こんな日を、ぼーっと過ごすのは
勿体ないどころか罰が当たると、
作業着に着替えて外に出たのは、
澄み渡る青空が広がる
秋の穏やかな土曜日の朝。
「さあーて、今日も一日、頑張るか!」
気分を高揚させ臨んだ今日の仕事は、
表の花壇に垣を作ることと、
頂いた花を植えること、
たった、それだけ。
材料は、近くの新築現場から
頂いた廃材を利用して、
先ずは前面から開始。
さて塗装だが、せっかち者は
いつもの如く、
作業時間短縮のために
塗って乾いてから
取りかかるのでなく、
最初は材料同士の接面と、
取り付けて仕舞えば
後で塗装できない箇所だけを塗る。
順調に作業は進んだが、
予期せぬ出来事・・
花壇の縁木が朽ちかけていて
取り換えに迫られた。
作業を早く終わらせようと、
このまま、朽ちかけた縁木で
作業を進めようと思ったが、
「手抜きをするな。
思ったことは、最後までやれ」
と言う声が何処からか聞こえ、
時間は必要以上に要したが
縁木を取り換え、
明日も天気が良さそうなので、
この面まで塗装を終えれば、
今日はここで終了。
日曜日、垣の全面張りを終えたが、
ここで垣にある工夫を行った。
一見、一面の垣に見えるが、
蝶番(ちょうつがい)で、
開閉式にしたのは、
ここは元々、ボンザマーガレットの
女王様の定位置で、
垣を造れば、
女王様の外出(出し入れ)に
苦労するのを見越した策で、
そして、横には花も植えた。
たったそれだけの筈が、
低姿勢の作業故に
姿勢は終始、屈みっぱなしで、
脚はきついは、腰は痛いはで、
何度も背伸びして腰を伸ばす始末。
朽ちかけるのは
縁木に及ばず、人間も同様だが、
それでも垣の出来上がりには、
大満足。
「大満足」とは、
途中で妥協したり諦めたりせず、
何事も最後までやり遂げたこと、
これを「有終の美」と言う。
何一つ、取り柄のない男にとっての
大工仕事は
アイデアと経験で蓄えた知恵を
すべて出し尽くすこと。
ひたすら身体にムチ打ち.
「有終の美」を得るために
これからも果てしなく思いは続く。
曲は、作業を始める前の
土曜日の朝の番組「サワコの朝」で、
ゲストの原田知世さんが
リクエストした曲、
チャーリー・チャップリンの
名曲「スマイル」
唄:細野晴臣