ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

愛あればあきらめることも

2014-07-29 19:26:15 | 日記・エッセイ・コラム

  今日は土用の丑の日、うなぎを召し上がったでしょうか。誰がこのような美味な料理を発見したのかよく知らないが、世界の70%は日本人が好んで食べる民族で世界でも珍しい。だが近年は自然うなぎは激減し、50年前と比べて10分の一になったとか。

  だからほとんどは輸入物で養殖うなぎが多いそうだ。減少した理由の一つに乱獲が挙げられているがどうやら生態が謎らしい。今うなぎを巡っては世界中で論議されている。「日本うなぎ」は昨年とうとう絶滅危惧種に指定されてしまった。どうやら稚魚の養育が難しいらしいが、さらに成長していく過程も難航しているとも聞く。その理由の中に海や川などの人工的開発が原因とも言われている。

  しかしそこは英知を発揮するのは日本人の良さ。専門家は目下開発に努めていて、最近のニュースを観ているとかなり稚魚が生まれ、成長うなぎが増え値段が急速に下がっているらしい。朗報だ。夏の終わりころには食卓に値段の下がったうなぎを賞味できるかもしれない。

 だが喜んでいいのか、ここはひとつ立ち止まって考える時にしたい。何もうなぎばかりに目を向けて一喜一憂するのではなく、地球の環境についてもこの際、しっかりと考えていく必要はないかと気が付くのだ。いろんな野生生物は人間が生きていくために重要な糧であり、私たちのために彼らは生きているのではないか。

 だから、私たち日本人の美風として「いただきます」というのだ。つまり生きとし生けるものの命をいただいているという感謝と謙虚から生み出されている。粗末に食べたり当たり前のように口に運ぶことは許されない。

 今、社会をよく見ていくべきだ。経済進展のために、あるいは長い間培ってきたよき風習や思い、そして価値まで奪い去ろうとしている危険性が日本にある。たとえば原発の放射能の拡散は人の命も家も生活も仕事もやさしい人間関係まで引き裂いてしまった。だれも責任を感じていない。解決を後回しにしてでも、経済のことばかり目を向ける今の政治の有り様にはますます違和感を持たざるを得ない。

 オキナワの基地移転も同じ視点で考えている。県民の感情が二分し、近く実施される知事選挙は辺野古を基地化することで推進派と反対派とが真っ向から向き合う選挙らしい。私たちはこの姿を第三者的に見ていてはならないと受け止めている。美しい辺野古の海はサンゴ礁が育っており、澄んで七変化する海は大事な財産だ。私たちはどんなに自然と向き合っても、絶対に勝ることはできない。そしてひとたび人口化すると、二度と元に戻らないことは先人たちは教えてくれる。

 うなぎと基地移転を同列に扱うのはおかしいのかもしれないが、うなぎをこよなく愛するがゆえに、これからの成長を願って何が何でも「うなぎ」だ「かば焼き」だといわずに、しばらく耐えることも大切ではないだろうか。まさに元の地球に少しでも返していくためにも。

 沖縄の苦悩を知るだけに、人々の痛みを分かち合うために美しい海をつぶして基地にしてしまうなんて暴挙は許さないよう意思を示す必要があろう。もう一度考えよう。人間はどんなに知恵や知識や技術が進化しても自然への尊厳を失ってはならない。あまり経済ことばかりに意を注ぎすぎると拝金主義国家になる。私はそんな国になってほしくないのだ。

やさしいタイガー


最近のお笑いタレントの活躍

2014-07-11 19:44:35 | 日記・エッセイ・コラム

 私の家からテレビを放棄してから久しい。だからもっぱら楽しむのはラジオなのだが、様々な放送の中でも面白く聴かせてくれる番組は結構ある。そんな中でおやっと思わせるようなタレントが担当する番組がある。

  お笑いタレントであり、物まねのうまい松村邦洋さんに感心しているのである。人に笑いを振りまくタレントだから、多少自分の本心と違っているのかもしれないが、そうした中でも隠れた才能を見せてくれる。それが結構楽しいのである。

  松村邦弘さんは、随分苦労して今の地位を得たのかもしれないが、彼は若い時から熱狂的な阪神タイガースのファンでも知られている。しかもただのファンではない。伝統や歴史をよく把握しており、野球全般についても野球解説者より深いものを持っている、とさえ思わせる。

  さらにこのタレントは、歴史ものに深い造詣を持っていてしっかりと語れるところがすごい。わたしも歴史ものは大いに興味を持っていて本もよく開くが、松村さんは年代はもちろん、周辺の人物や当時の社会まできちんと語っていて、登場人物もいろんな芸人や俳優の声で楽しませてくれるので、思わず笑いながら聴いてしまう。たとえば徳川家康を津川雅彦の、吉宗を西田俊之の物まねなど実に多彩である。ほかに笑福亭鶴瓶や武田鉄矢なども登場して固い歴史ものを面白く語ってくれる。

  誰にでもできるものではないし、松村さんの興味や関心だけではここまでは語れまい。見えないところでの勉強の深さを思わせるのである。そういえば最近のお笑いタレントの中には、結構固い番組に登場しているようだ。

