言い伝え

　お客のYさんは小さい頃から祖父母と一緒に住んでいたので、色々と迷信や言い伝えを教えられ ながら育ったとか。

　客Y「俺が小学生の頃、叔父さんが煙草をトイレに捨てたらお爺に怒られてたわ」
　私 「なんで？」
　客Y「火は大事なもんや。火が無かったら文明の進化が無いとかで」
　私 「なるほどなあ、昔の人はエエことを言うわ」
　客Y「帽子は床に置くなとか、新聞はまたぐなとか、新しい靴を夜におろすなとか」
　私 「寝る前に化粧を落とせとか」
　客Y「そんな言い伝えはない。俺が剣道してた時には竹刀はまたぐな、て言われた」
　私 「どんな理由で？」
　客Y「竹刀は武士の魂やから」
　私 「剣道をする者は竹刀を粗末にシナイという事か。他にないか？」
　客Y「お米は八十八日間、お百姓さんが手間暇かけて作ったから、粗末に扱うな」
　私 「そう言えば、ご飯は残すなてよう言われたなあ。そやから茶碗にこびりついてたら茶碗ごと食べたわ」
　客Y「ホンマかいな」
　私 「ホンマな訳ないやろ。ちょっとしたジョークさ」
　客Y「面白ないわ」

　一句：うなずける　語り継がれた　言い伝え
　謎かけ：言い伝えとかけて、電気設備の略語と解く。どちらも(伝説・電設)です