雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

「らしさ」へのこだわり(その1)

2007年07月22日 | 「発達障碍」を見つめる眼
ところで、もらってきた卒業アルバムは、前半分が写真集、
後ろ半分が卒業文集になっています。
なんだかこういうアルバムだと、写っていない子がいると
問題になるのだそうで、特に6年生になってから
交流級集団と離れての行動が多かったちびくま、
やたら個人写真がありました。(ラッキー?)

で、文集のほうは、交流級の中で、他の子と同じように
見開き2ページの絵と作文。
これは原稿を在校中に既に返してもらっていたので、
あらためて印刷したものを見た、という感じなのですが、

構図もしっかりしているし、作文なんかは用語の使い方も正確、
自分の気持ちや将来への決意なんかも書かれていて、
添えられたイラストも含めて、いかにも小学6年生らしくて
通常級のお友だちの作品と比べても全く遜色のない
とっても良い出来でした。

よその人が見たら、「障碍があっても、指導次第でここまで書けるんだわ、
すごいわね」と思うかも知れませんし、障碍のある子の親御さんでも
「うちの子でもここまでできるんだわ」と感激する人は多いかもしれません。

でも、私個人の感想はというと、せっかく「後に残るものだから」と
一生懸命指導してくださったのであろう先生には申し訳ないけれど
「見た目がきれいなだけで、とってもつまらない」

…だって、その作品は「書かされた」感満載で、「ちびくまらしさ」は
ほとんど感じられなかったからです。

例えば、「思い出ベスト5」なんてコーナーがあるのですが
1位の「運動会・組体操を頑張りました」はいいとしても、
2位に「マラソン・走ることが好きです」って
ちびくまを知る人なら「そりゃ嘘やろ~!!」と思わず
突っ込みたくなってしまうはず。

ちびくまは小学校時代毎年あったマラソン大会がとっても苦手。
大体、普段の生活でものんびりおっとり、「走る」ことなど
ほとんどない子どもなのに、冬の寒い中グラウンドを何週も走る、と
いうことには全くモチベーションが上がらず、
歴代の障担は毎年涙ぐましい努力をして、ちびくまがなんとか
この行事に参加できるように頑張ってくれたのでした。

マット運動の苦しさと達成の喜びについて書かれた作文は、
その表現に「ちびくまらしさ」は微塵もないばかりか、
私が息子の学校生活には最も求めていなかった
「我慢することで得られる喜び」がテーマになっていて、
なんだか自分がこれまでちびくまを育ててきた姿勢自体を
全否定されたような気持ちにさえなってしまいました。