気まぐれ日記帳

思いつくまま・・・

補足

2008年02月08日 | 生活
昨日の記述で、突っ込みいただきました。
酔った勢いとはいえ、はしょって書いて誤解を招くようなことを言ってはいけませんね。
少し補足いたします。

>気温が上がれば、氷が溶けて水面が上がる。
>ありえないよな・・・
>コップの中に水と氷を入れてみれば、すぐ分かる話。

昨日の講義は、これで北極の氷が溶けても海水面とは無関係ということを説明しました。
これは当たり前のことですが、言われるまで気づかない人が多いということです。

今回、突っ込みいただいたのは、「南極の場合は大陸を氷が覆っているため、気温が上がって溶ければ水面は上がる。」というものです。

大陸の氷が溶ければ、水面が上がるというのは間違いではありません。

ただ、昨日の講義では、現在の地球温暖化と海面上昇の関係をそれで説明するのは無理があるということを、冷蔵庫の中にお湯のコップを入れた場合を想像するように説明していました。
こんな話しです。

下記の部分の話しもしっかりふれてましたし、私も知識としては下記のものは持っていたのですが、ちゃんと書かないと誤った理解がされてしまうようです。
学者ではないので、とりあえず環境省、IPCCや気象庁など正確性が問われる公的団体が公表しているものを原文のまま転載します。

身近なところで、平成19年版 こども環境白書より。
「地球温暖化が進むと海水が膨張するなどして、2100年には海面が最大で平均60cm上昇すると言われています。」

そのもととなっている国連地球温暖化研究機関IPCC第四次報告書(2007)
「現在のモデルでは世界の平均気温が1.9~4.6度上昇し、その状態が数千年間持続すれば、グリーンランド氷床はほぼ完全に消滅し、約7mの海面上昇に寄与するだろう。」
「現在の全球モデルを用いた研究によれば、南極の氷床は十分に低温で、広範囲にわたる表面の融解は起こらず、むしろ降雪が増加するために質量は増加する。」
「長期にわたる深層循環の変化についての信頼できる予測はできていない。」

平成18年の気象庁「地球温暖化に関わる海洋の長期変化」
「過去約100年間の日本沿岸の海面水位は、統計的に有意な上昇を示していない。その変動には、1950年ころに極大がみられ、また約20年周期の変動が顕著である。一方で、1980年代半ば以降2005年までの最近21年間についてみれば大きな上昇率(3.8mm/年、標準偏差2.4mm/年)を示し、2004年の年平均海面水位は過去約100年間で最も高かった。日本沿岸の海面水位の約20年周期の変動の主要因は、北太平洋中央部における偏西風の位置と強度の変動にともなう海水の収束・発散によって生じた海面水位偏差が伝播してきたことによると考えられる。日本沿岸の海面水位は、さまざまな要因で変動しており、地球温暖化の影響がどの程度現れているかは明らかでない。」

ということなので、南極の話しは注意して取り上げる必要があります。
グリーンランドも何千年のスパンで「寄与」という言葉が使われていたり、深層循環については「予測できていない」という言葉が使われています。

そこを踏まえて、子供環境白書に簡潔にまとめています。

この記述も平成18年度版に比べると、海水が膨張するという記述が追加され、約1mと書かれていた数字が60cmに変更されています。

地球規模の大きな変化は、まだ誰も正確に立証できてないんです。

大事なことは、

環境に負荷を与えたら、どんな影響が起きるかわからない。
緩やかな変化であればついていけるが、急速な変化にはついていけない。
だから、環境に負荷を与えるような行動は、安全性が立証できない限りやってはいけない。

ここが求められているのだと思います。
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