雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

「やさしい先生」(その1)

2007年09月22日 | 楽しい学校生活
今の中学に入学する直前、赴任したばかりの校長先生と
交流級の担任のS先生との顔合わせのため、息子と中学まで
出向いて行きました。

以前から何度もお会いして惚れこんでいた障担K先生と
一緒に、5人で校長室に集まり、なぜ特別支援学校でもなく
障碍児教育センター校でもなく、この中学を選んだのか、

これからどんどん定型発達のお子さんたちとは差が開いてくる
わが子を、なぜ普通学校に入れ、どういう中学生活を送って欲しいと
思っているのかをお話ししている途中で、

隣の職員室で電話が鳴りました。それは話に集中していれば
気が付かないほどの音でしたが、ちびくまは即座に耳をふさぎました。

それを見たS先生が
「ちびくまくん、今、耳をふさいだのは、何の音がイヤだったの?」
と尋ねると、息子は
「電話です。お耳がいたくなるので苦手です」
とはっきりと答えました。

電話の呼び出し音を息子が嫌いなのは私もよく知っています。
数年前までは電話が鳴るたびに、大泣きし、受話器を床に叩きつけ、
自分の頭も受話器や柱に打ち付けて大変な騒ぎでしたから。
今はそこまでひどい荒れ方はしませんが、電話が鳴るとやはり
悲鳴に近い声を上げて逃げ惑っていますし、
「ああ、こわかった。もうお電話かかってこないといいけど」と
言葉で説明もしてくれます。

でも、息子が、初対面のよその人に、こんなに明確に
自分の聴覚過敏について説明するところを見たのは初めてで、
私はちょっとびっくりしました。

さて、そんなこんなの帰り道。ちびくまが、私のほうを見て、
「おかあさん、S先生、やさしい先生でよかったねえ」と
言ったのです。

もちろん、これまでちびくまの担任や交流担に「怖い先生」
「厳しい先生」はいませんでした。発達障碍や自閉症、もっと
突き詰めるとちびくま個人の特性についての理解の度合いや
指導のセンスには違いがあっても、力づくで彼を押さえつけようと
する人や、しかりつけるような人は決していませんでした。

「○○先生はやさしい?」と尋ねると、大抵は「やさしい」と
いう答えも返ってきていました。
でも、ちびくまが、尋ねられもしないのに、ほんの1時間ほど
会っただけの先生について「やさしい先生だ」とコメントしたのは
初めてで、そのことも私をびっくりさせたのです。