ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

おそろしや共謀罪

2017-05-20 19:08:08 | 国際・政治

 5.19、しっかり記憶しておきたい数字である。つまり2017年5月19日、自民党、                                    公明党、そして維新が一緒になって共謀罪を法務委員会で強行採決をした日である。                                          これは安倍政権の史上最悪の法律を作るという凶暴罪といいたい。

 この法律を政府は「テロ等準備罪」といいたがっているが、テロに限定したことではなく、                                       277の幅広い項目を設けて「疑わしいものは罰せず」という法理念をないがしろにして                                         「疑わしいものはまずしょっ引く」ということにしたのである。

 無知なのか、能力がないのか、勉強不足かはわからないが、まったく質問に答えられず、                                        後ろに控える役人に顔を向けて教えを乞うがごとき大臣の姿は実に見苦しい。役人は                                          一言一言粗メモを大臣に渡すその姿、しかも言質を取られないようにマスクをした用意                                                周到な体制は、これが重要議案を討議する舞台なのか、と見ていて悲しくなる。

 国を引っ張るのは閣僚ではなく、官僚なのだということが良くわかるシーンだ。                                                    まともに応えられないような納得の行かない法律をどうして足早に通過させようとしている                                               のか、どうやら安倍氏の先が読み取れる。

 調子に乗った委員外議員の維新の党員が、自民党の思いを斟酌して質疑の打ち切り                                               動議を出し、議長の声も聞こえない騒乱の中で、強行採決してしまった。やがて衆参両院で                                          おざなりの答弁をして通過させてしまうだろう。

 だがこの後が問題だ。私たち「一般人」が多大な影響をうけるからだ。一般人は影響ないと                                          豪語しているが、一般人とはどういう人をさすのか、はっきりとした回答はなかった。                                                楽しいはずの花見に弁当とビールをもって行けば疑いはないが、双眼鏡と地図をもって行けば                                         「おい、こらっ!ちょっと警察に来い」と警察権力がかぶさる不気味さが潜んでいる。

 来年の花見には、私服警察官がぞろぞろ要所要所でにらんでいるかもしれないぞ。                                              こんな未熟な法案でも成立させたい安倍氏の計算の中にはどうやらオリンピック開催の20年を                                            政治の大きな極点と考えているからではないか。政権側は袖にすがる政党の思惑を巧みに                                        取り得れ、次の一手、つまり憲法を変えようとしていることだ。

 またこんなブログを出していたら、政府批判だ、疑わしいとお声がかかるかも知れない。                                          今回のような稚拙な答弁しか出来ない大臣を取り替えなかったのは、いけにえにしたのかも、と                                        うがった見方すらしてしまう。これからも悲しい暗い世の中にしていこうとする政党と安倍政権は、                                       いったい私たち一般人をどのような穴に落としいれようとしているのか、義憤を禁じえない。                                            これから安倍氏の狙いとする改憲でドラマをまとめたいのかもしれないが、そうはさせてはならない。                                    やはり老いの一徹を通したい。

やさしいタイガー


世論調査は信じられるか

2017-05-11 17:33:53 | 日記・エッセイ・コラム

落語家の笑福亭仁鶴さんが、司会している番組に「生活小百科」という番組がある。                                             法律的な問題を面白おかしく紹介し、最後に法律家によって正しく確認される、                                                  といったものだが、冒頭に仁鶴さんがこういう。「世の中トラブル続き。四角い仁鶴が                                              まーるく収めまっせ」と。

まさに今、トラブル続きだ。ことに国のリーダーたちが様々トラぶっていて火に油を注ぐ                                              ような状況だ。こんな不安定な政権と官僚に任せておいてもよいのか、とつくづく思う。                                               にもかかわらず、世論調査では安倍政権の人気が依然として高いという結果が報じら                                                    れている。

私の周りには保守系の支持者がかなり多いが、誰一人安倍礼賛の人はいない。                                                   それどころか、顔も声も聴きたくない、みたくもない、とチャネルまで変える人さえいる。                                                 安倍氏のかじ取りには疑問を抱き、危険性を感じている人ばかりだ。                                                          それでも一強の信用が落ちないという不思議な原因はどこにあるのか、最近この                                                        世論調査に疑問を抱いている。信用できる数値なのかと。

大手の情報企業が統計の専門家に依頼して方法を編み出しているのだと思うが、                                               新聞社やテレビ局は自ら調査するのではなく、大手広告企業に依頼し、調査させて                                                    いるとも聞く。大手広告企業は、いくつかの下請企業に流し、指示を与えて調査に                                                     あたらせていると思われる。

