がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

膵臓癌GVAX、ゲムシタビン

2007-03-31 | 膵臓癌
新たな癌ワクチンGVAXが膵臓癌患者の生存に有効であるとみられることが2007年Gastrointestinal Cancer Symposiumで発表された。ワクチン治療を受けた患者の生存は、平均27ヶ月であった。ワクチンは癌患者の免疫機能を増強し、癌と闘う力を養う。Gvaxは、放射線を照射によって増殖不能にし、かつ免疫細胞が癌と闘うように誘発する遺伝子組み換えされた膵臓癌細胞を用いたワクチンである。免疫細胞がその照射された癌細胞に遭遇するとそれらは癌細胞と闘い始める。
今回、60人の膵臓癌患者に通常療法に加えてワクチンを注射した。術後8~10週間ワクチンが投与され、化学療法や放射線療法の9ヶ月後に4回の追加免疫が行われた。その後の2年間に死亡した患者は24%であった。通常、手術単独では58%である。副作用もほとんどなく、注射部位の痒み、発赤、腫れで10日以内で治まる。さらに研究が必要であるが、手術、化学療法、放射線療法に対する補助的な薬剤として使用が可能であろう。
膵臓癌には手術後に化学療法や放射線療法が行われ、このアプローチが推奨される。会議で発表された試験によると、454人が手術を受け、約半数が術後化学療法/放射線療法を受けた。5年後の生存率は、3療法併用群で28%、手術単独で17%であった。WebMD2007年1月記事より抜粋

    

JAMA最新号に掲載された6年をかけた試験の結果によると、手術後ゲムシタビン(ジェムザール)を投与することにより、膵臓癌の再発を約2倍遅らせることが示された。(無病生存は13ヶ月対7ヶ月)しかし、再発の遅延は生存率向上には結びつかないとみられる。ドイツの試験によると、手術に化学療法と放射線療法を併用することで手術単独より6ヶ月長く生存すると示されている。アメリカがん協会記事3/16より抜粋


コメントを投稿