雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

In someone else's shoe

2007年03月09日 | 入院生活
この病気になってから、車いすに乗る機会が多くなりました。
今は病棟の中など短距離は歩いていますが、退院した後も
長い距離を移動する場合には退院後も車いすを使うことを
考えた方が良い、とのアドバイスがリハビリの先生からあり、
買うのかレンタルするのか、買うとしたら自費で買うのか
何らかの公的制度を使うのか、思案しているところです。

車いすには自走式(自分の手で車輪を回して動かす)と
介助用(乗っている人には動かせない・一般に自走式より
小型軽量)、それに電動式がありますが、私は断然自走式派、
介助してもらうのは出来るだけ避けるようにしています。
それは気兼ねしているというより、車いすを押すのが下手な
人が多すぎてイライラさせられることが多いからです。
ちなみに、一番独りよがりで最悪だったのは夫でした(笑)。

車いすを押すくらい、誰にでも出来そうに思えるかも
しれませんが、介助する側のデリカシーや思いやりがこれほど
ダイレクトにわかる機会も少ないかも。

ちゃんと研修を受けた人ならどうかわかりませんが、大抵の人は
「自分が動きたい」速度で「自分が連れて行きたい場所に」
連れて行こうとします。
段差や悪路による衝撃や坂になっているところの傾斜角も、
乗っている人ほどには感じませんから、押している人は優しく
丁寧に扱っているつもりが、「手荒く扱われて怖い」印象を
与えていることもあるかも。

ちびくまは小さい頃、ベビーカーやスーパーのカートには
ちっともおとなしく乗ってくれない子でした。アメリカの
スーパーの、カラフルで可愛らしい子ども用カートに子どもを
乗せて、楽々と買い物を済ませるよそのお母さんが心底
羨ましかったものです。

でも今になって振り返ると、あの頃の私は息子を
「自分が行きたい場所に連れて行って」「自分のしたいことに
付き合わせる」ことだけに躍起になっていたのではないかと
思うのです。
そして、コミュニケーションに先天的な弱さを持った息子が、
それに混乱しイライラしたのはむしろ当然だったと思うように
なりました。

「誰かの立場に立って考える」ということを、英語で
"in someone(else)'s shoe"と言いますが、子どもがいうことを
聞いてくれないと嘆く前に、「どうしてそうなのか」を
子どもの立場に立って考えてみることの大切さを、改めて
思い知らされたような気がしています。