まちみちふうけい

間もなく10年目も通過点

No.650 初瀬街道、赤目口駅付近

2017-01-13 11:15:18 | みち
おはようございます。









名張から奈良方面へと初瀬街道を巡る走り、前回は名張市内の中心地をいろいろと巡りました。名張市と言うと三重県では県北部の西に位置し、伊賀上野を中心とする伊賀市と比べると知名度は低い感じ、三重県内の中心となる津、四日市とは離れている分、奈良や大阪へ向かう方が便利なイメージもあって、文化の向きは関西の方にあるような感じ、何なら奈良県に鞍替えしてきてもらってもいいですよ、ってそれはないか。テレビ放送は関西圏のはもちろんのこと、三重県と言うことなので東海地方の放送も見ることができるらしい、ただイメージとして中日ドラゴンズファンは少ない感じ、って言うか中日ファンって全国的に少ないか。



初瀬街道は名張市内を東西に貫いていて、道は中心地の部分では旧街道によくある直角の曲がりをいくつか繰り返して町の外れへと差し掛かってくる。上の写真にある道標はその町の終わり部分に立つものだが、その古さや威圧感からして結構歴史の重さを感じることができる。前回お送りした町中にあった道標も往時のものがそのまま残されているようで、古いものを大事に残していくことに心掛けているんだなあという、いいイメージのある町でもあります。






名張の市街地を出て田園風景の中を走って行く、目の前には山が連なっていて、奈良県に入るにはその山を抜けて行かなければならない。そのメインルートとなるのが国道165号線、初瀬街道はその国道を交差して南側、近鉄大阪線の近くを沿って走る。しばらく走ると集落に入って近鉄赤目口駅の近くへとたどり着く。駅へ行ってみようと近鉄の線路をたどって行くと、駅が近くにありそうな雰囲気はあるものの、それがなかなか見つからない。線路の下をくぐってカーブになった上り坂を過ぎると写真1枚目にある近鉄赤目口駅の駅舎があった、自分(一人称)は前に一度この駅から輪行したことがあったが、その時は反対側(北側)に駅舎があった・・・との記憶があったんだが、あれ、記憶違いだったかな。









再び初瀬街道に戻り奈良方面へと進んで行く、近鉄の方は赤目口駅を出ると次はもう奈良県へと入ってしまう、こちらも奈良はもう近いものだと言う気持ちで走っているが、さすがに電車と自転車では違う、三重県内とはもう少しのお付き合いだ。道は旧街道の雰囲気が漂う家屋が建ち並びなかなか趣深い、宿場町ではなかったんだろうが家屋の古さはまさに時代の流れを感じることができるようである。往時大阪から伊勢参りに向かう人がこの道を通ったと言うことだろうが、桜井を過ぎると後は伊勢の手前まで山、山、山の連続、名張付近はそんないくつかの山越えを終えて久しぶりに迎える平地となる所、この地はその入口となるので、旅人の疲れた足や気持ちを和ませることとなったのだろう。しかし名張を過ぎたらまた山越えの連続、しかもこの先には青山の難関も待っている、そこに望むべく気持ちを新たに切り替えるための場所でもあったのだろうか。今は近鉄特急で大阪から伊勢まで2時間もあれば着けてしまう、往時は旅人がいろいろな思いを馳せたであろう名張の町並も今はただの見向きもされない通過点になってしまっている。







町並も終わり、石橋を渡ると風景が開けて田んぼの中の道を進んで行くこととなる、山が近いのでそちらから吹いてくる風が冷たい、遮るものもないので自転車で走るには少し辛いところだ。道は名張川の橋を渡り三重県内で最後の集落となる所へ、川に沿った狭い道だがコミュニティバスも走っている、本数は少ないが近所に駅はなく町の中心地から離れた所でもあるので、バスは地元の人の重要な足と言うことになるのだろう。やがて道はここから右側一段高くなった所を通っている国道165号線とこの先で合流、名張川に沿って国道は緩やかなカーブを繰り返しながら山と山の間をすり抜けて行く。間もなく奈良県との県境、横には近鉄線も走っていて、近鉄電車がカーブに苦しめられている車の流れをまるで相手にもしない様子で走り過ぎ去って行く。相棒との走りもこの辺りは道が狭くてカーブも連続していて気をつけて行かなければならない所、慎重に慎重を重ねて走って行ってやがて奈良県内へと入って行く、県境ではあるが道は割と平坦で簡単に越えることができる。県境を越えるとすぐに旧初瀬街道であろう細い道が国道から分かれている、さあ、いよいよここからは奈良県内での走り、室生から榛原、大宇陀へと向けて気持ちも新たに進んで行く話は、また次の機会と言うことにしておきましょう。そんなわけで次回もお付き合いよろしくお願いします。         まちみち