雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

合言葉大作戦。

2005年11月08日 | adorably autistic
息子が生まれたとき、私はひとつ心に決めていたことがあった。
息子に、毎日「大好きよ」「可愛いね」と声をかけること。

私の母は、
決して、と言っていいほど、子どもをほめることがなかった。
「あなたはこういうところがだめ」
「あなたのこういうところが嫌い」
「あなたは本当に可愛くない」

本人に言わせれば、「本心は可愛いと思っていても、敢えて
他人は言ってくれない欠点を指摘するのが親の愛情」だったらしいのだが
私は今も、親にも褒めてもらえない自分は駄目な人間なのだと
いう気持ちからどこか抜けだけずにいる。

だから、せめて自分の子どもだけは褒めて育てよう、毎日、
「いい子ね」「可愛いね」「大好きよ」と声をかけて
育てよう、とずっと思っていたのだった。
そして、それを実行した。幸い、私の顔を見ればにっこりと
笑う息子にそんな言葉をかけることは、大して難しいことではなかった。

そんな私も、息子が「自閉症」の診断を受けてしばらくの間、
息子を可愛いと思えなくなったことがあった。
 
それまでは「育てるのは大変だけど可愛い息子」だったのが
まるで誰かの悪意で私の人生に放り込まれた、
得体のしれない不幸の塊のように感じられたのだ。

母親としてそのことにとてつもない罪悪感を持ちながらも
私にはわが子に向けるその否定的な気持ちをどうすることもできなかった。

だが、せめてその罪滅ぼしの気持ちもあったのだろう、
その間も私は毎日、息子に「可愛いね」「いい子ね」と
言葉をかけた。
いつしか、またその言葉は私の本心から出たものになり、
それは今も続いている。

そんな私が、息子のこだわりや反復質問にイライラしたときの解消法は
「合言葉大作戦」である。

息子に「ちびくまくんは?」と言うと、
息子は間髪を入れず「おかあさんのたからもの!」と答える。
「お母さんは?」と言うと「ちびくまくんがだいすき!」

これは私が唯一息子に教え込んだエコーである。
私には効果絶大だ。自分の宝物に手をあげることはできない。

しかも最近は、思わぬおまけまでついてきた。
息子が自主的に、もう一言を付け加えるようになったのだ。
「ちびくまくんも、おかあさんがだーいすき

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そういえば… (おはつ)
2005-11-10 15:53:07
私、息子が生まれたときずっと笑顔を投げかけていました。「笑顔で育てれば笑顔のステキな子になる」となんとなく信じていたからです。生後1ヶ月もしないうちから、息子は私の笑顔に笑顔で答えてくれました。まだ、うっすらしか見えていないであろうその目に私がどんな風に写っていたのかわかりませんが、(今思えば、気持ちが通じていただけなのかもしれません。その方がすごいですよね)なんとも言えない笑顔を返してくれて、その笑顔が今となっては彼のセールスポイントになっています。笑顔がかわいい息子を周囲はとてもかわいがってくれるのです。

私の思惑は大成功!

でも、そんなこと、ちびくまママさんのブログを見るまで忘れていました。子供たちに笑顔で語りかけることも忘れていました。だから、下の子は怒りん坊なんでしょうね。

大事なことを思い出させてくれてありがとうございました。
返信する

コメントを投稿