今日は随分と長い間、
空を覆った厚い雲に隠れて
お天道さんは姿を見せぬまま。
空にお天道さんもいなければ
日傘を差すこともなく、
熱い日差しを逃れて
日陰に身を護ることもなく、
「今日も、暑いですねぇ」
の汗を拭いながらの挨拶言葉に
すっかり慣れた人たちにとっては
有難いには違いないが、
どうも、いつもの夏らしくない。
時折、風が小枝を揺らすが
雨が落ちそうな気配もないし、
辺りがやたらに静かである。
気が付けば、
蝉の鳴き声でさえ聞こえない。
この真夏の真夏らしくない
今日の天気、
大人たちは「善し」としても、
お天道様のいない空の下で遊ぶ
子供たちにとっては面白くない
に違いない。蝉も、また、然り。
暑い夏には冬を慕い、
寒い冬には夏を恋う。
恋い慕ったものが当たり前になり、
そのうちに嫌気を差す。
人間とは兎角、勝手がいいもの。
北極の氷が溶けていくニュース。
今日はお天道さんの
気まぐれとしても、
この先、夏も冬も
どんなふうに変わっていくのやら。
一度、失ってみれば
その有難さもいつか判る。
今までに何度も、
失ったことを悔やんだ男が
言うのだから間違いない。
今日の「My favorite songs」
♪
遊び呆けた僕は
金を全て失った
太陽は輝くことをやめ
雨が降り続けた
色々問題はあったけれど
なんとか切り抜けてきた
だけど君を失ったことだけは、
決して忘れられない。
♪
「Losing You」
作・唄:ランディ・ニューマン