電話で無作為の抽出した人に質問するRDDという手法らしいが、回答者の返答                                                   如何によっては予断や忖度をして排除していないだろうか。政権支持的な企業だと                                             何らかの誘導操作をしていないだろうか。報道機関自ら調査にあたっていないと                                                すれば、当然のように多少の数字は動くものの、結果は同じということはありうる。

どうも調査機関に問題はないのか、疑問を感じる。こんなにトラブル続きの自民党                                                 政権が高い支持率を誇るとはどう考えても奇々怪々なことだ。どこかに何らかの                                             手法が隠されているのではないかと疑念を抱かせる。問題の多い現状と調査結果は                                               あまりにも大きい落差に正当とは感じないし、一層の無力感を抱いてしまう。                                                  世の中いろんなからくりで成り立っているとしてもこれから先に大きな疑問ばかりが                                                 増えるのもどうかとおもう。

やさしいタイガー


今年のゴールデン・ウィーク

2017-05-05 18:47:18 | 日記・エッセイ・コラム

 今年のゴールデン・ウィークも終わりに近づいた。ちょうど昨年のの今頃、                                                 ブログを出していたのだが、あのころは桜が咲き切ったわけでもなく、確かに                                             新緑が季節のサインだけは送ってくれていた。心が少しずつ明るくなるような                                                思いになったと書き綴っていた。

 今年はこの連休、近代美術館での絵画・版画・ガラス展などを鑑賞し、友人                                                 たちと会食を楽しむなど、積極的に春の空気を味じわった。5月5日は子どもの                                               日であり、暦では立夏となっているが、札幌はこのような話題はいつも後のことだ。                                             

 ところが今年は桜の満開はいつもより早いし、今日札幌大通公園を歩いていると、                                        街の大きな温度計は24度と示していた。ここではもう夏日に近い。僕はそんなやわ                                             らかい日差しを受けながらゆっくりと園内通りを歩き、もう一度見ておきたい記念碑                                             に向かった。

 目指す碑がどの辺りにあるか探していたところ、あった!。武者小路実篤の書で                                            有島武郎が1918年(大正7)に書いた「小さき者へ」という碑文が。「小さき者よ。                                                 不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸に登れ。前途は遠い。                                            そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない物の前に道は開ける。行け。勇んで。                                                  小さき者よ。」

 この文章は有島が夫人を亡くし、二人の子供がすやすやと眠っている傍らで孤独と                                            闘いながら作家としての意欲を掻き立てる分岐点である。子供たちへの遺言のような                                      つもりで静かにペンを走らせていたのであろうと想像する。

 その碑がどうしてこの札幌の公園の中に設けられたのか、定かではないが、親子が                                       楽しく過ごす新緑の下での幸福そうな姿に有島がメッセージとして残そうとした文人の                                       思いがあったからだろうか。

 子どもにとって今は幸福な環境ともいえない、幸福そのものが何か気づいていないか                                       もしれない。子どもとは未来人である。この未来人のために正しい行き道をつける役割                                     を負う大人が、今にも壊れそうな道に誘導しようという悪巧みは許してはならない。                                         有島のメッセージを心に刻んでほしいと願う。子どもの日に合わせたくて。

やさしいタイガー


憲法は誰のものか。

2017-05-04 12:19:39 | 日記・エッセイ・コラム

 このところ新聞紙上では、今年憲法制定70年になることから、憲法論点は例年になく                           きっちりとしかも連続して取り上げられている。僕はかなり時間をかけて記事を読んだ。                            言い知れぬ不安がもたげてきた。

 それは歴代の首相さえ発しなかった改憲の意思を安倍さんはメッセージの形で明言して                            しまった。自民党も自ら検討する前に先手を打たれたような戸惑いを見せ、あわてて取り                             組んでいく構えを見せた。また各地の集会の中でも、政府に呼応するのか、先導するのか、                           国粋的極右の集団はもう大ぴらに安倍さんの姿勢に賛同し、改憲を国民的拡大をもくろむ                                 動きも活発に示してきた。

 日本の憲法はこの70年間一字も変えることをしなかった国としては稀有なのだろう。                               だからこれは誇りに思うべきで、現状に合わないから変えようというのは、あまりにも                               浅薄であり、拙速だ。改めてこの機会にじっくり読んでいくと、制定の歴史が理解でき、                              敗戦後の日本の思想体系を大きく変化させた人物や苦闘した姿を思い浮かべることができる。                                             

 敗戦時には小学校3年生だった僕は、戦争の恐怖は知っていても、新日本建設がどの                                   ように取り組まれてきたのかは知る由もなかった。今年も新しい資料が発掘され公表されて                            いるが、70年経っても未知の資料が眠っているとは驚きだ。                                

 安倍さんは2020年に改変すると明言した。必要数の3分の2が確保でき、維新の党など                          一部の政党などからの賛意を追風のように受け止め、今がチャンスと受け止めている。                            すでに自民党は自作の憲法草案を出しているが、注意しておく理念や項目がいくつもある。

