給料

　お客のI君は3日ほど入院して昨日退院したとか。病名は衰弱と脱水症。彼は貯金は無くお正月に給料を散在したので月の後半にお金が無くなって3日ほど食べていなかったとか。

　私 「お金が無いのにどないして入院したん？」
　客I「家でフラフラになって、しんどなったから救急車を呼んでん」
　私 「I君は電話を持ってないやん」
　客I「辛うじて30円だけあったから、家の近所の公衆電話からかけてん」
　私 「30円無かったら、くたばってたなあ」
　客I「ほんまや、危ないとこやったわ」
　私 「まあ、30円無かっても道路で倒れてたら、誰かが救急車を呼んでくれるかもな」
　客I「それで救急車がY病院に搬送してくれてん」
　私 「Y病院かいな。I君の家の近くでよかったな。K病院やったら歩いて帰られへんもんな」
　客I「そうや、K病院はメチャ遠いし交通の便は悪いしタクシー代も無いから、往生するとこやったわ」
　私 「それにしても、3日入院して生き延びたなあ」
　客I「そうや、食事も出るしY病院はちょうど会社指定病院やったから入院代は給料払いにしてくれたし」
　私 「入院代のツケは聞いたことが無いわ。ほんでココも飲んで食べてツケやろ」
　客I「焼きソバは持ち帰りで頼むわな」
　私 「給料日まであと3日あるやん。焼きソバを3日に分けて食べるんやろ」
　客I「それは無いけど。しやけど1月は長いわ」
　私 「ふつう歳をいくと月日の経つのが早なって一年が短く感じると言うのに、I君は長いんかいな」
　客I「そうやねん。ほんま1月は長いわ」
　私 「正月に散財たからや。次の給料日まで待ちきれへんねやろ」

　一句：下旬には　指折り数える　給料日
　謎かけ：給料とかけて、苦しまぎれと解く。どちらも(給与・窮余)です