我が家の青空(My Blue Heaven)

スージィーとロバート、キャッシュとバンクの
2人と2匹の我が家のディリー・ライフ。

「二つの理由」

2015年10月02日 | 日記

いよいよ、今年の
プロ野球のペナントレースも
終盤に差し掛かってきた。

この時期になると、
とりわけ優勝から遠のいたチームほど、
來シーズンのチーム強化に向けた
再編に早くも動き出し、

選手との保有契約の破棄や、
監督・コーチの人事刷新が始動し
メディアは連日、それを書きたてる。

そんな周りの穏やからなぬ気配に、

「何時、わが身に呼び出しが?」

それはあたかも、
ゲージの戸が開かる度に、

昨日までの仲間がいなくなる 

騒めく養鶏場の中で、
出荷を待つ鶏のようだが、


球団からの要請を待たずして、
自ら、引退や退団、辞任を決意し
申し出る人もいる。

その一人が、小生の大好きな
野村克也さんである。


野村さんは、
南海ホークスの選手兼監督時代、

現夫人である沙知代さんとの
同棲などの私生活を

球団や選手への影響を咎(とが)められ、

「野球を取るか、女を取るか、
ここで決断せい!」

と、択一を求められた。

野村さんの言葉は、

「女を取ります!」

「野球を辞めても、仕事は探せば
他にいくらもあるが、

沙知代は一人しかない」。


この言葉で、野村さんは
ホークス退団へと繫がります。


巷には、バツの悪そうに
小指を立てて、

「“これ”で会社を辞めました」

 と言う親父が、居るには居るが、

野村さんは、堂々と、

「“これ”で監督を辞めます」

と言いきった、前代未聞の
監督解任劇の主人公です。

誰もが知る有名な話ですが、

「女を取ります」は
ちょっとした、映画のワンシーンです。


随分前に、
この話を知った瞬間からずっと
スージィーは野村さんの大ファン。

実は今夜、
野村さんを書いた理由は、
もう一つ別にある。

今度は野村さんが、
選手を辞めた時の話し。


野村さんは選手として、
西武ライオンズでユニフォームを
脱ぐことになりますが、

その年に、
プロ生活で初めて、自分の打席で
代打を送られた野村さんは

屈辱のあまり、心の中で

その選手の失敗を願ったと言う。

選手である前に、人として、
あるまじき邪悪な思いに
野村さんは失意して、

自らの現役引退を
自らが決意したのです。


このことを知った小生は、

「言わなきゃ、誰にも判らなかったのに」

誰も知り得なかった筈の
自分の恥を、野村さんは堂々と
世に晒したのです。

これこそが、
野村さんの「魅力」なのです。


ところで、小生も堂々と

「女を取ります!」

と躊躇(ためら)わず答えます。
 

ただし、

「男を取るか、女を取るか、
ここで決断せい!」

と択一を求められた時に
限ってですが。
 
 

球団事務所から
電話が掛かってくる度に

養鶏場の鶏 のように
鳥肌が立ち、身の毛もよだつ 
監督、コーチ、選手の皆さんへ

「運命を受け入れましょう

又、どこかで頑張りましょう

自分の人生を賭け、家族のために、
頑張ってきたあなたを

ファンはけして、
忘れることはありません !」


今夜の曲は、そんな皆さんへ

ライ・クーダー の名盤
「チキン・スキン・ミュージック 」
(鳥肌音楽)から、

「Gooodnight Irine」
おやすみ、アイリーン 

コメント
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