  NHKやl教育テレビなどにも登場して、美術や教育、音楽や医術などの進行役をしている。専門ではないにしてもなかなかのものだ。こうしたタレントを見つけてくるプロデューサーもさすがだと思う。

  最近の世の中、暗い話ばかりが目につくが、ちょっと視点を変えて見つめると、何とか明るい光を求めて、大衆と密着する工夫や努力が見られるのはうれしいことだ。最も劣化しているのは政治にかかわっている人々ではないか、とまた皮肉の一つも言ってみたくなる。

  まあ、それはそれとして最近の世の中探せば結構面白く、明るい気持ちにさせてくれるものがあるような気がしているのである。お笑いタレントが明るい道に誘ってくれることを期待するのである。

 やさしいタイガー 


音楽が結ぶきずな

2014-07-09 12:19:50 | 日記・エッセイ・コラム

 先日、親友から世界の有名バンドの演奏するムード音楽集をいただいた。ご自分の所蔵されるレコードからわざわざCDに落としてくださったものだ。マントヴァー二やパーシーフェイス、101ストリングスなど。そうそうレイモン・ルフェーヴルもあった。

 むさぼるように一気に聴いてしまった。懐かしさがこみあげてきて曲に合わせて当時の出来事を思い出していた。中でもポール・モーリアの「オリーヴの首飾り」を聴いたとき、結婚式のことがパアーと浮かんできたのである。

 1976年12月のこと、当時の職場の同僚たちが手作りで一式を取り仕切ってくれていたので気楽なものだったが、一つだけ入場行進の際はこの曲をかけて、と指定したのが「オリーヴの首飾り」だった。おそらく参列してくださった人々はあまりご存じなかったかもしれないが、ぼくにとってはいつしかこうしたムード音楽を楽しんでいて、とっておきの一曲だったたのである。

 こうした音楽はどうして聴きだし、なぜ好きになっていったのかは定かではないが、僕にとってはとても良質の音楽を聴いているようで、今も単に青春を思い出す懐かしさだけでなく、どこか生きていることの素晴らしさや希望といえそうな感慨にふけってしまうのである。

 そんな音楽を聴きながらキーをたたいていると、急に元気をもらっているような思いになり、うれしくなってしまう。今度いただいたCDをベースに放送に取り上げてみようかと頭の中には架空のシナリオが出来上がっているのである。

 病間の暇な時間を持て余しながら。

やさしいタイガー

 

 


お笑い福祉士って

2014-07-04 11:10:50 | 日記・エッセイ・コラム

 先日病床でラジオを聴いていて面白い落語家の話に聞き入ってしまった。この家は笑福亭學光(がっこ)という上方落語の真打だ。十年ほど前、あるカルチャーセンターからの要請で「お笑いセミナー」という講座を始めた噺家だ。こんなセミナーにいったい人は来るのかと半信半疑だったが、案の定3人程度の受講生しか集まらなかった。しかし不思議なことにこの受講生たちは辞めずに、再受講するようになり、ずっと続いていった。 ではどこかで発表する機会をと思い立ち、病院、学校、福祉施設などに出かけるようになった。今では300人くらいが登録して活躍しているそうだ。

  芸名がふるっている。「是巣亭隴瑠(コレス亭ロール)」「夜勤亭ぐうぐう」「千里亭だし吉」「なんちゃってアイドル」など。芸名それ自体が笑いを誘う。思わずニヤニヤしてしまう。 

 この資格を持っていても、就職先を見つけてもらえるものではなし、もちろん国

資格ではない。先の落語家による個人的認定資格者ということだ。仕事のスキ

アップにはならないかもしれないが、お金より大切な心豊かな生きがいが見つ

るという。「お笑い福祉士」とは、「笑いを求め、笑いを学び、笑いを生かす」人た

のことを指すと笑福亭學光はいう。要は笑うだけ。鏡を見てにっこりほほ笑むだ

で免疫が上がるそうだ。

 

 一つ練習してみてはいかが? たとえば10円拾った時の笑い。1000円拾った 

時の笑い。財布を拾った時の笑い。その財布が空っぽだったときの笑い。くすっと 

笑って、くっそーと放り投げるしぐさまで。もっとも人の前では控えたほうがよさそ

だが。

 また子供の反応も面白い。ある芸人さんが落語を始めた時、上手(かみて)に向かって「お~い」と叫ぶと、みていた子供たちは「だれっ」と後ろを振り返る。お猪口を持っておいしそうに飲む仕草をすると、「お酒飲んではるんや~」と合いの手が入ることもあるとか。 

 世の中にはいろんなことを考え、少しでも社会や人に役立とうと志す人が大勢い

るものだ。プロの人たちの多くがこうして貢献している姿をみると。少し見習わなけ

ればと思ってしまう。 

 笑福亭學光さんはこんな落ちの付く洒落を紹介してくれた。元銀行員だったこと 

もあり、随分苦労されたそうだ。 

「落語家と掛けて銀行員ととく。その心はどちらも「コウザ」が大事」う~ん!

 やさしいタイガー