雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

オープンスクール(その2)

2007年11月11日 | 楽しい学校生活
まずアイロンの使い方と注意点について先生から注意を聞き、
お手本を見せてもらってから自分でもアイロンをあててみます。

きれいに仕上がったのを確かめて先生がGOサインを出すと
息子は自分で作品を台からはずそうとしたのですが・・・
「あっ、熱いよ。熱い。熱いね~」
先生に目で助けを求めながら繰り返します。
「ちびくまくん、こういう時はなんて言ったらいい?」
「わかりません~」
「わからないときは、なんて言うんだっけ?」
「わからないので、教えてください」
「そう。じゃあね、『熱いので、取って下さい』って言おうか」
「熱いので、取って下さい」
「何を取るの?」
「熱いので、ギリシャを、取ってください」
「はい。ギリシャね。あ、ホンマ熱いなこれ。あちち」

困ったときに、他人にわかりやすく助けを求めることが苦手な
ちびくまのために、「言葉で助けを求める練習」を意識した
会話になっています。

さて、これで要領をつかんだちびくま、あとは1つ出来上がるたびに
「熱いので、ドイツを、取ってください」
「熱いので、スウェーデンを、取ってください」
・・・見事なゲシュタルト(1つ1つの言葉をつなげて文にしたのではなく、
文を丸ごと覚えて使っていること)ですこと(笑)。

アイロンをかけたビーズは少し反り返っています。これを
まっすぐにするために、K先生は「本棚から分厚い本を3冊取ってきて」と
指示を出しました。
「はい」と本棚に行ったものの、「分厚い本」がわからないらしく
うろうろし、「わかりません~」と先生に訴えるちびくま。
「じゃあ、この本にしましょう」と指示してもらって、
ようやく3冊を机のところへ運んでいきました。

「Aの本とBの本とではどちらが分厚いか」ということはわかっても
「(ビーズの反り返りを防ぐ重石にするだけの重量のある)
 分厚い本」の()の中は想像できていないのだということが
よくわかります。

全部の仕上げが終わると自由時間。先生は息子に
「2時間目の終わりまであと何分遊べるか」を確認させてから
(時間の計算の練習と見通し立て)自由にしていいよ、と
指示を出しました。息子はバランスボールに乗って
教室をぴょんぴょんと跳ね回っていました。

息子を全く知らない人が漫然と見ていると
気が付かないかもしれませんが
声の出し方が常にニュートラルで落ち着いてるのに、
「楽しいな」「面白いな」といったポジティブな気持ちの
ところだけは感情がこもっていて

ちょっとした言葉かけまで息子の今の課題に沿っていたり
何かの概念がわかるかどうかの確かめになっていて
1つ1つの指示にまで先生の注意が行き届いていることが
よくわかる授業でした。