5.19、しっかり記憶しておきたい数字である。つまり2017年5月19日、自民党、 公明党、そして維新が一緒になって共謀罪を法務委員会で強行採決をした日である。 これは安倍政権の史上最悪の法律を作るという凶暴罪といいたい。
この法律を政府は「テロ等準備罪」といいたがっているが、テロに限定したことではなく、 277の幅広い項目を設けて「疑わしいものは罰せず」という法理念をないがしろにして 「疑わしいものはまずしょっ引く」ということにしたのである。
無知なのか、能力がないのか、勉強不足かはわからないが、まったく質問に答えられず、 後ろに控える役人に顔を向けて教えを乞うがごとき大臣の姿は実に見苦しい。役人は 一言一言粗メモを大臣に渡すその姿、しかも言質を取られないようにマスクをした用意 周到な体制は、これが重要議案を討議する舞台なのか、と見ていて悲しくなる。
国を引っ張るのは閣僚ではなく、官僚なのだということが良くわかるシーンだ。 まともに応えられないような納得の行かない法律をどうして足早に通過させようとしている のか、どうやら安倍氏の先が読み取れる。
調子に乗った委員外議員の維新の党員が、自民党の思いを斟酌して質疑の打ち切り 動議を出し、議長の声も聞こえない騒乱の中で、強行採決してしまった。やがて衆参両院で おざなりの答弁をして通過させてしまうだろう。
だがこの後が問題だ。私たち「一般人」が多大な影響をうけるからだ。一般人は影響ないと 豪語しているが、一般人とはどういう人をさすのか、はっきりとした回答はなかった。 楽しいはずの花見に弁当とビールをもって行けば疑いはないが、双眼鏡と地図をもって行けば 「おい、こらっ!ちょっと警察に来い」と警察権力がかぶさる不気味さが潜んでいる。
来年の花見には、私服警察官がぞろぞろ要所要所でにらんでいるかもしれないぞ。 こんな未熟な法案でも成立させたい安倍氏の計算の中にはどうやらオリンピック開催の20年を 政治の大きな極点と考えているからではないか。政権側は袖にすがる政党の思惑を巧みに 取り得れ、次の一手、つまり憲法を変えようとしていることだ。
またこんなブログを出していたら、政府批判だ、疑わしいとお声がかかるかも知れない。 今回のような稚拙な答弁しか出来ない大臣を取り替えなかったのは、いけにえにしたのかも、と うがった見方すらしてしまう。これからも悲しい暗い世の中にしていこうとする政党と安倍政権は、 いったい私たち一般人をどのような穴に落としいれようとしているのか、義憤を禁じえない。 これから安倍氏の狙いとする改憲でドラマをまとめたいのかもしれないが、そうはさせてはならない。 やはり老いの一徹を通したい。
やさしいタイガー