娘と指きりをしたのは2回だけ。
1回目は娘がまだ幼い頃だった。
遊園地に連れてってとねだり、可愛い小指を差し出した。
「指きりげんまん ウソついたらハリ千本飲ます 指切った」
保育園で覚えたての指きりを、口ずさみながら約束をした。
あの時は自営を初めたばかりで、娘にかまってやれなかった。
それでも約束を果たせた。満面の笑顔がとてもいとおしかった。
2回目の指きりは娘が25歳、入院をして2週間目ぐらいの時だった。
カーテン越しの淡い光の中、冷やかなベッドに無言で横たわっていた。
「退院したら瞳が好きなUSJへ行こ。早(ハヨ)元気になりや、約束やで」
細く青白い小指に私の小指を絡ませて、回復を祈るように耳元に囁いた。
人口呼吸器が口を塞ぎ声は出せなかったが、私を見つめ弱々しく頷いた。
それから半月間の闘病、娘は回復することなく、この世を去ってしまった。
2回目の指切りの約束は、とうとう果たすことができなかった。
「指きりげんまん ウソついたらハリ千本飲ます 指切った」
あの時交わした指きりが心に焼きついて、時々私の脳裏に虚しく蘇える。
一句:指切りで 小さい思いを 契りましょ
1回目は娘がまだ幼い頃だった。
遊園地に連れてってとねだり、可愛い小指を差し出した。
「指きりげんまん ウソついたらハリ千本飲ます 指切った」
保育園で覚えたての指きりを、口ずさみながら約束をした。
あの時は自営を初めたばかりで、娘にかまってやれなかった。
それでも約束を果たせた。満面の笑顔がとてもいとおしかった。
2回目の指きりは娘が25歳、入院をして2週間目ぐらいの時だった。
カーテン越しの淡い光の中、冷やかなベッドに無言で横たわっていた。
「退院したら瞳が好きなUSJへ行こ。早(ハヨ)元気になりや、約束やで」
細く青白い小指に私の小指を絡ませて、回復を祈るように耳元に囁いた。
人口呼吸器が口を塞ぎ声は出せなかったが、私を見つめ弱々しく頷いた。
それから半月間の闘病、娘は回復することなく、この世を去ってしまった。
2回目の指切りの約束は、とうとう果たすことができなかった。
「指きりげんまん ウソついたらハリ千本飲ます 指切った」
あの時交わした指きりが心に焼きついて、時々私の脳裏に虚しく蘇える。
一句:指切りで 小さい思いを 契りましょ