雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

入院6日目

2006年11月03日 | 入院生活
一夜明けると、首と肩の痛みは治まりましたが、脚の筋肉の
けいれんと痛みは一向に治まりません。
これまで手足に力が入らないだけで、どこにもしびれや
痛みを感じていなかった私が、初めて苦しんだ痛みでした。

それで、看護師さんに頼んで車椅子を貸してもらい、
トイレ以外の場所へはそれに乗っていくことにしました。
これまで乗ったことがないので最初はなかなかうまく
前へ進めませんでしたが、幸い腕の力がかなり戻っていたため
少し練習すると、思うように方向転換できるようになりました。

この病棟には、立ったり、ほんの少しだけ歩くことはできるけれど
食堂など少し離れた場所に行くには車椅子を使っている人が
沢山いるので、自分で歩ける私が車椅子に乗っていても
まったく目立ちません。

でも、もしこのままの状態が続いたらどうしよう?
私はこの病気になって初めて恐怖感を持ちました。
立ち上がることはできる、少しなら歩ける、でも、たった
100メートルの距離が満足に歩けなくて
元通りの生活をすることができるだろうか?

5日間の点滴が終わってからは飲み薬さえ処方されていないことが
私の不安に輪をかけました。
長時間の点滴は苦しかったけれど、「今治療している、これで
良くなるはず」という希望もあったのですが、
点滴が終わってからはただベッドで寝ているしかない、と
いうことで、まるで「これから元に戻るかどうかは運次第」と
さじを投げられたような気分になってしまいました。

でも、まだ点滴が終わって2日目。
明日、明後日になればもっと良くなっているはず、と自分を
励まします。
とにかく、昨日副師長さんに言われたとおり、一日の間
できるだけ安静にしているように心がけました。
それが良かったのか、ありがたいことに、この日の夜には
やっとけいれんと激しい筋肉痛がおさまり、普通の筋肉痛並の
だるさと重さを感じるだけになってきました。
でも、こんなことを繰り返していては却って
神経や筋肉に負担がかかって治りが遅くなるかもしれない。
ここにいる間は、トイレや洗面所のほかへは車椅子を使って
あまり脚に負担をかけないようにしよう、と決めました。

今日は母と夫、そして息子の担任の先生も覗きに来てくれましたが
熱が下がった分随分すっきりした顔になったと言われました。
でも、「良かったねえ」と言われると、まだ本当に元に戻るかどうか
わからないのに、本当にめでたいのだろうかという気持ちが
頭をもたげます。

退院を控えたこのころの方が、実は急性期より
精神的にきついものがありました。
でも、誰にもそんな気持ちを察してもらえるはずもなく、
自分から話すこともできず、電気の消えた夜の病室で
不安に押しつぶされそうになって、涙が止まらなくなり
夜中にこっそり携帯からネット仲間に打ち明けました。
その時、ギラン・バレーの先輩(?)のひいろさんが
「ゆっくりだけど、確実に良くなるから」と言ってくれた
言葉に、どれだけ励まされたか。
やはりネットの友人に自分がどれだけエネルギーをもらって
いるのかをあたらめて感じた夜なのでした。