都議選が終わり、予想以上の大敗で自民党は壊滅的打撃を受けた、とどの新聞も報じていた。 やれ傲慢だ、嘘っぽい反省のポーズ、多数の失言、暴言氏、金銭疑惑の元大臣、など 少なくとも彼らは自分が足を引っ張ったことを知っているのだろうか。
都議選最初で最後の街頭演説に立った天下の宰相に向かって『帰れ』コールが響き渡った。 お友達であったはずの籠池さんは100万円の札束をぺらぺら見せながら、「安倍の嘘つき!」と 毒矢を放っていた。
だが、宰相はこういった。「この人たちに負けるわけにはいかない!」と叫んだ。「この人たち」は きっと不届き者になっていて、警察のブラック・リストに入れられ、内々に調べていることだろう。 だれが煽動したのか、もう実名まで判明しているそうだ。近いうちに共謀罪適用のケースになるかも。
こんな調子の政権与党だから、末期的症状であることにも気づかず、そのうちに回復するよと、 楽観的に見ているノー天気な代議士が多いだろう。「落とすものなら落としてみろ」と鬱陶しい声で 居直った幹事長、お言葉通り落としましたよ。それが何か?と言いたくもなる。「厳粛」が「不謹慎」に 聞こえる防衛相も最後のお勤めも近い。
矢面立った高級官僚たち、隠れたままの真実を命をかけて隠し通した腕前、よくやった、と 官僚氏はめでたく栄転のポストに。これで一件落着と行きたいのだろう。肩の荷を降ろした官僚たちは、 盗聴がないことを見定めて、今頃は「ほっとしたよ、能力の低い大臣に付き合うのは困ったものだよ。 だからこんな連中に政治など任せられないんだよ」と繰言を言いながら苦い酒を飲んで いるかもしれない。沈黙はメッキで磨かれた偽の金にしたのだ。見事な腕前。
また「野党の先生方もしつこ過ぎるよ」とそっちにも矢を向けているかもしれない。 「申し訳ない」と誰に向かってお詫びをしているのかわらないが、遅きに失した反省にはもはや 心がないことも十分わかった。驕り態度はちっとも解けないままだろう。
問題はこれからだ。大将不在のまま国会を開いてもまた同じことの質疑の繰り返しになるような気がする。 野党には新手があるのか、政府もどう修正できるのか、虚虚実実の争いをまたしぶしぶ見ることに なりそう。日本の政治風土がこんな調子でずっと続くのだと思うと、やっぱり未来はあまり明るく ないような気がする。それではいけないのだが。
やさしいタイガー