 今回特記しておくべきは全学教育無償化だ。すでに現憲法には義務教育は無償としているが                      これを大学を含めた高等教育さえも無料にしようという案だ。もともとは民主党政権時代に                            検討されたことがあった。それに猛烈に反対したのは自民党で、会議場にビラまで持って反対                            したものである。時代が変わったからと今度は賛成だという節操のなさ。                                       

 政治というのは、本当に騙しあいの場である事業だと思った。現状は無償化になったから                          教育環境が整うというのは甘すぎる。生活保護家庭が増加している中で、無償という耳触りの                               良いことを聞かされても、給食、遠足、体育着などの衣類など付帯負担はどうするつもりか。                         決して負担が減るわけではない。富裕層との間にますます格差を生むことになる。                                    政治を生業とする人々はもっと現実の姿を深く掘り下げることではなかったのか。

さらに気になることがある。自民党私案は「は戦後レジュームからの脱却」を受けて、天皇を                             「戴く」存在にし、「象徴」から「元首」に変え、自衛隊を「国防軍」に改め、日の丸を国旗とし、                              君が代を国歌とし、国民はこれに従わ「なければならない」と強要している。                                       

 また改変の仕組みは現憲法に記載される衆・参両院それぞれ「3分の2」、国民投票も                            「3分の2」とあるが、これを「過半数」にするという。極め付きは「非常事態法」を入れ、                           権力の行使が容易にできることを目論んでいるようだ。

 

 このような幾つかの締め付けは、やがて現実となって表れてくるに違いない。いま大事な                             ことは、足早にうごめく怪しげな足音に無関心でいてはならないということを今年は特に痛感した。

やさしいタイガー                         


しっかり目を向けたい憲法

2017-05-03 16:04:13 | 社会・経済

 憲法が制定されて今年は70年になる。このところのニュースの中心は憲法関連だ。                                     各地で集会もあった。この70年間一字も変えることをしなかった国としては稀有なの                                           だという。

 新聞の特集記事は興味のない人にとっては読み飛ばすものかもしれないが、改めて                                     この機会にじっくり読んでいくと、制定の歴史が理解でき、敗戦後の日本の思想体系を                                          大きく変化させた人物や苦闘した姿を思い浮かべることができる。

 敗戦時には小学校3年生の時だけに、戦争の恐怖は知っていても、新日本建設が                                            どのように取り組まれてきたのかは知る由もなかった。今年も新しい資料が発掘され                                        公表されているが、70年たってもまだ未知の資料が眠っているとは驚きだ。

 今政権与党は改憲を公言した。安倍首相yは執念のように見える。すでに自民党の                                      憲法草案は出されているが、注意しておく理念や項目ががいくつもある。その背景には                                   「戦後レジュームからの脱却」と大言した安倍さんの本音がある。

 草案によると、天皇を「戴く」存在にし、「象徴」から「元首」に変え、自衛隊を「国防軍」に                                      改め、最高指揮官を総理大臣としている。日の丸を国旗とし、君が代を国歌とし、国民は                                       これに従わ「なければならない」と強要した。また改変の仕組みは衆・参両院それぞれ                                         「3分の2」として国民投票も「3分の2」であるが、これを「過半数」にするという。

 また非常事態項目も過半数にという姿勢だ。こうした動きに賛意を表する少数政党も                                          あるが、ちょっと気になるのは維新の党が全学教育無償化を提案するらしいことだ。                                     これは十分注意しておくべきまやかしだ。予算化するにしても国民の税金が負荷される                                       ことを示しており、また貧困にあえぐ人々を一層教育を受ける権利を奪いかねない。

 富裕層は余金を学校外教育に投与でき、学力の差をつけかねない。また国が負担する                                    ことで教員の自由性を奪うことになることも予測される。先ごろ自民党の下村氏も発言                                           していたが、国立系の大学に国旗・国歌を唱和しないところには助成金や補助金を止める                                       など言語道断な暴論をを吐いた。これが本音であろう。

 今、さまざま国会論戦を広げる議題は戦前の各種法律のリメイクのように思えてならない。                            憲法を戦前の姿に戻すかのような復古主義や懐古主義はあってはならない。                                                憲法とは政党の作品ではない。憲法はわたしたちの意志の結実でないといけないはずだ。                                     権力が乱用されないように監視するのが憲法であり、本末転倒を許してはなるまい。

 立憲国家であり続けるために、主権がわたしたちにあり、基本的人権が保障されないと                                        いけない。戦争場面に近づいていこうとすることを「積極的平和主義」というまやかしではない                                「平和国家」を守っていきたいと思う。生きている限り。

やさしいタイガー