昨日、今年初めて
虫の音を聞いたのは、
福岡女学院大学のグランド横を
歩いていた時だった。
日毎に陽の落ちるのが
早くなったとはいえ、
まだ、青い空を仰ぐ時間の、
5時50分過ぎの頃だと思う。
(いつものウォーキングコースの
丁度、半分の地点だから、
時間は大体判る)
何処からともなく聞こえる
優しくもあり、物悲しくもある
虫の音をもっと近くで聞きたくて、
家路に急ぐ足を止めて、
しばし耳を傾けることにした。
まだ、街灯に明かりが灯る前の
この時間に、一匹の虫が
羽音を立てて鳴くのは、
恋の相手を探すためなのか?
それとも、その目的のための
トレーニングの最中なのか?
虫の音で秋を知り、
風の冷たさで秋を知る。
Tシャツとショートパンツ姿の
ウォーキングも、
そろそろ終わりにしないと、
風邪をひく。
風呂上がりに庭に出ての晩酌も、
まったく同じこと。
明日の夜は、
厚着をして庭に出よう。
澄んだ空には中秋の名月が
きっと、冴え渡るはず。
我が家にとっての二年分の秋は、
虫の音に耳を傾けるように、
月の灯りに照らされるように、
静かに深く心を通わせる。
明日で早、十月。
秋はまだまだ、これから。
選曲は、
ただ聴きたいだけ。
作:さだ まさし
唄:山口百恵
「秋桜」