さぁ、いよいよ
黄金週間がやってくる。
一年で最高に緑萌るこの季節を、
いつもなら数日を決まって
我が愛する故郷リトルで過ごすのに、
何故か今年は帰らない。
寂しいけれど帰れない。
だけど憂うことは無い。
理由は、
故郷が私を拒んでいる訳でもなく、
単に私が持つ、帰れない事情。
生きている間には、一度ぐらいは
まぁこんなこともある。
故郷がなくなることはない
何にも心配することはない。
あと何年
生きているか分からない私よりも。
故郷は永いこと生きてきた。
子供の時に眺めた川の流れは、
故郷が形を成した時から今日に至るまで
絶えることまで流れているではないか。
故郷が愛おしいのなら、
今夜も月を眺めよう。
故郷に雨さえ落ちていなければ
ここで眺めている同じ月が、
あの空で輝いている。
もし、故郷に雨が落ちてていれば、
子供の時に眺めた、あの空で輝いた月を
思い出せばいい。
雨が落ちたくらいで
故郷も月も、私から隠れることはない。
今も月と故郷が堂々としているのは、
遠くで眺めてくれる人がいるのを
ちゃんと分かっているから。
それは、私が生まれるずーっと、、
ずーっと、大昔のころから。
心は故郷、
私は今夜も、月に酔っている。
つい、酒によって書いてしまった、
不覚の今夜。
トム・ウェイツ
Tom Waits - Drunk on the Moon