職業

　年輩客のCさんは相手の職業を言い当てると、ママがR子ちゃんに説明していた。
　
　ママ「Cさん、この間、初めて会ったN子ちゃんの職業を当てたで」
　客R 「へえ、そのN子ちゃんて、何の職業やったの？」
　ママ「看護師さんやったわ」
　私　「俺と一緒やってん」
　ママ「えっ、マスターも看護師やったん？初めて聞いたわ」
　私　「俺も始めて言うねん。実は俺、カンゴシま、やねん」
　ママ「何や、鹿児島かいな。ややこしい事を言いなや」
　私　「N子さん、調子が悪かったらしいで」
　客R 「どういう事？」
　私　「フチョウ…、婦長やってん」
　ママ「また、しょうもない事を言うてるわ」
　客R 「Cさん、私の職業も分かるかなあ？」
　ママ「今度、Cさんに会(オ)うた時に聞いてみ。とにかく、よう当てるで」
　私　「そうや、俺の職業も見事に当てられたわ」
　客R 「なんて言われたの？」
　私　「スナックのマスターて、言われたわ」
　ママ「それ、当り前やん。誰でも当てられるわ」

　一句：見る目あり　誰の職業も　言い当てる
　謎かけ：職業言い当てとかけて、日本酒のうまい飲み方と解く。どちらも(感・燗)がよろしいようで