思いを伝えたその次から突然パソコンが動かなくなり、どう触ってもびくともせず、やむなく製造会社にSOSの連絡、あの手この手を教えてもらったのですが、うまくいきません。ぼくの気持ちを察したかのようにパソコンも少し疲れたのでしょうか。

 「もしかして修理の必要性があるかもしれません」と宣告され、10日ほどかかりますとの返事です。友人に連絡したら、心配は過去のデータが消滅するかもね、とも驚かされました。それにしても常用しているパソコンという相棒が言うことを聞いてくれなくなると、何をしてよいやらすっかり戸惑ってしまいました。

 いかにこの相棒に頼っていたかがわかり、いまさら400字詰めの原稿用紙に書く気持ちになれません。まるで何もすることのない無気力な自分が浮き彫りにされた思いで、がく然としました。忙しいといって嘆く人もいますが、忙しくない環境におかれたら、”さて、なにをするかな”と暗闇の中での手探りも嘆き炊くなります。

 人は忙しいがゆえに多様な思考が働くのだと考え、「忙しいことを嘆くなかれ」と人様に申しあげようと、そんな心境です。 このブログはしばらく使っていないデスクトップを復活させて作成したものです。

やさしいタイガー


愛の心を早く

2008-05-25 09:58:34 | 日記・エッセイ・コラム

ミャンマーと中国四川省を中心とした災害は、いまだに緊急支援の段階で,あの惨状を見るととても復興の段階には程遠いようです。ミャンマーはやっと海外からの人的支援を受け入れたものの軍部の横流しやワイロでいっこうに被災者に行き渡っていないと報じられています。どこの国の政治関係者もどんなときでも疑念を抱かせるような行動をとるのは、最低の人間の姿を世界に見せつけているようでなんとも悲しいことです。

 ミヤンマーはかつてビルマといわれていた戦後すぐ、日本が敗戦国とくとして初めて海外援助国として賠償金を支払った経緯があります。政治体制の変化は人の関係も冷たくしてしまいます。

 それにしても今死ぬか生きるかにある人々が数百万人以上も居るというこの現実をなんとしても乗り越える対策を理屈ではなく「世界のこころ」として何とか届けられないものかと、苛立ちを感じる人も少なくはないでしょう。同時に募金募金と巧みに便乗することに十分監視しながら適切に善意を届けたいものだと思います。

やさしいタイガー


孫と遊ぶことが元気プラン?

2008-05-21 09:41:19 | 日記・エッセイ・コラム

 福田首相が近く、「高齢者の元気プラン」(仮称)を取りまとめるとの報道があり、記者からお年寄りの活動の場を聞かれ、「お孫さんの面倒を見るとかね。そしたら保育ジジ、保育ババですか」と恐らくニコニコ顔で答えたのでしょう。福田さん、まだそんな感覚なんですね。高齢者が今未来に引導を渡されたような不愉快な気分になっているのは、そんなことではないはずなんですがね。

 少子・高齢者の社会がやってくることはもう数十年前にわかっていたことであり、その対策を構じるべき時代には経済景気をいいことにし、議員や官僚、それにまといつくような企業は利得争いをしてきたのです。癒着や汚職で国民の税金の無駄遣いをしてきた罪は大きいですよ。これは。人気回復のために打ち出す政策は稚拙で鈍感で、かえって問題を複雑にするばかりです。下心をむき出し拝金汚染された彼らの鈍感性が今日のような混迷を生み出していることは間違いないことです。

 孫と一緒に遊んで悦ぶことを生きがいだと思うジジ、ババがいてもおかしいとは誰も言わないでしょうが、もっと先にすべきことをせよと国民は怒っているのです。政府や議員にもう何も期待しないとは言え、やってもらわなければならないのです。真のリーダーシップはいったい誰なのでしょうね。

やさしいタイガー


記録映画のシナリオ100編余寄付

2008-05-20 21:37:27 | 日記・エッセイ・コラム

 ぼくが親しくしている友人と本当に久しぶりに会いました。真昼間からビールで喉を潤しながら積もる話をしていたとき、カバンから一枚の新聞記事をだして見せてくれました。そこには大きな囲み記事で「記録映画の台本を寄付」とあり、自宅に保管していた400本のノンフィクション映画(テレビを含む)のシナリオのうち109冊を選んでこのほど北海道文学館に寄贈されたという記事でした。

 このような膨大な記録は、まさに目で見る歴史作品です。札幌五輪、北海道の自然、さらに青函トンネルやベトナム戦争の現地ロケした「アジア諸国の国防」など、今では貴重な社会の遺産として残されていくような作品です。彼は自分で保管しているより、若い人に将来役立てて欲しいと願っての寄贈だそうです。

 今、北海道新聞社の文化センターで「映画と人生」という講座を持っていて、映画の裏話や面白さをお話になっているとのことで、受講生の方も楽しみにしているそうです。「青年は老い易く」なるが「老年は老い払う」気持ちで人生を楽しんでいる姿にぼくはちょっぴり妬けてきました。積もる話の続きはまた、ということで別れました。

 外は土砂降りで風も強く、鬱とおしい一日でしたが、気持ちはとても愉快になっていました。素晴らしい友人です。

やさしいタイガー